べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

修論の研究テーマが決まった。

11月ももう中旬になり,今年も残りわずかとなった.そして修論の研究計画書の提出の締め切りもじわじわと迫っている.

 

さて,昨日のゼミにて修論の研究テーマが決まった.Navier-Stokes-Korteweg 方程式の2相問題,特に表面張力があり,相転移を伴う2相流体の自由境界問題を研究することになった.一見難しく聞こえるが,簡単にいえば水が蒸発するときにその水の境界がどう変わるのかを数学的にきっちり解析しようという研究である.ただし,非圧縮性流体の場合,圧力項の扱いが難しくなるので,とりあえずは圧縮性流体ー圧縮性流体の問題を考えるようだ.

 

Navier-Stokes-Korteweg 方程式は方程式に密度の微分の項が含まれている点が「通常」のNavier-Stokes 方程式と異なる.密度の微分の項が含まれるのは,相転移(例えば水が蒸発するなど)を考慮した為である.Navier-Stokes-Korteweg 方程式は最近盛んに研究されているが,ほとんどの研究が「1相」の問題である.しかし,Navier-Stokes-Korteweg 方程式は相転移を記述するために提唱された方程式であるので「2相」の問題を考えるのが自然である.

 

そういえば昨日のゼミの後先生に学振DC1についていろいろ話をされた.私は一言もD進するとは(たぶん)言ってないのに,D進を前提にいろいろ話が進んでいるのはなぜだろう.秋から研究始めるし,学振DC1は業績ゼロで突撃するのかなとてっきり思っていたけど,冬休みに立派でなくてもいいから練習のために論文を書きはじめて,4月にはアクセプトもらおうと先生に言われた.数学の理論系の場合,学振DC1は論文ゼロで応募する人が多い分,論文をもっているとかなり優位に立てるらしい.いつもお世話になっている助教は学振DC2に通っているので何か心強いが,タオ先生のブログに書かれていたように,いずれはきちんと先生から「独立」しなきゃいけなんだよなあ.

 

何はともあれ,今後研究の進捗を少しずつこのブログに書いていこうと思う.とりあえず今日は教習所いって坂道発進をマスターしたいと思います.