べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

イギリス滞在記 part 3。

ロンドンでの滞在を始めて1週間が経ちました.今週は時間に余裕があったので,勉強したかったことを勉強することができました.また,ちょこっと散歩しました.どこを散歩したかについてここでは書けないので,みなさんの想像にお任せします.前回の記事の最後に,09月29日に記事を更新しますって書いたけど,30日の間違いでした(各記事が7日分の日記になるように書いてます).すみません,日数を数え間違えました.一応これでも数学専攻です.はい.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

09月23日(Day 15 / 98)

今日は雨だったので,午前中は部屋でずっと勉強してた.常微分方程式や非圧縮流体における圧力場について理解が深まったと思う.一度,Fourier 変換を物理的な方面から勉強したほうがいい気がした.


雨が小雨になったところで,外出.近所のショッピングセンターに行って,昼食をいただいた.今日は中華.ほかの人がおいしそうで辛そうなラーメンっぽいのを食べていたので,辛い麺くださいって注文したらビーフンっぽいのが出てきた.食べたかったのはラーメンのほうなんだけどなと思いながら食べた.まあ,これはちゃんと注文しなかった私が悪い.


昼食を食べ,少しぶらぶらした後に,コーヒー飲みながら勉強しようかなあと思って,近所のスタバに行ったら「もう閉店するの.ごめんね~」と言われた.まだ15時なのに早すぎでしょ.仕方ないので,コーヒーはテイクアウトすることにした.


その後は,スーパーで野菜を買って帰宅.やっぱ,野菜は安いよね.レタス1玉100円しないのは衝撃だよね.日本では考えられない.去年ダルムシュタット(ドイツ)にいたときに大活躍したジャガイモも購入.ジャガイモはやっぱりドイツよりは高い,というかドイツのジャガイモが安すぎるんだよな.というわけで,今日から野菜生活スタートです.


09月24日(Day 16 / 98)

今日は昨日とは違って快晴.ひさびさに太陽を見た気がする.今日は派遣先の大学である Imperial College Lodon に行った.最初はバスで行こうと思ったけど,電車の方がいいよと(宿泊先の)ホストに言われたので,電車で行った.


土曜日電車に乗ったときは,電車とホームの間に段差があるし,駅にエスカレーターもエレベーターもなくて,全然バリアフリーじゃないなって思っていたけど,今日乗った路線は利用客が多いということもあって(?),電車とホームの間に段差はなく,駅にエスカレーターがあった.


とはいえ,街のあちこちに段差があるので,ロンドンは子連れとか車椅子の方には厳しい街だなあと思う.良くも悪くも「昔」の街であるような気がする.ちなみに,街並みはすごくきれいだった.


大学に到着.世界ランキング上位の大学ということもあって,みんな賢そうだった.ただ,建物の構造がわかりにくく,そもそもどの建物がどこにあるのかわかりにくいし,何よりキャンパスの入り口が少ないのは大変不便だった.これに関しては,弊大学の方が優れていると思う.とりあえずね,建物に名前をつけるのはやめてほしい.シンプルに番号で呼んでほしいと切実に思う.まあ,建物を番号ではなく名前で呼ぶというのは欧米の文化かもしれない.参加しているプログラムも,第4期生なら Delta,第5期生(2018年10月入学)は Echo といった具合に呼んでいるしね.


さて,今日大学に来たのは,なんかの個人登録をするため.受付の人と大学の事務の人にどこにいけばいいか聞いたら,二人とも〇〇の3階に行けばいいよと言われたので,行ったら誰もいなかった.はあ~?とか思いながらボードを見ると「△△で個人登録やってます」の文字.情報共有してないんかい.ところで,△△の建物を探すのに20分かかった.結局一度キャンパスから出ないと行けないところにあった.本当に建物構造なぞすぎる.


09月25日(Day 17 / 98)

今日は散歩し,15時くらいに帰宅して,テレンス・タオ先生のブログを引き続き勉強した.今日は熱方程式についての理解を深めた.今日も賢くなった気がする(?).


......と書くだけではあまりにも味気ないので,今日の夕飯を紹介したいと思う.


先日まで,スパゲッティーを茹でて,トマトベースのパスタソースをかけて食べてたわけだけれども,さすがに3日も続くと飽きるので,今日は趣向を変えてみた.先日,ジャガイモとにんじん,そして玉ねぎを手に入れたので,スープを作ってみた.

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やっぱりジャガイモは小さく切ったほうが早く茹で上がるよね.サラダは,スーパーで買ったレタスを手でちぎって玉ねぎとオリーブを添えてみた.なかなか健康的(?).グラスに入っているのは赤ワイン.写真を見ればわかるように,ジャガイモが多すぎた.反省.ジャガイモは一個で十分だったと思う.味はコンソメ味.具材や調味料をたくさん持っていない私にとって,コンソメスープの素の存在は非常に助かる.明日はもう少しにんじんを入れてみよう.


そういえば,ホストの方の娘が香港に住んでいるみたい.私も昔ちょっとだけ香港に住んでましたよって言おうと思ったけど,話が長くなりそうだから,旅行で一回行ったことがあるということにしといた.てか香港はかれこれ9年ぐらい行ってないのか.観光名所を巡りたいわけじゃないけど,もう一度行ってみたいな.あのおいしかった坦々麺をもう一度食べたい.誰か一緒に行こう.


09月26日(Day 18 / 98)

朝,ホストから聞いた話だけれども,一般に言語は4つの要素から成るようだ.その要素とは,reading, writing, speaking, understanding といってた.それぞれの要素は独立しているらしい.つまり,ある言語を話せるからといって必ずしもその言語を読み書きできるわけではないし,一方で,ある言語を読み書きできるからといってその言語を話せるとは限らないようだ.よって,「あなたは何ヶ国語マスターしているの?」という質問はナンセンスというか,答えようがないみたいだ.


そう考えると,日本人は中高6年英語を習っているのに英語が話せないのは,中高における英語教育がおかしいからだ!という主張はナンセンスという感じがする.だって,英語を話せなくても,英語を読み書きできる人は多いんだもん.まあ,私は読み書きすら怪しいので,もっと英語を勉強する必要があるわけだけれども.


さて,今日は早め(といってもオフピークの時間)に家を出たけど,電車がめっちゃ混んでいてびっくりした.感覚的には朝の山手線ぐらい.でも,観光客を除いてみんな静かだった.ちなみに,ロンドンの地下鉄は朝 6:30 -- 9: 30 と夕方 16:00 -- 19:00 が peak time と設定されていて,ほかの時間よりも料金がやや高めに設定されている.


