部分分数分解についてずっと頭を悩ませていましたが,ようやく理解できたので,まとめておきたいと思います.ホームページにアップするほどの内容でもないので,ブログの記事にしようと思った次第です.完全に自分向けに書いたメモであることを予めご了承ください.
部分分数分解は高校の数学でも出てくるテクニックであり,これについては Wikipedia や
などに簡単な場合についてまとめられている.ただ,残念なことに,この方法は実践向きではない.実際に,熱伝導まで考えた圧縮性ナビエ・ストークス方程式を考えた場合,特性方程式 が(本質的には)3次方程式になるので,特性根を とすれば,
と因数分解することができ,Resolvent 解析を行うには の下からの評価が必要になる.このとき, は
と書くできるので, の漸近展開を組み合わせれば の下からの評価を得ることができてハッピーである(cf. Kobayashi, 1997, Tsukuba Math. J. の Section 2).しかし,先ほど紹介したリンク先のテクニックを用いてこの部分分数分解を導出するのは困難である.
これをささっと得るためには Heaviside cover-up method と呼ばれるものを用いる.これについては Wikipedia と
が詳しい.どうやらメジャーな方法らしいが私は知らなかった.
この方法に従えば,先程の例は,より一般に
と書くことができることがわかる.ここで である.めでたしめでたし.
おしまい.