先日母から実家のネコの写真が送られてきました.
よくわからないけど,このネコはどうやら「ネコは四足動物である」という常識を超越したようです.私もこれまでの知られている研究結果を超越するような研究成果を出したいものです.ところで,実家でこのネコが「にゃー」と鳴いているところがみたことがありません.いつも「ブルルゥン」と言っている気がします.本当にネコなのだろうか.
<これまでの進捗>
・Guo-Tice のプレプリントを読んだけど,よくわからない.可解性を議論しているというよりは解の評価を頑張って導出しているだけな気がした.
・3月上旬にオンライン・セミナーの補助を行った.特に何の問題もなく終了してよかった.いろいろ勉強になった気がする.
・オンライン・セミナーをきっかけに,半年以上放置していた P さんとの共同研究を再開した.いろいろ考えた結果,まずは -級の領域における Stokes 方程式を考えようということになった.S先生にどういう解析をしたのかを大雑把に伝えたら「それは賢くて面白いね」と言われたので,たぶんいい論文になると思う.また,-級の領域だと難しいと思うと伝えたら,「それはたぶん全然違うストーリーになる」と言われた.まあ,bent-half space の解析がほとんど終わったので,(物理的に)頑張れば論文ができると思う.
・Navier-Stokes-Korteweg 方程式系の時間大域解を critical な Besov 空間で構成した.特に,初期速度場の potential part がどんなに大きくても時間大域解が存在することを示した.また,incompressible limit を得た.つまり,Danchin-Mucha の結果を Korteerg の場合に拡張した.論文にまとめて投稿した.内容を誰かにチェックしてもらったわけではないけど,正しいと思う.
・一様に剛体回転する流体の安定性を扱った論文がエディターリジェクトされた.理由はわからないけど,クレレ誌(Journal für die reine und angewandte Mathematik)には合わない論文だったらしい.気を取り直して別のジャーナル(Mathematische Annalen)に投稿したら査読には回されたので,首を長くして待つことにしよう.
・角速度の大きさを制限しない,一様に剛体回転する流体の安定性についても調べた.調べたというよりは,Solonnikov 先生の一連の論文を読んだ.最近になってようやく彼の philosophy を理解できるようになってきた.
・Solonnikov 先生の論文を読んで,彼の議論を -framework にすることを始めた.まずは,付随する半群の decay を出すことから始めた.そのためには,まず,どのような直交条件が必要になるかということと,induced operator がきちんと解析半群を生成するということを言わなければいけない.そのうえで固有値の解析をする必要がある.固有値の解析以外はほとんど終わった.固有値の解析は,本質的には の場合だけを考えればよく(領域が有界である場合は作用素のスペクトルは に依らないので),これは Solonnikov 先生の議論を真似ればできる.
・上の研究でのゴールは,equilibrium figure を決定する方程式
on
が汎関数 ] の Euler-Lagrange 方程式であるとし,] の第二変分 ] が positive definite であれば,一様に剛体回転する流体の安定性が得られるというものである.たぶんできると思うし,上司のS先生の結果を大幅に完全することができると思う.というより,S先生はNavier-Stokes の自由境界問題の研究は完成したと思っているけど,ここまでするべきだったと思う.
・8月の中旬にオンライン・セミナーを行うことで,ドイツの M. K. さんと同意した.個人的には,Rossmann 先生を呼びたいけど,彼も面識がない先生のようだ.少し難しいかもしれない.上司のS先生はただのオブザーバーとして参加するみたいなので,自分が聞きたいトピックを選べるのはうれしいものね.こうして人脈が広がっていくのかもしれない.
・科研費「若手研究」に採択された.申請書を読んでくださった方々,ありがとうございました.3~4日で作成した申請書なのにお金もらっていいのだろうか.
<今後の目標>
・8月のオンライン・セミナーの準備をする.日程が決まったので,講演者を決める.たぶん6~9人.
・一様に剛体回転する流体の「安定性」についての論文を完成させる.
・一様に剛体回転する流体の「不安定性」を調べる.固有値の解析が主な仕事で,固有値が右半平面に現れることが示せれば,Henry の instability theorem から不安定性を示すことができる.Padula-Solonnikov の論文にアイディアがある程度書いてあるけど,少し難しい.頑張って理解する.
・Contact line problem は,重力を考えないと時間大域解が出せないと思うので,重力がある場合に問題を考えなおす.まずは Rossmann 先生の論文を読むことから始めるといいと思う.
今日はいい天気です.仕事のことなんて忘れてビール飲みたいけど,講義の準備をしなければいけません.どうして専任でない,任期付きの教員に測度論の講義なんて持たせるんだろうね(しかも英語で講義しないといけないのに).ところで,4月になって給与が少しだけ上がりました.でも,依然して学振PDよりも給与は安いです.やっぱり学振PDの申請をするべきだったのだろうか.裕福な生活をしたいわけではないけど,スーパーで躊躇なく牛肉を買えるようになりたいものです.今後も頑張ろうと思います.次回の研究進捗の更新は6月末を予定しています.では.