べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

研究進捗2019/10/26

気づけば夏が終わり,秋らしい天気になってきました.おかげさまで,このブログの知名度も上がってきました.研究の進捗を書くようになった当初は全く想像していなかったことですが,どうやら口コミで認知度が高まっているようです.今後はブログではなく,研究結果で知名度を上げていきたいところです.



<これまでの進捗>

・学会で発表した.特に,共同研究によって得られた,外部 Lipschitz 領域における Navier-Stokes 方程式の結果について発表した.反応はとても良かったように思える.

・Contact line problem はやはり reflection で解けそうなことがわかったが,丁寧に reflection しないといけないことがわかった.K先生にメールで質問したおかげでだいぶ理解が進んだように思う.やはり contact line 上でどのように reflection argument を施すのか,が重要なようだ.

・博士論文を書いた.しかし,まだところどころ誤植はある状態.先輩のSさんみたいに200ページ書きたいなあと思っていたけど,無理だった.私は 170 ページちょいが限界だった.共同研究者は280ページくらい書いていたのでバケモンだなって思う.

・阪大のTさんから,Navier-Stokes-Korteweg 方程式で,(自明な)定常状態における圧力の微分が0の場合は,初期運動量が  m_0 = \partial_x \tilde m_0 と書けないとだめだよ,とずっと言われていて,理由がずっとわからなかったけど,ようやく理由が理解できた.この場合は,Fourier multiplier が Mikhlin condition を満たさないということみたいだ.実際に,この場合は,Fourier multiplier の分母に  \lvert \xi \rvert ではなく, \lvert \xi \rvert^2 が現れるので,原点近傍での振舞いがよろしくない,ということだったらしい(直接話したわけではないけど,メールでのやり取りから私はそのように解釈している).たしかに,初期運動量の「書き換え」を行ったり,homogeneous な Sobolev 空間で考えないとこの問題は解消できなさそうである.それに気づかないまま論文を投稿してしまったのは反省すべきことである.

・RIMS や早稲田での講演のアブストラクトを書いて送った.


<今後の目標>

・来月はたくさん研究発表しないといけないので,その準備を頑張る.

・博士論文を完成させる.



今日はいい天気ですね.ここのところずっと机とお友達だったので,今日は少し遠出をして,江ノ島を散策しようと思います.リフレッシュは大切だと思います.次回の研究進捗は12月下旬を予定しております.では.