べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

学生授業アンケートが届いた(2020年度春・夏)

皆さんお元気ですか?べっくです。私はそこそこ元気です。元気の源は何かわからないけど、さまざまな人との交流とビールにあるような気がします。

 

さて、今年度から講義を担当することになったのですが、先日ようやく春学期(+ 春・夏クォーター)の学生授業アンケートの結果が届きました。要は、学生による、授業評価です。個人的には、来期の授業準備の参考にしようと思っていたので、少し心待ちにしていました。私が単独で担当した科目については、全体的に評価はそこそこ高かったと思います。以下、詳しく書いていきます。

 

まず、(シラバス検索したらわかりますが)私が単独で担当した科目は次の通りです。

 

常微分方程式

・測度論

 

これに加えて、ベクトル解析とかの講義も連名で担当しました。英語で講義をしなければいけなかったので少し大変でした。日本語ならもう少しスムーズにできたのかなと思うと、もっと英語を勉強しなきゃなと思いました。

 

新型コロナウイルスの影響で、急遽講義のオンライン化が決まり、しかも大学にしばらく入れなかったので、東進のようなオンライン講義は早々に諦め、どちらかと言えばテキストベースでの講義スタイルにしました。もちろん、講義ノートと課題を配ってお終い、というわけではなく、きちんと課題のフィードバックを行っていました。ちなみに、課題は毎週出していましたが、学生の皆さんはよく頑張ってやってくれたなと思います。いま振り返ってみると、受講生が少なかったから課題のフィードバックを早く行えたのかなと思います。来期は必修科目とかを担当するので、課題は2週に1度くらいにしようと思います(来期からは講義ノートに加えてオンデマンド動画を配信する予定です)。リアルタイム配信(生中継)が一番労力が少ない割に、学生からの評価もまずまずという印象を受けますが、私の担当する科目は全て留学生向けの講義であり、受講生が日本にいない可能性が高いことから、リアルタイム配信は一切考えていません。

 

前置きは長くなってしまいましたが、私が担当した講義の評価は次の通りでした。

 

常微分方程式

回答数: 8/14(57.1%)

Q1. 教員は、学生の取り組みを支援するような情報提供を行った

5.50/6.00

Q2. 教員は、学生が自ら考えたり、行動したりすることを促した

5.50/6.00

Q3. 教員は学生の取り組みに関して効果的なフィードバックを行った

5.38/6.00

Q4. 教員は学生のレベルや達成状況を把握して授業を進めた

5.50/6.00

Q5. 学生個人での取り組みやグループワークの時間は十分確保されていた

5.50/6.00

Q6. シラバスで示された到達目標が達成されるように、授業が行われた

5.63/6.00

Q7. 総合的にみてこの授業は有意義だった

5.50/6.00

 

【測度論】

回答数: 4/6(66.7%)

Q1. 教員の話し方は適切だった

5.33/6.00

Q2. 板書、プロジェクター、あるいは配布資料などはわかりやすかった

5.25/6.00

Q3. 教員は学生の理解を深めるための工夫をした

5.25/6.00

Q4. 教員は効果的に学生の参加を促した

5.00/6.00

Q5. 教員は授業課題や学生の参加に関して効果的なフィードバックを行った

6.00/6.00

Q6. 教員は学生のレベルや達成状況を把握して授業を進めた

4.50/6.00

Q7. シラバスで示された到達目標が達成されるように、授業が行われた

6.00/6.00

Q8. 総合的にみてこの授業は有意義だった

5.75/6.00

 

ここで、2つの講義のアンケート項目(質問事項)が少し異なるのは、常微分方程式の講義の方が演習科目として扱われていることに起因します。いずれの項目も、ほとんど大学の平均値を上回っていたので、講義としてはうまくいったと判断していいのかもしれません。なお、自由記述として、

 

「質問に対して早く回答してくれた」

「少ない労力で学ぶことができた」

「証明が良かった」

 

というご意見をいただきました。

 

* * *

 

連名で担当した、ベクトル解析の授業評価と比べると、いくつかの項目で数値が劣ってしまいましたが、総合的な評価としては私が担当した講義の方が上回っていました。このベクトル解析の講義では、毎回オンデマンド動画を配信していましたが、レポート課題は2回だけだったというのが、学生からすると少し不満だったのかもしれません。

 

オンライン講義のあり方について、よく Twitter とかでは議論になりますが、結局のところ、学生が満足する講義を提供する、というのが教員の務めなのかなと思いました。アンケート項目に書いてあった通り、学生に「合わせた」講義をしないといけないんだなと実感しました。よく(マンガとかで)目にする、学生の理解度を無視して淡々と教員が言いたいことをただ言うだけの講義はあまりよろしくない……というより、評価されないんだなということをようやく理解しました。

 

春学期は、時間の都合上オンデマンド動画をあまり配信できませんでしたが、来期はちゃんと講義ノートを配り、オンデマンド動画を配信し、小テストを2週間に1度出して、レポート課題を4週に1度出す、というスタイルでいこうと思います。幸い、弊大学の場合、来期もオンライン講義にするという決定はかなり早かったので、来期はより充実した講義を提供できるような気がしますが、あまり一人よがりになっても仕方ないので、学生の様子を伺いつつ、柔軟に対応していきたいと思います。

 

といっても、(正式な内定通知はまだですが)科研費の研究活動スタート支援が採択されてそうだし、DAADと科研費(若手研究)に研究助成の申請をする予定なので、ある程度は研究しなければなりません。今後は研究と教育のバランスを考えながら上手いことやっていかなければなりません。関係者の皆様、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。