べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

第40回発展方程式若手セミナーに参加してきた。

8月29日から9月1日まで開催された発展方程式若手セミナーに参加してきた。これは平たく言うと修士や博士、ポスドクなどの若手を対象とした合宿形式の研究集会である。

 

今回の参加は2年ぶり2回目である。前回参加したときの記事は

第38回発展方程式若手セミナーに参加してきた。 - べっく日記

を参照してください。

 

前回参加したときはまだ修士1年でただただ話を聞くだけだったが、今回は発表する機会があったので発表した。聴衆が興味を持ったかどうかはわからないけれども、伝えたいことは伝えることができたので、とりあえずよしとしよう。

 

あと、前回参加したときはちんぷんかんぷんだったけど、今回はある程度わかる発表が多かったように思う。でも、それを研究に応用できるかと言われるとちょっと難しそう。

 

今回なんか残念だったのは、数学の側面だけしか見てない講演者がいたこと。もっと物理的なことなどを説明しないのかなと思ってしまった。数学者だから物理のことは全くわかりません、というのは無責任だと思うんです(戒め)。

 

今回の特別講演は九大の隠居先生で、とても興味深い話だった。以前から、圧縮性粘性流体ではなくて非圧縮粘性流体の場合はどうなんだろうと思ったけど、もうすでにたくさんの結果があるらしい。個人的には、粘性流体ではなく粘弾性体で研究すると面白いんじゃないかと思って質問してみようと思ったけど、機会を逃してしまった。残念。

 

粘弾性体の中に棒を入れて回転させた場合、ワイゼンベルク現象が発生するから、テイラー渦が発生しないと思うんだけどどうなんだろう。そうすると、もしかしたら、従来とは異なる結果を得られる気がする。特に、粘弾性体を記述する方程式は放物型偏微分方程式になるから、そんなに難しい議論は必要じゃないと思うんだよな。気が向いたら研究してみよう。

 

さて、今回一番驚いたことは、ラインを交換したときに「あ、ブログ読んでます!」と言われたことと、意外といろんな人がブログを読んでくれているということですね。びっくり。今後はもう少しちゃんと書くことにしよう。

 

今回はおかげさまで、いろんな大学の方々と交流することができた(と思ってる)。交流を通じて、さまざまなバックグラウンドを知ることができたのはよかったと思う。特に、いま共同研究で取り組んでいる問題の次の問題に対して、いいヒントを得ることができた。Tくんありがとう。

 

最後に、幹事の竹田先生、猪奥先生をはじめ、運営に携わった方々に厚く御礼申し上げます。お世話になりました。