べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

CIMEサマースクールに参加してきた。

イタリアのCetraroで行われた研究集会: "Mathematical Analysis of the Navier-Stokes Equations: Foundations Overview of Basic Open Problems" に参加してきた。つい先程帰国した。

 

この研究集会、というよりサマースクールは60年以上の歴史があり、第2次世界大戦後のイタリアの復興のためにスタートしたようだ。これまでの参加者は1万5000人を超えるらしい。また、これまでの講演者の中にはSobolev先生やZygmund先生など「歴史」を変えた人がたくさんいたようだ。

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今回の講演者は、Galdi先生、Hieber先生、小薗先生、Robinson先生の4人だった。いずれも難しいことを扱っていたが、去年までは10聞いて1わかるかどうかだったが、今回は10聞いて4わかる、という感じだったから、だいぶ進歩した気がする。小薗先生の話は、前期の講義とほとんど一緒だったので、いい復習になったし、理解を深めることができた(はず)。

 

今週は学会、来週は先生とのミーティングがあるから、少し忙しいけど、しっかり復習しておきたいと思う。ちなみに内容は、

Galdi先生: 剛体と流体の連成問題に対するスペクトル理論、

Hieber先生: H-infinity calculus を用いた最大正則性原理とその応用、

小薗先生: Besov空間とその応用、

Robinson先生: Partial regularityとそのナビエ・ストークス方程式への応用

であった。Robinson先生はおそらくイギリス人だが、英語がとても聞き取りづらかった。全体的に面白そうな話だったけれども、いずれもかなり研究が進んでるらしく、やはり競争は激しいんだなと感じた。

 

さて、研究集会の会場(泊まったホテル)はとても良かった。海がとてもきれいだった。

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ドイツから参加した人曰く、海に入りたいから参加したと言っていた。確かに、毎日海に入っていた気がする。

 

ドイツやポーランドから参加した人と話す機会があって、京都などについて色々聞かれた。私は京都に観光に行ったことないせいもあり、満足する回答ができなかった。もう少し日本の歴史や観光名所くらいは覚えようと思った。

 

長旅で疲れたけど、明後日からは学会に参加するため山形に行かないといけない。今回は自分が発表する時間もあるから、しっかり準備したいと思います。

 

最後に、研究集会に参加するにあたり、関係各方面の方々にお世話になり、また金銭的なサポートもいただきました。この場を借りて御礼申しげます。

 

《 おまけ 》

ホテルの玄関には犬がいた。

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とてもお利口だった。犬飼いたいと改めて思った。