また,ほかの路線でストライキがあったようだ.今後数日ストライキするらしい.構内のポスターで注意喚起してたけど,本当にやるんだなあって感じがした.どっかから空港に向かう電車も運休だったので,ロンドンを観光する予定のある人は,ホームページなどでしっかりチェックしたほうがいいと思う.ストライキはあらかじめ予告されるみたい.


さて,今日大学に行ったのは,大学の事務(?)みたいな人に呼び出されたからなんだけれども,結局非常時(火災とか)における注意の説明を受けただけだった.説明を聞きましたよっていうサインをして,その書類を別の窓口い持っていけば ID カードを手に入れることができるみたい.


お,図書館とか使えるようになるわけだし,早速発行してもらおうと思って,ID カードを扱っている窓口に行ったらお昼休みだった.空いている時間が 08:30 -- 10:30,12:00 -- 14:00,15:45 -- 16:45 ってちょっと休み多くない?ってことで,今日入手するのは諦めた.大学の部屋の鍵をもらえるのは数日後って言ってたし,そのときついでに発行してもらうことにしよう.


さて,夕飯は昨日の反省を活かし,ジャガイモの割合を減らし,にんじんの割合を増やした.また,スーパーでミートボールが安売りしてたのでそれも合わせてみた.


そこそこ美味しかった.赤ワインは切らしてしまったので,今日は水で我慢.また,今日はちゃんとレタスを水に浸けておいたので,シャキシャキだった.こういう地味なこともサボっちゃいけないんだなと思った.


09月27日(Day 19 / 98)

今日はずっと家にこもって勉強してた.今日は,圧力の正規化を理解した.こんなこと言っている人みたことないなあってことをテレンス・タオ先生は(そこそこ)わかりやすくブログ,というよりはホームページに書いている.LaTeX にこつこつまとめているけど,そろそろ講義の予習しなきゃいけないんだよなあ.


さて,これだけで終わるとなんかさびしいので,今日の夕飯を紹介しておく.3日連続でスープもどうかと思ったので,今日はミートボールを焼いて,ジャガイモとにんじんを茹でてみた.


やっぱり,にんじんって茹でたほうがおいしいと思う.甘くなるし.あと,野菜がある食事は彩り豊かで,おいしいし,見てても楽しめるので,このような健康的な食事をできる限り続けていけたらいいなあと思う.まあ,ハンバーガーとかラーメンとか食べたくなるときはあるけれども.


09月28日(Day 20 / 98)

昨日でレタスを切らしてしたったので,今日も家にこもるわけにはいかない.ふと考えてみると,机をまだもらっていないとはいえ,大学に行ったほうが作業が捗る気がしたから,勉強するついでに ID カードを発行してもらおうと思った.本当は早く行こうかと思ったけど,peak time を外していくことにした.


ID カードを発行する窓口に着いて,一昨日もらった書類を事務の人に渡したら,君は visitor ではなく student ねと,早速書類を訂正された.そのあと,写真取るからこっち来てと言われた.言われるがままに写真を撮ったら,すぐに学生証が発行された.念のため証明写真を持ってきたけど,要らなかったみたい.てか,本人確認されてないんだけどこの大学のセキュリティーは大丈夫なのか?そういえば,うれしいことに,student ということで学生証が発行された.まあ,いつも通り(?)写真写りは自動車の免許と同じような感じ.


学生証もらったし,早速図書館行こうとしたら,入館できなかった.そういえば,一昨日おばちゃんが「大学のシステムに反映されるまで数日かかるからよろしくね.あと,システムに反映されてから部屋の鍵とか渡すからよろしく」とか言ってたな.外から見た限り,図書の数が半端なくてちょっとわくわくしてたけど,数日の我慢かな.


仕方ないので学食っぽいところで勉強した.その後,昼食を取って,勉強しようかなあと思ったけど,混んできたので撤退.そういえば Kick-Off Camp で見るからに賢そうなアレックスさんが大学近くの公園はすばらしいよ,って言ってたのを思い出して,公園とかを散歩した.前から思ってたけど,イギリスってリスがめっちゃ多い気がする.まあ,一番多いのはハトなんだけどね.


途中コーヒーを飲みたくなってカフェに入った.マイカップ持参で50ペンス安くしますというお店だったので,マイカップを店員に渡す.しかし,なぜか値下げされなかった.あれって思って指摘したら,店員はどうやら新人っぽくてよくわかっていないようだった.まあ,そういうこともあるよねって思いながらお釣りを待っていたら,「悪かったね.おごりってことにするから!」とか言われた.寛大すぎる.ちょっと得した気分.


その後しばらくのんびりした後に帰宅.今日もめでたしめでたし......と終わろうと思ったけど,今日買った赤ワインがおいしかったので,紹介しようと思う.今日,スーパーでそこそこ安かったカッシェロ・デル・ディアブロという赤ワインを買った.日本でも見かけたことはあるけど,飲むのはたぶん初めて.日本ではキリンが販売しているみたい.

www.kirin.co.jp


赤ワインのなんて呼ぶのかわからないけど,ちょっと飲みにくいなあって思わせるようなやつが抑えられていて,おいしいし,とても飲みやすい.チーズとかステーキとかに合いそうな感じ.ほかにおいしい赤ワインがあるかもしれないけど,個人的にはおすすめ.特に,赤ワインが苦手って人には是非飲んでもらいたい.


夕方から夜は引き続きテレンス・タオ先生のブログを読んだ.ようやくタオ先生の Heuristic な議論を理解することができた.やっぱり,物理をもっと勉強しておけばよかったなあって思った.明日か明後日には LaTeX にまとめる作業を終わらせたいところ.


09月29日(Day 21 / 98)

早いもので,今日でイギリスに来てから3週間が経った.日本語で会話したいなあと切実に思う.


今日は朝少し勉強して,まとめたものをホームページにアップした.ナビエ・ストークス方程式の時間局所適切性と一様回転系浅水波方程式についてまとめたものをアップした.ナビエ・ストークス方程式の時間局所適切性は T. Tao 先生のレクチャーノートをもとに作成(というより翻訳)し,一様回転系浅水波方程式のほうは Kick-Off Camp で発表したものをまとめた.

リンク:Memo - Keiichi WATANABE


いろいろ勉強になった勉強だけど,現在の研究とあまり関係ないんだよなあ.一番びっくりしたのは,テレンス・タオ先生が,小さい初期値に対する解の有限時間爆発に取り組もうとしていることだよね.優臨界なケースは波動方程式とかの研究で出てくるから,そういうアイディアに基づけば示せるかも知れないってことなのかな.まあ,これに関する研究はちょっと危険だと思うので,研究動向を見守ることとしよう.


