べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

研究進捗2017/6/30

今日は今年の前半最後の日だ.我ながらこの半年間がんばったと思う.残り半年はもっとがんばろうと思う.

 

修論を先輩に見てもらった.誤りを指摘していただいた.大きな訂正はないが,考察や記述が少し不十分な箇所があった.

BMOHardy空間,Holder空間について復習,勉強を行い,レクチャーノートとしてまとめた.今後ホームページにアップする予定ですが,その前にほしい人は連絡ください.

・Besov空間について少し復習した.

 

<来週の目標>

修論を訂正し,もう一度先輩と打ち合わせを行い,そして主査と副査の先生方に修論を渡す.

・Besov空間を少し復習する.時間があったらレクチャーノートとしてまとめる(もちろん,修論のタスクを優先する).

 

最近院生室がにぎやかになってきましたが,午前中はほぼぼっちです.さびしいので誰か遊びに来てください.では.

研究進捗2017/6/23

今日もいい天気だ.

 

修士論文が完成した.また,一度(自分で)校正を行い,間違いを訂正した.全部で83ページになった.我ながらがんばったと思うけど,先輩などのように100ページにならなかったのは悔しい.

・この修士論文は投稿している論文に大幅に加筆したものなので,数学的に正しいかどうか助教の先輩とミーティングを行う予定.

 

<来週の目標>

・先輩とミーティングを行う.

・ミーティングに備え(?),修士論文をよく復習する.

・小薗先生の講義ノートをまとめ,復習する.

 

 

先週のオリエンテーションの行きと帰りのバスの車内において助教の先輩と様々な議論ができた.小薗先生の講義でやっているリトルウッド・ペイリー分解によるベゾフ空間の定義は,領域が全空間だからうまくいくのであって,領域が有界になる場合は境界をしっかり考える必要があるため,やはり補間空間論に因る定義が必要みたいだ.ほかにもキャリアアドバイスを含めいろいろ有益なことを聞くことができた.Sさん,いつもありがとうございます.

 

さて,暇つぶしにタオ先生の Averaged ナビエ・ストークス方程式の論文をまとめたスライドを読んでみた.なかなか面白いアイディアであった.解の「見方」が斬新であった(気がする).ウェーブレット解析を用いて,微分方程式を漸化式のように見做す方法があることを知った(これはタオ先生のアイディアではない).リトルウッド・ペイリー分解はベゾフ空間の定義に登場するものだと思っていたが,どうやらウェーブレット解析にも登場するようだ.ただ,タオ先生の場合は領域が全空間だし,L2の直交性をうまく使っているからいろいろうまいことが出来ているだけな気がするけど,一般にはどうなんだろうか.

オリエンテーションに参加して来た。

昨日、一昨日と、学部3年生を対象とした、数学科応用数理学科のオリエンテーションにTAとして参加してきました。

 

場所は軽井沢のセミナーハウスです。

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他の学科では、学部1年や2年のときに行われることの多いオリエンテーションが、学部3年に行われるのは、みんながお酒を飲めるから、というのはなんとも早稲田大学らしいです。

 

ただ、校歌は歌いませんでした。たぶんみんな覚えてないから、ということだからなのでしょうか。

 

TAとして行ったので、もちろんいろいろ仕事があったわけですが、自由時間もありました。そこで、約7ヶ月ぶりくらいにテニスをやったのですが、全然打てませんでした。豊泉先生がうますぎてびっくりしました。

 

夕飯をはじめ、食事は全てバイキング形式でした。ふつうに美味しかったです。

 

さて、なんといっても最大(?)の楽しみは懇親会です。

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日本酒はどれも美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

そしてなんとビンゴ大会がありました。

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私はリーチまではいったのですが、残念ながらビンゴにはなりませんでした。日頃の行いが悪いようです(?)

 

2次会があったわけですが、みなさんなかなか元気でした。私は3時くらいに寝ましたが、まだ起きている人もいました。

 

進学したいが、就職しようと悩んでいる人が多い印象を受けました。もちろん、家庭の事情もあると思いますが、家の人が許可してくれる、ということであれば、遠慮なく進学した方がいいのかなと思いました。進学しなければ、最先端の数学に触れられないと思います。最先端の数学は「生き生き」としているので、数学に対する価値観も少し変わるのではないかと思います。

 

翌朝頑張って7:30に起床した私は、前日に1時間テニスしただけで筋肉痛になってしまいました。完全におっさんです。よって、この日は運動することなく、大人しくレクチャーを受けました。

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なかなかみなさん熱心でした。見習いたいものです。

 

交流できた学部生の方が限られてしまったのは少し残念でした。しかしながら、参加したことにより、普段交流できないような他分野の先生や先輩方とお話ができたのはとても良かったと思います。

 

来年も都合が合えば参加できらいいなと思います。

研究進捗2017/6/16

アブストラクトを少し訂正して提出した.

・レクチャーノートを公開した.誤植あったら教えてください.

・Prüss先生のグループの論文を何本か読んだ.時間局所解の存在証明だけなら,もっと証明がシンプルになることがわかった.ノルム評価も出せなくはないけど,出すとなるとShimizu-Yagiの論文をただ繰り返すだけになるし,それじゃあつまらないな.Remarkで言及するだけでいいかな.というよりRemarkで言及してAppendixで少し書けばいいか.

