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べっく日記

偏微分方程式を研究してるM2の日常

イギリスがEUを離脱するっぽい。

ハリーポッターを見ながらこの記事を書きはじめてみる.エマ・ワトソンかわいいなあ.ハリーポッターといえばイギリスが舞台の映画だが,そのイギリスにてEUから脱退するかの国民投票が行われたようだ.結果として離脱の方が票が多かったのだが,TLを見る限り,よくわかってない人がいたので,私自身の勉強も兼ねて記事を書くことにした.

 

この記事では,

1.何が対立しているのか?

2.今後何が起こるのか?

3.日本はどうなるのか?

の3点からイギリスのEU離脱について考えていきたい.

 

《1.何が対立しているのか?》

今回のイギリスでおこなわれた国民投票はイギリスがEUに残留するか,EUから離脱するかのどちらを選ぶか,というシンプルな投票であった.いろいろ書くと混乱するので,残留派と離脱派の主張を要約してみる.

 

残留(イギリス首相;キャメロン氏)

・経済の面で残留すべき

・安全保障の面で残留すべき

 

離脱派(前ロンドン市長;ボリス氏)

・移民を受け入れたくない

・EU加盟はコスパが悪い

・トルコのEU加盟が怖い

 

EUに残留するか,EUから離脱するか,というシンプルな問いの割には,複雑な対立があるようだ.それぞれの主張を解説してみる前に,そもそもEUとは何か解説してみる.

 

EUとはEuropean Union (欧州連合)の略で,ヨーロッパを一つの国みたいにしよう!的な組織である.組織の目的は主に,貿易の障害となる関税や規制の撤廃して域内の人や仕事を自由にして経済を活発にさせようという点と,各国が協力し合ってロシア(ソ連)に対抗しようという安全保障の点,の以上2点が挙げられる(もちろんほかの活動もある).目的というか,これがEUに加盟するメリットである.これがEU残留派の主な主張である

 

イギリスの中でもスコットランドではウィスキーの生産が盛んであり,もしイギリスがEUから離脱すると,輸出するときに関税がかかっちゃうからウィスキー売れなくなっちゃうゾ.それは困る~というのがスコットランドでは残留派が多い要因の一つである.

 

また,ヨーロッパ諸国はそれほど大きくない国が多く,近くにいるロシアに対抗すべく,一緒に協力し合ってアメリカ並みの「大国」的なグループを結成しようというのがEUであると考えてもよい.第1次世界大戦,第2次世界大戦がヨーロッパで起き,終戦後ヨーロッパは疲弊していたので,大国ロシアに対抗するべく結成されたのがNATTOとかで,これらがEUの母体となっている.要は戦争起きないようにしましょうね~って感じで,それが理由で2012年にEUはノーベル平和賞を受賞している.相変わらずノーベル平和賞は政治色が強いんである.

 

さて,一見イギリスがEUに残留するのがよさそうに見えるが,もちろんデメリットもあるわけで,これが離脱派の主張になっている.EUにはいろいろな規約があって,その中にEU域内からの移民は受け入れなければならない,というものがある.ルーマニアブルガリアといった「貧乏な」国がEUに加盟したことで,「お金持ち」なイギリスやドイツに移動した人が大量に発生してしまった.まあ,平均月収5万円の国にいるより最低月収25万円の国に移ったほうがいい生活が送れるからね.政府の予測をはるかに上回る移民がイギリスに押し寄せたため,

1.病院や学校がキャパオーバー

2.不動産価格の上昇

といったことが起こってしまった.

 

特にイギリスは国立の病院なら医療費は無料なので,移民が増えたことで,社会保障費が国予算を圧迫していた.不動産価格については,昔に比べて1.5倍になったとか,そんなレベルではなく,物件買うのに必要な「頭金」を稼ぐのに約20年は働かなきゃいけない程高騰していた.そのため,ロンドン郊外に住もうということになるが,移民が増えたことで,そもそも住む家が足なかったり,ロンドン郊外の不動産価格も上昇している.これ以上移民受け入れらないじゃんか,もう移民の受け入れはやめようよ,という声があちこちで出ていたんですね(5年前はそんなことなかった).