勉強もひと段落し,せっかくの休日なので,散歩した.少し遠出しようかなあって思って駅に向かったら駅が閉まっていた.え,ストライキの予告してないじゃんって思ったら,なんか別の事情で終日運休らしい.あちこちの路線がそのような状態だった.幸いなことに,閉まっていた駅から歩いて2分くらいのところに別の路線の駅があって,そちらを使うことができた.とはいえ,まあふつうに困るよね.観光客かわいそう.


ということで,いろいろ散歩した(2度目).アテにならない iPhone歩数計によると今日は13km歩いたらしい.ひさびさに歩いた気がするけど,もう少し歩けたかな.いろいろな事情があってここではどこを散歩したかは書けないが,いろいろ楽しめたと思う.写真はインスタのストーリーに挙げているので興味のある人はそっちを見てください.


さて,今日もコーヒーを飲みに(というよりは Wifi 環境を求めて)カフェに来た.今日はちゃんと値下げしてもらえたけど,おつりを少し多くもらえた.日本で例えると,49円のおつりのはずが50円のおつりをもらえた感じ.そういえば,ロンドンでのコーヒーの値段は高くないと思う.むしろ日本のほうが高いくらい.


帰宅後はのんびりダラダラした.ダラダラ論文漁っていたけど,特に得るものはなかった.暇だったら研究すればいいのにね.良くない癖である.反省.でも,なんていうか,論文の査読結果が返えてこないとやる気がいまひとつでないんだよな.てか,あまりにも査読が遅いから(担当の)エディターにメール送ったけど,彼からの返信ないし,本当にどうしよう.半年以上待っているけど,気長に待つしかないのかなあ.


そういえば,今日スーパーでパスタのソースを買って実際に食べてみたけど,そんなにおいしくなかった.んー,やはりトマトベースのソースが正解だったかな.明日はジャガイモにかけて食べてみよう.



今週は時間に余裕があり,自由に時間を使うことができました.また,健康的な食生活を送ることのできた1週間だったと思います.来週も継続していきたい.今日コーラ飲んだし,マフィン食べちゃったけどね.まあ,今日の分は歩いた分でチャラになることでしょう.ところで,寂しさのあまりぬいぐるみを買いそうになりましたが,買っても仕方ないなと思ったので買いませんでした.さて,来週からは(イギリスの)大学の新学期がスタートし,講義もスタートします.英語がわかるかどうかは正直わからないけど,予習復習をしっかりやっていれば大丈夫な気がします.もしかしたら LaTeX でまとめてホームページにアップするかもしれません.来週からはしっかり勉強しようと思います.次回の更新は10月7日を予定しております.では.

イギリス滞在記 part 2。

2週間におよぶ Kick-Off Camp が終了しました.先週は英語が話せなくてもう帰国したいと切実に思っていたわけですが,今週は意外と楽しめたと思います.また,私が英語を話せないことをみんなに知ってもらえた(?)ので,聞きなおしたときにわかりやすく説明しなおしてくれるようになりました.みんな親切すぎて泣いちゃう.


前回の記事はこちら:
watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

09月16日(Day 08 / 98)

今日は "Terry's" Reading walkabout tour というオプショナルなイベントがあった.10時に駅前ということで,09時10分に寮の玄関に集合だった.早いわ.オプショナルなイベントなので,参加者は非常に少なかった.10人ぐらい.事前のアンケートだと16人くらい参加するって言ってたのにね.


"Terry's" Reading walkabout tour はその名の通り,Terry というおじいちゃんがレディングの歴史とかを紹介する(チャリティー)ツアーである.ちなみに,何を言っているのかほとんどわからなかった.イギリスの歴史どころかヨーロッパの歴史すらよくわからないから当たり前といえば当たり前です(?).まあ,世界史も少しは勉強しようかなとは思った.


お昼はドイツ人のフィリップ君がカレーが食いてぇというのでみんなでネパール料理のお店に来た.なかなかおいしかったけど,何より安かった.ちなみにフィリップ君は水餃子入りのラーメン的なものを食べていた.いやカレー食えよとは思ったけど,そのように物申す英語力はなかった.かなしみ~.また,フィリップ君が「Terry の話は興味深いけど,情報量が 20 % 多いんだよな」って言ってみんな爆笑.まあ,実際そんな気がしたけどね.ちなみに,この Terry のネタはこの後数日にわたって盛り上がった.


寮に戻ってきた後は,ツイッター見たり,Python の復習したり,流体力学の復習をするなどをした.お昼に長時間歩いていたとはいえ,まあまあリフレッシュできた一日だったと思う.


今日は(新入生の)寮の入居日っぽくて,いつもよりも多くの人を見かけた.中国人っぽい人を多く見かけた.彼らはエリートなんだろうな.みんな見るからに賢そうだった.


09月17日(Day 09 / 98)

Kick-Off Camp 後半戦スタート.ちなみに失踪したマイケル君(part 1 参照)は今日も姿を現すことはなかった.ひょっとして離脱したのかな.


最初のセッションは Valerio Lucarini 先生による気象モデルと数値計算についての講義.数学では「いかに厳密に詳しく解析するか」が求められる気がするけど,応用上は「いかに簡単に計算するか」が求められているような気がした.先生が言った "Simple model is a good model""All models are wrong, but some are usuful" が非常に印象に残った.


その後,Python の講義があった.配列とかファイルの読み込みの方法とかを学んだ.時間の関係上ところどころ説明を省略していたところがあった.Kick-Off Camp が終了したら勉強しよ.講義中いろいろな質問が飛び交っていて,「Matlab だと〇〇だけど Python では△△なんですか?」みたいな質問が多かった気がする.まあなんか Python は見易さを重視しているんだみたいなことを言っていたと思う.MIT が開発している Julia は Python とは方向性がやや異なるとも言っていたと思う.欲張っていても仕方ないので,とりあえずは Python を使えるようになるよう勉強しよ.


最後は,Math refresher だった.今日もベクトル解析についての解説だった.忘れていることも少しあったけど,ほとんど知っている内容だった.残った時間で木曜のプレゼンの準備をした.4人グループでどうやって TeX ファイルを共有するんだろうなあって思っていたら,美女のロビンちゃんが sharelatex を使って作業しようと提案してくれた.


ja.sharelatex.com


なにこれ.便利すぎて笑う.Latex をインストールしていなくても OK というだけでなく,tex ファイルを常に同期してくれるというのは最強だと思う.今後共同研究することがあったら使ってみようかな.


夜はプレゼンの準備をした.グループワークのときに,物理屋さんのルイスちゃんがほとんど内容を考えてくれたんだけど,数学的にまずい箇所を発見したので,それをどう修正するかを考えた.ようやく私の出番って感じかもしれない.


先週に比べると,非常に楽しい一日だったと思う.そういえば,こっちに来てから食事の栄養バランスを考えるようになったんだけど,どうしても塩分過多になりがち.気をつけないと.