・出張の手続きを少しした.

 

<来週の目標>

修士論文をとりあえず完成させ,再来週から校正する.

 

学部4年のゼミの様子を助教の先輩からちょくちょく聞くのですが,本の読むスピードが私のときよりも5倍くらい早くてびっくりしています.まだ会ったことないけど,後輩の皆さん,たくさん勉強して私に教えてください.よろしくお願いいたします.

レクチャーノートを公開しました。

先程,私のホームページに,Bochner積分とベッセル関数についてのレクチャーノートを公開しました.

 

リンク:Memo - Keiichi WATANABE

 

ご活用いただければ幸いです.

 

これからも少しずつアップしていこうと思います.

では.

テレンス・タオ先生の関数解析・実解析の講義ノート。

一度勉強したことも,日々使わなければ忘れるんだなあと感じています.

 

さて,UCLA の教授,テレンス・タオ大先生は,様々なレクチャーノートをブログで公開していることで知られています.今日は,関数解析・実解析のレクチャーノート(のリンク)を紹介していこうと思います.また,そのレクチャーノートをまとめ,少し加筆された本がこちらです:

An Epsilon of Room, I: Real Analysis: Pages from Year Three of a Mathematical Blog (Graduate Studies in Mathematics)

An Epsilon of Room, I: Real Analysis: Pages from Year Three of a Mathematical Blog (Graduate Studies in Mathematics)

  • 作者: Terence Tao
  • 出版社/メーカー: Amer Mathematical Society
  • 発売日: 2011/02/15
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 8回
  • この商品を含むブログを見る
 

またこの本に限らず,タオ先生の本の特徴として,Exercise が(異常に)多いことが挙げられます.誰か解答を一緒に作りましょう.

 

以下,リンク先です(Chapter 及び Section の番号は紹介した本に対応しています).

 

Chapter 1. 実解析

1.1. 測度論の復習.

terrytao.wordpress.com

 

1.2. 符号付測度とラドン・ニコディムの定理.

terrytao.wordpress.com

 

1.3. Lp空間.

terrytao.wordpress.com

 

1.4. ヒルベルト空間.

terrytao.wordpress.com

 

1.5. 双対性とハーン・バナッハの定理.

terrytao.wordpress.com

 

1.6. 位相空間論の復習.

terrytao.wordpress.com

 

1.7. ベールのカテゴリー定理とそのバナッハ空間への応用.

terrytao.wordpress.com

 

1.8. 位相空間におけるコンパクト性.

terrytao.wordpress.com

 

1.9. 強・弱位相.

terrytao.wordpress.com

 

1.10. 局所コンパクトハウスドルフ空間における連続関数.

terrytao.wordpress.com

 

1.11. Lp空間の補間.

terrytao.wordpress.com

 

1.12. フーリエ変換

terrytao.wordpress.com

 

1.13. 超関数.

terrytao.wordpress.com

 

1.14. ソボレフ空間

terrytao.wordpress.com

 

1.15. ハウスドルフ次元.

terrytao.wordpress.com

 

Chapter 2. 関連する話題

2.1. カラテオドリの拡張定理の別証明.

terrytao.wordpress.com

 

2.2. 従順,ピンポンの補題及びバナッハ・タルスキーのパラドックス

terrytao.wordpress.com

 

2.3. ストーンの表現定理とルーミス・シコルスキの表現定理.

terrytao.wordpress.com

 

2.4. 整列集合,順序及びツォルンの補題

terrytao.wordpress.com

 

2.5. コンパクト化と距離化.

terrytao.wordpress.com

(注)リンク先はと1.10. 同様.紹介した本では,リンク先の内容を分けている.

 

2.6. ハーディーの不確定性原理

terrytao.wordpress.com

 

2.7. イプシロンの部屋を作れ.

terrytao.wordpress.com

 

2.8. 従順.

terrytao.wordpress.com

研究進捗2017/6/8

今日もいい天気だ.今日くらいの気温が一番気持ちい.

 

非線形項をすべて書き出した.

・線形化する際の仮定は悪くはなさそうだ.

・最大正則性原理の証明を終えた(気がする).

・9月の研究集会のアブストラクトを書き終えた.

・ソボレフの埋め込みは復習しなかったが,Shimizu-Yagi (D.I.E.,2015)の論文がわかりやすそうだった.なんとなくやりたいことをつかんだ気がする.

 

<来週の目標>

アブストラクトをチェックし,提出する.

・Shimizu-Yagi の論文を参考に,縮小写像を構成する.もしだめそうなら Shibata-Shimizu の論文を参考にやる.

・最大正則性原理の証明をしっかりチェックする.

・9月の出張の手配や手続きをする.

 

 

小薗先生の講義にて,Besov空間の定義に何で補間空間論を用いないのだろうと思っていたが,なんとなくその理由がわかってきた気がする.そういえば,昨日の講義ではG先生以外に,(京都にいるはずの)S先生もいてとても驚いた.S先生の質問のおかげで,昨日先生が証明していた定理の一般形を知ることができた.意味のある質問って大事だなあと思いました.(終)