 

また,EUに加盟しているからには毎年きちんと加盟費なるものを払わなければならない.イギリスは毎年150億ポンド~200億ポンド払っているらしい.しかし,EU域内では経済格差が大きいので,「お金持ちな」国から徴収したお金は「貧乏な」国に分配されるので,例えば,イギリスがEUに払ったお金でギリシアに高速道路作ったりされる.しかし,これはイギリスからしたら何も意味のないことである.投資額に対してそれに見合うリターンがない,ということである.EUから離脱すれば毎年EUに払っていた分のお金を社会保障費に回すことができるゾ~というのが離脱派の主張である.

 

最近はあまりニュースで聞かなくなったが,ISISの拠点があるシリアの隣国,トルコはEUに加盟したいと,何十年も前から加盟申請している.トルコはISISの拠点のあるシリアに隣接しているので,もしテロリストがトルコに入った場合,EU域内の移動は自由なので,テロリストがイギリス国内に侵入する恐れがある,というのが離脱派の主張である.特にイギリスはISISの標的となっている国なので,我々が想像するよりもかなりこのことについては敏感なのである.

 

要は,移民やだゾ~というのが離脱派なのである.

 

《2.今後何が起こるか》

まず,EU残留派の多かったスコットランドではイギリスから独立するかどうかの国民投票が行われる見通し.スコットランドがイギリスから独立するかについての国民投票は2014年に行われたが,そのときはイギリス残留派が勝利した.

 

また,EUから離脱する,というのは前例がないので,今回のイギリスのEU離脱が引き金となって,EUに加盟することに不満を持っている国が離脱したり,また「落ちこぼれ」の国がEUから追い出されたりすることが考えられる.

 

とはいえ,今回の投票結果はあくまでも「世論の意見」であって,離脱するにはきちんとリスボン条約に基づいて手続きを踏む必要がある.実際に離脱するには,最短でも2年はかかる見通しなので,今後2年は今までよりも多くの移民が増えるのではないかと懸念される.

 

EUは弱体化するのはほぼ確実で,そうなると台頭するのがロシアである.EUの目的であった安全保障がダメになる可能性があるのである.EUがダメになることで,ロシアはますますウクライナへの攻勢を強めることが予想される.そうすると,極端な話,戦争が起きる可能性があるのである.

 

またEUやポンドの信用性が落ちるので,相対的に円の価値が上昇するので,円高が進行し,円高によって,日本の株価は軒並み下落すると考えられる(日本企業は円安だと嬉しいが).特にトヨタをはじめとする日本のメーカーは円高になるとそれだけで損であり,今年の各メーカーの業績は落ちるのが見込まれます.メーカーに勤めている人のボーナスは去年ほどは期待できない気がする.

 

《3.日本はどうなるのか?》

幸い,日本はアメリカや中国ほど,イギリスと密接な関係にあるとはいえないので,今回の騒動が日本にダメージを直撃することは少なそうである,というよりはそれほど心配する必要はない.先程も書いたように,円高がしばらく続きそうなんで,留学するなら今!という感じ.ただ,今回の件と中国バブルの崩壊が相まって,不景気が来そうなので,株を始めるなら今!でしょうか.

 

2週間後には参院選があり,EUをTPPに置き換えて主張する人とか出てきそうだなあとか思っている(目的は全然違うのに).私は選挙権持ってますが,ローリスクローリターンの投票を行うより,ハイリスクハイリターンの競馬の投票のほうが面白いので,たぶん今回も選挙には行かないでしょう.みなさん,頑張って私の代わりに投票頑張ってください.私もみなさんの代わりに投票頑張って万馬券当てたいと思います.