09月18日(Day 10 / 98)

気づいたら10日目.2桁目!でも先はまだまだ長いです.何せまだ "Kick-off" だからね.


午前は Math refresher の講義.内容はベクトル解析と確率論について.まあ,余裕.


お昼は食券をいただいたので,学食的なところに行ったけど,新学期がスタートするからか,めっちゃ混んでた.この日,イギリスに来て初めてフィッシュ・アンド・チップスを食べる.まあ,ぶっちゃけ大しておいしいというわけではなかった.昔食べたことあるけど,好んで食べるものではない気がする笑.


午後は木曜のプレゼンの準備.だいぶ準備が進んで,ほぼほぼOKという段階まで来た.あとは練習のみ.


夜はフィリップ君の提案でインド料理店へ.フィリップ君カレー好きすぎでしょ.良さげなお店でとてもおいしかった.ただナンは日本のカレー屋さんの方がおいしいかな.ちなみにイギリスに来てから一番高い夕飯となった.写真はインスタグラムに挙げたので見たい人は見てください.前から思ったけどキャッシュ(現金)で払おうとすると嫌な顔されることが多い気がする.イギリスではデビットカードを(何枚も)所有するのがふつうみたい.特に,contactless タイプがスタンダード.めっちゃ便利そうだなと思いながら現金で払った.


09月19日(Day 11 / 98)

朝メールチェックしてたら,Imperial College のほうから「大学のオンラインシステムでビザの登録した?してなかったらやって」ってメールが来てた.初耳でびっくりだわ.大学のオンラインシステムの注意書き見ると,外国人はちゃんと登録しないと移民局に報告することになっているから気をつけてねって書いてあった.毎日ちゃんとメールをチェックすることは大事だよね.うん.


午前はいろんな先生の(短い)講演を聞いた.興味をそそられるような発表はあったけど,数学解析には不向きかなあって感じだった.でも,雲とかについての理解を深めることができたのはよかったと思う.今日で Kick-Off Camp における先生の講義が終わるわけだけど,個人的な印象として,University of Reading は気象学にめちゃくちゃ強い気がする.世界の大学ランキングはそこまで高いってわけじゃないけど,気象学をガチで勉強したい人にはぴったりな大学だと思う.


午後はプレゼンの準備......の合間に個人面談(各5~15分)があった.相手は受け入れ先の教員である Dan Crisan 先生だった.みんな何を聞かれたのかはわからないけど,私は,Kick-Off Camp を楽しんでいる?とか,ロンドンの滞在先はどこなの?みたいなことを聞かれた.Airbnb で滞在先を確保したといったら「××じゃなくて Airbnb だったら安心だ」といわれた.いや,それ事前に教えてくれよと思った.ちなみに,「わからないこととかあったらオレに聞け.君の面倒はちゃんとみるから」みたいなことを言われた.頼りどころができてよかった.やっぱりね,外国に長期滞在していると誰かに頼りたくなるのよね(経験談).


午後の最後のセッションは keynote の講習ってことになっていたけど,誰かの講義に入れ替わっていた.みんな知っていたみたいだし,私だけそのお知らせメールをいただいていない説.話の内容はぶっちゃけよくわからなかった.ただ,「難しいので toy model を導入します」っていうのはどうなんだろうとは思った.んー,"toy" model を考えて何か面白いことでもわかるのかなあ.個人的には「意味のある」方程式を研究して初めて意味のある結果が出ると思うんだよな.


さあ部屋に帰ろうかなあってときに,Crisan 先生が「みんなバーに行って飲もうぜ.場所を知らない?じゃあオレについて来い」といった.それで,バーに着くや否やみんなの飲み物とスナック(ポテトチップス)をおごってた.プロフェッサーはんぱねぇ.イケメンか(実際イケメン―気になる人はググろう).


さて,バーを1~2時間であとにした.明日はプレゼンの発表ということで,メンバーで集まって発表練習をした.いや~私が一番説明が下手ですねぇ.やばいなあ発表練習しなきゃなあと思いながらテレンス・タオ先生のブログを読んでしまった.近い将来,時間周期解について研究したいからそれについていろいろ勉強するのは仕方ないよね(?).


09月20日(Day 12 / 98)

今日はいよいよグループ発表の日.そして Kick-Off Camp の(実質)最終日.まだ2週間もたってないのにここまでメンバーと親しくなれたのはすごいなあと思います.外国人のコミュ力すごい.昨日 Crisan 先生にも言われたけど,Kick-Off Camp こそ一番重要なんだといわれた.たしかにそんな気がする.


午前中は一つ上の世代の方(3人)の研究発表......というか修論発表かな.内容はさておき,発表の仕方が上手いなあって感じだった.鍛えられているんだろうな.いい発表は強い自信から生まれる気がする.


午後はいよいよ発表だった.いつも通り(?)たどたどしい発表だったけど,まあなんとか乗り切った.なんかグループで何かを成し遂げるというのは達成感があるよね.てか,発表の準備期間が1週間しかなかったのにみんなの発表のクオリティーが高くてびっくりした.みんなスペック高すぎ.


夜は,夕飯行くなら今日は早めに17時に集合ね!って言われたので,17時に集合場所に行ったけど誰も来ない.しかたないので,誰か連絡しに来てくれるのかなあって期待しつつその後部屋で待機してたけど,19時になっても何も連絡がなかったので,夕飯を生協で買って食べた.そしたら,20時くらいにご飯食べに行かない?と誘われた......遅すぎるんじゃ~.みんなビール買って上の階のキッチンで飲んでたらしい.みんなは WhatsApp で連絡を取り合ってて,その結果時間が変更になってたらしい,私はインストールできない(というか,電話番号の認証があるので使えない)ために,みんなが企画したイベントの詳細を知りにくいのは結構つらい.地域に応じたチャットアプリをあらかじめインストールしておくことは非常に重要なんだなと思う.最後ぐらいはみんなとご飯食べに行きたかったなあ.行けばよかったじゃんって声が聞こえてきそうだけど,20時に寮を出発して,食べ始めるのが21時,戻ってくるのが24時近く......と考えると行く気になれなかった.実際に,彼らが戻ってきたのは1時を回った頃だったしね.


初日はマジで帰国したいと憂鬱になっていたけど,気づいてみれば意外と Kick-Off Camp を楽しめた気がする.みんなとめっちゃ話したりしたわけじゃないけど,少しは打ち解けあうことができた気がする.聞き直したら(たぶん)少しゆっくり話してくれたりするし,とりあえず話してみることが大事なのかなって感じがした.もっと英語は上手くならないとだめだね.あと50年くらいは使うわけだし.

09月21日(Day 13 / 98)

今日は移動日.いよいよロンドンへ移動.2週間弱滞在したレディングともお別れ.次に来るのは10月10日.


チエックアウトをささっと済ませてバスに乗った.バスに乗るとき,"アフタァ?" って聞かれて「はあ?」みたいな顔をしたら "single?" と聞かれた.一日乗車券もあるから,ちゃんと "single" 言わなきゃダメだったみたいね.レシートもなんかもらった.来るときそんな感じじゃなかったのに.


駅に着いて久しぶりに朝ご飯を食べた with コーヒー.やっぱ朝コーヒー飲むというのはいいよね.個人的な印象としてレディングはそこまで都会ではないかなあって思ってたけど,レディング駅広すぎて笑った.


電車に乗ろうと思ったら,電子掲示板に delay の文字がたくさん.まあ海外ではよくあることだよなあって思ってたけど,電車が到着する(予定)のホームが2度変わってびっくりした.ちゃんと放送聞いててよかった.


電車に揺られること25分,パディントン駅に到着.やはりレディングと違ってギフトショップとかあった.少し早く到着したので,バーみたいなところに入ってコーラを飲みつつお昼ごはんを食べてのんびりしてた.さあそろそろバスに乗るかなあって思っていたら突然の雨.そしてバスに乗ろうと思ったらバスが発車してしまった.バス停にいたのに......


散々な思いをしながら宿に到着.道に迷わなくてよかったけど,ブザーを鳴らしてもホストの方が出てこなかったのは焦った.もう2度鳴らしてようやくホストの方が出てきた.事前に伝えていた時間とほぼ同じなんだけどな.いわゆる民泊は初めてだけど,本当に他人の家の部屋に泊まるって感じなんだなあと思った.リビングとかキッチンは生活感があふれていた.また,ホストが思っていたよりもフレンドリーな人でよかった.


博士課程の学生なんですよーって言ったら,私大学で講師してたよみたいなことをカミングアウトされて,そこからその方の仕事の話に.なんかいろいろ話してくれたけど,いやああなたの仕事の内容にはそんなに興味ないよって思いながら聞いてた.どうやら言語学を専攻していたらしい.ホストの方がマルチリンガルだと言ってたから,母語はなんですか?って聞いたらそんな概念は言語学にはないよって言われた.初耳だわ.そういえば,方言やラテン語のように「死んだ」言語も含めて世界には7000以上の言語があるって言ってた気がする.


夕方は,近所を散歩しながら,ホストが(なぜか)強く推してた日本のお店へ.日本の食材とかお酒がたくさん売ってた.値段は想定の範囲内.フードコートもあったので,カツカレーを食べた.味は普通.値段は日本に比べるとちょっと高いかなって気はするけど,ロンドンの物価を考えるとふつうかちょっと安いくらい.ちなみに,場所はBBCテレビジョンセンターの近く.治安は悪くないって気がするけど歩きタバコは多い気がした.


うん,今日もめでたしめでたし......と思ったら,風呂上りに髪を乾かしてたらヘアドライヤーが突然止まった.ふつうに使っていただけなのに......しかも使い始めて2週間しか経っていないのに.ふつうになえた.とてもつらい.はあ.なんて日だ.


......と,かれこれ10分ぐらい頭を抱えていたけど,ふと「ひょっとしてコンセントの方が壊れたんじゃないか?」という疑問がわいた.ためしにコンセントを代えてみるが,それでもだめ.ところが,だめもとで変換プラグを変えてみたら見事復活した.壊れていたのは変換プラグだった.変換プラグって壊れるものなのか.念のため2つ持ってきてよかったあ.


09月22日(Day 14 / 98)

気づいてみればイギリスに来てから今日で2週間.なんかあっという間だね.今日は目覚ましをかけなかったので8時くらいに起きた.久しぶりにぐっすり寝た気がするけど,先週もぐっすり寝たんだった.


今日は,部屋用のスリッパと食材などを購入するべく,IKEATescoに出かけた.White City 駅から Central Line に乗って,Hanger Lane 駅で降車.その後 112 のバスに乗って,Brendfield Load というところで降車した.バスを乗り継ぐ方法もあったけど,迷子になりそうだったからやめといた(その場合は裁判所の近くで乗り換えだったけど,絶対に初見じゃわからない気がした).


ロンドン市内のバスに乗るにはオイスターカード(日本における SuicaPASMO のようなもの)が「便利」って言われたけど,注意書き見たらオイスターカードやコンタクトレスのカードじゃないと乗車できないという注意書きがあった.そう,バスの料金を現金で払えないのである.公共機関で現金使えないのは生まれて初めて見た.ロンドンを訪れる人は気をつけよう.ちなみに,オイスターカードは駅の売り場などですぐに買える.


イギリスはデビットカードで割り勘するほどのキャッシュレス社会と聞いてたけど,これほどまでとは思っていなかった.イギリスに来てから思ったことだけども,街のあちこちに現金を手数料無しで下ろせる ATM があるので,あらかじめ両替せずに,デビットカード(もしくはクレジットカード)だけ持ってきて,必要に応じて現金を下ろすのが一番賢い気がした.ただ,日本で発行されたカードは清算時にサインが必要なので,会計がスムーズに行かないことも多々あっていろいろめんどくさいなあって思うことがあるのは事実.日本もコンタクトレスのカード(参考:Visa contactless | Visa)が流行ればいいのにねと思った.日本ではカードお断りってことが多いけど,イギリスでは現金お断りってことが多いので(Univ. of Reading の食堂も現金 NG だった),イギリスを訪問する予定のある人は気をつけよう.


ロンドンは,レディングと違って,様々な国籍の人がいるなあって感じ.中国はもちろん,中東系の人が思ってたよりも多かった.また,行った場所が日本人が多く住む地域から多いということもあって日本人もちらほらいた.久しぶりに日本語聞いたわ.


買い物を終えた後,いろいろ散策してみてもいいかなあって思ったけど,寒いし,雨が降っていたので帰宅.まだ9月なのに最低気温が10度を下回りそう.Kick-Off Camp 中は外食ばかりでお金を使いすぎてしまったので,今日から自炊.今日はスパゲッティを茹でて,パスタソースをかけて食べた.興味本位でグルテンフリーのやつを買ったけど,普通のやつ買えばよかった.


夕飯を食べた後は,テレンス・タオ先生のブログ常微分方程式のところを読みつつ LaTeX でまとめてた.2月ぐらいにまとめたやつ(常微分方程式の pdf)もそうだったけど,こんなこと書いてあるテキストどこにあるの?って思う.知っている人がいたら教えてください.来週の水曜から講義がスタートするので,それまでには全部理解できたらいいなあと思う.



と,今回も長くなってしまいました.最後まで読んでいただきありがとうございました.次回の更新は09月29日を予定しております.では.

イギリス滞在記 part 1。

さて,イギリスに来てから約1週間がたちました.こちらは日本よりもやや寒く,季節は完全に秋という感じです.プログラムの参加者の中に日本人っぽい名前の人がいましたが,生まれも育ちもイギリスのようです.私と日本語で会話するような気配は全くありません.Line で電話をするような相手もいないので,日本語をかれこれ1週間ぐらい話していません.こんなことは人生で初めてです.


前回の記事はこちら:
watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

09月09日(Day 01 / 98)

キックオフキャンプが行われるレディングに到着.泊まる部屋は大学の寮で,部屋の大きさは日本のビジネスホテルと同じぐらい.日本と同様に,ここの水道水は飲めるようです.どこに水が売っているのかわからないので,これは大変ありがたい.


さて,夜にピザパーティーがありました.アルコールがメインでない懇親会というのは新鮮だけど,もしかしたら経費を節約しているだけかもしれない.ちなみに,参加者はほとんどイギリス育ちのネイティブで,聞き取るのに精一杯だった.まあ,全部聞き取れていたわけではないけど.というより,みんな英語が流暢過ぎて笑う.感覚的にはずーーっと海外ドラマを見ている感じ.疲れちゃう.ちなみにこのとき,隣の席に座っていたイタリアのイケメン,マイケル君と仲良くなる.


懇親会では,数学についての会話ではなく,ただの雑談なので,知っている背景が異なりすぎて話の内容があまり理解できなかった.日本でいうと,「私大阪出身!」「おれは京都だよ」「わあ!近いねー」みたいな会話が繰り広げられていたと思う.マンチェスターってどこだよって感じだった.


そういえば,「名前は〇〇だよ,よろしくね」って言うときに,だいたいの人は名前を省略していた気がする.例えば,Thomas って名前の人は Tom って略していたし,Ryosuke って名前の人は Ryo (発音:ríːo)と名乗っていた.自分もそうすればよかったかな.


09月10日(Day 02 / 98)

さて,キックオフキャンプ初日.私は "visiting student" ということで他の人とはいろいろ違うということを痛感された日だった.午前中は,先生方との顔合わせ的なコーヒータイムがあって,その後 Macbook が配布された.私はもらってないけど.Phython の講義が午後からあるということで部屋にパソコンを置いてきたけど,早速講義っぽいことが始まってしまった.ふつうに困る.


少し経ったあと,ウェブサイトに挙げる用のみんなで集合写真を撮るね,ってことになったけど,私は visiting student ということではぶられてしまった.悲しすぎる.その後,私と写らなかったスタッフ(学生)も交えて集合写真を撮った.


時間的に昼食かなあと思ったので,写真を撮ったあと部屋にパソコンを取りに戻った.でも,戻ったら説明が始まっているし,TA 的なお兄さんに「Windows かあ」ってがっかりされるし,なんかいろいろつらかった.どうやら Mac がふつうらしい.


Python の講義をやることは知っていたので,あらかじめインストールしておいたんだけど,Git の使い方についての講義だった.Git を使えるように設定している間に講義はどんどん進むし,結局よくわからないまま講義が終わってしまった.泣きそう.


さて,午後の後半の時間は,みんなと仲良くなるためのアクティビティーだった.仲良くなれたらいいなあって最初は思っていたけど,私は英語が流暢ではないので,簡単な会話ぐらいしかできなかった.アクティビティーの中で,みんなの出身地を知ることになった.イギリス以外の出身の人は私を除いてみんな EU 圏の人で,イギリスの大学の出身っぽかった.もう少しノンネイティブの人がいるかなあって思っていた私にとって,ショッキングな結果であった.英語をまじめに勉強してなかったことを反省した瞬間でもあった.


部屋に戻る帰り道に,私のことを心配してくれた(?)マイケル君が「ぼく使っていない Macbook あるから貸してあげようか」と言った.イケメンかよ.ただ,私は頑張って設定を終わらせたことと,もし借りることになったら12月までずっと借りることになりそうでそれは申し訳ないなってことで,マイケル君の申し出を断ってしまった.マイケル君ごめんね.


さて,アクティビティーのあとはBQQだった.20~30分に一度くらいのペースで会話に参加していたと思う.やっぱりね,背景をよく知っている数学の話だったら「まだ」話せるけど,しょうもない(?)雑談になったら無理だよね.とりあえず,ロンドンの物価はめちゃくちゃ高いことはよくわかった.ふつうのアパートの家賃が 1000 ポンド(14万円)って高すぎるでしょ.


09月11日(Day 03 / 98)

昨日に引き続き,朝ごはんを食べなかった.いままでこんなことなかったのに.部屋に冷蔵庫ないのはつらいよね.共用の冷蔵庫はあるけど,どれが自分のかわからなくなるからあまり使いたくないのよね.


午前中は Terry Davies 先生の講演.天気予報についての講演だった.自分の研究テーマと関連する内容だったので,興味深い話であった.いろいろ学ぶことができたと思う.途中で隣の席の人とディスカッションする時間が少しだけあったけど,語彙力がなさすぎて,思っていたことを十分に伝えることができなかった気がする.glaciology なんて言葉,初めて聞いたわって感じ.


昼食は学食的なところで食べたけど,高くて笑う.想像していたよりも 1.5 倍くらい高かった.あんまりおいしくなかったカレーっぽいやつで 4.6 ポンド(660円)なんだもん.一応,キックオフキャンプ中は,7ポンドの食券をもらえるからいいけど,キックオフキャンプ終わったらどうしよう.


午後は Python の講義.昨日に引き続き,Git を勉強するのかなって思ったら,そうでもなく,Python の講義をやるらしい......と安心していたのも束の間だった.何か設定を間違えていたために,jupyter notebook が起動しないトラブルが発生してしまった.いろいろググったりしたけど,結局再インストールすることで,事なきを得た.Anaconda さえインストールしておけばいいよねって思っていたけど,何がだめだったんだろう.


私がPython とかをインストールしている間にも講義は止まらない.研究費で Macbook 買っておけばよかったな.本当に.途中で追いつくことはできたけど,肝心のプログラムの組み方はあまり聞いていなかった.となりに座っていたイケメンのニコル君にいろいろ教わった.ありがとう.


講義の趣旨的には,一から教えるねって感じなんだけど,ほとんどの人がプログラミングの経験者だったので,進行具合がめちゃくちゃ早かった.てか,日本語で説明されても理解できるか怪しいと思う.夜に復習したらある程度理解できたけど,たぶん復習をサボると詰むやつだね.次回の講義が来週だから,次回以降は大丈夫なはず.


09月12日(Day 04 / 98)

だんだんこっちの生活に慣れてきて日本の生活が恋しくなってきた頃.音楽とかツイッターとかで寂しさを紛らわすしかないのかな.というか今回は全然時差ボケしていない気がするな.飛行機の中で赤ワインを飲んで寝たのが良かったのかな.わかんないけど.


午前は講義......と思いきやがっつりグループワークだった.議論に参加しようと思ってもなかなかついていけないし,かなり足を引っ張ってしまった気がする.なんか聞いたことすらない単語が飛び交っていた.もっと英語勉強しなきゃ.


午後は Ted Shepherd 先生の講義.内容的には昨日の続きっぽい感じ.実際の気象予報士からいろいろ話を聞くというのは,なかなか貴重な経験であるような気がする.後半の内容はよくわからなかったけど,周りの人もよくわからなかったみたい.いろいろ方程式を知ることができたことは良かったと思う.


その後は Maths Refresher という講義.何をリフレッシュするのかよくわからないけど,プログラムに参加している学生のバックグラウンドは様々だから数学の復習をしようみたいな講義だった.今日はベクトル解析について扱った.


最後は,昨日の Davis 先生と今日の Shepherd 先生の講義を自分なりに理解しようというグループワークだった.どうやら最終日に発表するらしい.自分のグループでは浅水波の方程式の導出とかとそのシュミレーションみたいなことをやることになった.自分のグループに物理学科出身の人がいたからその人が終始仕切っていた気がする.私の出番はなかった.


夜はプログラムのメンバーと駅前まで一緒に歩いて,ハンバーガーを食べた.グループディスカッションとか,雑談に積極的に参加する,ということはなかなか難しいけど,質問されたら答えるということぐらいは抵抗なくできるようになってきた気がする.英語がへたくそなのは仕方ないとして,話せるときに話そうと思った.ハンバーガーはおいしかったけど,一緒に頼んだワイン(シェアした)と合わせて16ポンド(2300円くらい)だった.物価高いなあ.破産しちゃう.


09月13日(Day 05 / 98)

昨日,実は,仲良くなったマイケル君が失踪というか講義に一切参加しなかったんだけど,今日も姿を現さなかった.何かあったのかな.ちなみに,イギリスに来て初めて太陽を見た日であった.


今日の午前は,昨日と同様,グループワークだった.正直,議論に積極的に参加できたとは言いがたかった.ただ,内容は非常に面白かった:アフリカの子供を学校に6年間通わせようというゲームだった.ゲームの詳細をここに書くと長くちゃうから,気になる人は個別に連絡をください笑.とりあえず,6年間継続して子供を学校に通わせることは難しいんだなあって思った.


午後の最初の講義は,Maths Refresher だった.確率論(の初歩の初歩)と測度論について扱った.確率論を授業を聞いてなかったということもあってあまり好きじゃなかったけど,意外と面白そうな気がしてきた.今後の講義で確率論を扱うから,一度ちゃんと勉強するいい機会な気がする.一応確率論の本持ってきているし.またホームページに挙げられたらいいなあ.


午後の最後の講義は......ちょっとよくわからなかった.これまでと同様に,気象についての話で,シュミレーションとかの話だったけど,スペクトルが~~とか言われても良くわかんないんだよな.スライドの字も小さかったし......そして何より,グラフが何を表しているのか良くわからなかった.あの先生は何を伝えたかったんだろう......


そういえば今日ひさびさに Research gate を開いたら,顔見知りのO大のHさんにフォローされてた.ありがとうございます.ただ,同じ分野の人だけフォローしたいのでフォローは返さないです.すみません.将来分散型偏微分方程式を研究することになったらフォローしたいと思います.あと,ロシアのD先生がarXivに挙げた論文を読んでくれたみたいだ(Research gate には誰が論文を読んだかを知らせてくれる機能があるっぽい).ちょっとうれしいけど,彼女は私と同じ問題に興味がある,ある意味ライバルなので負けないように研究を頑張らなきゃいけないなと思いました.


09月14日(Day 06 / 98)

友人と新橋で飲んでから1週間ですが,とても遠い昔のように感じます.1週間しか経っていないのにね.


午前は雲に含まれる氷晶に付いての講義だった.最初の導入では,雲は水蒸気ではないということからスタートして,なかなか面白い話だったけど,案の定(?)後半はがっつり物理という感じで完全には理解できなかった.参考文献を知ることができたのはいいことだと思う.


午後は流体力学についての講義だった.まず実験をして,その後そのメカニズムについて説明する,といったスタイルだった.密度の異なる二相流体がどのように混ざるかという実験は面白かった.その理論はところどころ近似を用いていたけど,もっと厳密に考えると面白いかもしれない.


夜は卓球バーみたいなところに行った.オプショナルなイベントだったけど,みんな参加していた.ここではピザを食べた.帰ろうかなあってときに別のバーに行こうみたいになった.彼らについていったのは,私は帰り道がわからないためである.早く道覚えなきゃ.私は10時半くらいにほかの人たちと抜けたけど,まだ残っている人もたくさんいた.どんだけ元気なんだよ.

09月15日(Day 07 / 98)

目覚ましをかけずに寝てたので10時くらいに起きた.知らない間に疲れがたまっていたかもしれない.まあふつうに考えて毎日10時から17時まで講義(っぽいの)があるし,寝たのが遅かったしね.


今日のお昼はサンドイッチ.イギリスに来て1週間経つけど,サンドイッチをすでに4回くらい食べている気がする.今日は暖かったので外のベンチで食べた with コーラ.太りそう.


午後のメインイベントはクライミングである.オプショナルなイベントなので,参加してない人もいたけど,ほとんどの人が参加.場所は Reading Clibming Centure だった.インストラクターの指示がところどころ聞き取れなかったのは内緒です.

リンク: Homepage - Reading Climbing Centre



なんか久々に運動っぽいことをした気がする.クライミングの後,ボルダリングがあったけど,握力が弱くなっていたので,あまり楽しめなかった.運動不足......というよりは握力が弱すぎるのかな.トレーニングしなきゃ.


その後,みんなとエチオピア料理のお店に行った.まあまあおいしかった.今日ようやく(?)気づいたけど,だいたいのお店では水は無料で提供されるみたいですね(レディング地区だけかもしれないけど).



いろいろ苦労した1週間でしたが,あっという間だった気がします.バックグラウンドの異なる方々との交流も非常に有益であったように思えます.Kick-Off Camp も後半に差し掛かります.木曜日に発表を控えていますが,発表時間は(一人あたり)5分なので,ちゃんと準備すれば大丈夫かなと思います.長くなってしまいましたが,今回はこの辺で失礼します.

イギリス滞在記 part 0。

今年の9月9日から12月16日までイギリスに派遣されることになりました.今日からだいたい1~2週間に1度のペースで,その滞在記をここに記録しておこうと思います.ちなみに,参加するプログラムの関係上,観光するヒマは全くないと思うので,「滞在記」といってもプログラムに参加した感想や勉強した内容の紹介で終わるような気がします.ご了承ください.


今回参加するプログラムはイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンとレディング大学が共催する Mathematics of Planet Earth の EPSRC Centre for Doctoral Training というプログラムです.ちなみに,インペリアル・カレッジ・ロンドンの学生として参加します.


URL: Mathematics of Planet Earth | EPSRC Centre for Doctoral Training


このプログラムは博士課程の学生を対象としたプログラムです.本当は数年単位(?)のプログラムらしいですが,今回は Term 1 だけ参加することになりました.Term 1 では,基礎科目(偏微分方程式や数値解析などの基礎)の講義がたくさんあって,Term 2 以降にいろいろ研究をスタートするという感じらしいのですが,私は勉強して終わるだけかもしれません.しかし,専門外の講義を受講することは研究の幅を広げるという点から考えると有益であるように思えます.また,時間に余裕があれば,個人的に先生にアポを取って研究について議論できればいいなと思っていますが,まず英語でコミュニケーションが取れるのだろうかが怪しいです.


さて,滞在記をいろいろ書く前に,ここまでの準備だったり,これからの移動についてまとめておこうというのが,今回の記事の趣旨であります.



【滞在場所の確保について】

去年はドイツのダルムシュタットに2ヶ月滞在していました.その際の滞在場所は,受け入れ先の大学のポスドクの方などが手配してくれたので,何も困ることはありませんでした.しかし,今回のイギリス派遣の場合は,滞在先は自分で確保してねといわれてしまったので大変苦労しました.今回は3ヶ月ちょっとという長い滞在なので,ホテルでの滞在は諦めました(ロンドンは物価が高い).では,学生寮に入れるかなあって思って尋ねてみたところ,契約が1年単位なのでこれも断念.もちろん,アパートも借りることができないので,途方に迷っていました.


そこで,苦肉の策として,Airbnb を通じで民泊することになりました(予定).予定というのは,9月10日から21日まではロンドンではなく,レディングに滞在するためです.というのも,この期間は Kick Off Camp という何やらオリエン合宿のようなものがレディング大学であるからです.この Camp が終了した後,ロンドンに移動するというわけです.はじめての民泊で正直不安しかありませんが,たぶん何とかなるでしょう(?)



【入国に必要な書類】

書類に不備があると強制送還されるので,たとえ日本人であったとしても注意が必要です.6ヶ月未満の滞在だったので,私が見せた書類は以下の通りでした:

・入学許可証(大学発行のもの)

・ATAS Certificate(ちゃんと勉強しますよみたいな証明書)

・Guarantee Letter(滞在にかかる費用はSGUが負担しますよみたいな書類,滞在費用証明書の代わりに)


で,いまこの記事がちゃんと更新されているということは,無事入国できたわけです.入国審査の際,入学許可証にプログラムがいつ終わるのか書いてないよと言われてあたふたしてましたが,Gurantee Letter に今年の12月まで,と書いてあったので事なきを得ました.


さて,レディングに向かうには電車がいいのかなあって思って駅に向かったら,案内のおじちゃんにバスの方がいいよと言われました.私はターミナル5に到着したのですが,その south point の近くにバスのチケット売り場があります.目的地のレディングまでは片道24ポンドで,バス乗り場は 9番です.

というわけで,これからバスに乗ろうと思います.とりあえず今回はこの辺りで失礼します.では.

第40回発展方程式若手セミナーに参加してきた。

8月29日から9月1日まで開催された発展方程式若手セミナーに参加してきた。これは平たく言うと修士や博士、ポスドクなどの若手を対象とした合宿形式の研究集会である。

 

今回の参加は2年ぶり2回目である。前回参加したときの記事は

第38回発展方程式若手セミナーに参加してきた。 - べっく日記

を参照してください。

 

前回参加したときはまだ修士1年でただただ話を聞くだけだったが、今回は発表する機会があったので発表した。聴衆が興味を持ったかどうかはわからないけれども、伝えたいことは伝えることができたので、とりあえずよしとしよう。

 

あと、前回参加したときはちんぷんかんぷんだったけど、今回はある程度わかる発表が多かったように思う。でも、それを研究に応用できるかと言われるとちょっと難しそう。

 

今回なんか残念だったのは、数学の側面だけしか見てない講演者がいたこと。もっと物理的なことなどを説明しないのかなと思ってしまった。数学者だから物理のことは全くわかりません、というのは無責任だと思うんです(戒め)。

 

今回の特別講演は九大の隠居先生で、とても興味深い話だった。以前から、圧縮性粘性流体ではなくて非圧縮粘性流体の場合はどうなんだろうと思ったけど、もうすでにたくさんの結果があるらしい。個人的には、粘性流体ではなく粘弾性体で研究すると面白いんじゃないかと思って質問してみようと思ったけど、機会を逃してしまった。残念。

 

粘弾性体の中に棒を入れて回転させた場合、ワイゼンベルク現象が発生するから、テイラー渦が発生しないと思うんだけどどうなんだろう。そうすると、もしかしたら、従来とは異なる結果を得られる気がする。特に、粘弾性体を記述する方程式は放物型偏微分方程式になるから、そんなに難しい議論は必要じゃないと思うんだよな。気が向いたら研究してみよう。

 

さて、今回一番驚いたことは、ラインを交換したときに「あ、ブログ読んでます!」と言われたことと、意外といろんな人がブログを読んでくれているということですね。びっくり。今後はもう少しちゃんと書くことにしよう。

 

今回はおかげさまで、いろんな大学の方々と交流することができた(と思ってる)。交流を通じて、さまざまなバックグラウンドを知ることができたのはよかったと思う。特に、いま共同研究で取り組んでいる問題の次の問題に対して、いいヒントを得ることができた。Tくんありがとう。

 

最後に、幹事の竹田先生、猪奥先生をはじめ、運営に携わった方々に厚く御礼申し上げます。お世話になりました。

デザインあ展に行ってきた。

気晴らしにデザインあ展に行ってきたので、今回はその報告です。

 

デザインあ」はNHKで毎週土曜日に放送されてる番組です。そのショートカット版は平日の7:30くらいから放送されてます。ピタゴラスイッチとセットで毎朝見てから家を出る、という人も多いかと思います。ちなみに私はそうしてます。

 

デザインあ」は、たぶん子ども向けの番組だけども、それにしてはやたら凝ってるので、好きな番組の一つです。その展覧会が開催されている、ということで日本科学未来館にやってきました。

 

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やっぱり夏休みということもあり、とても混んでた。ただ、思ってたよりも外国人観光客や友達同士、カップルで来てる人が多かったように思います。ちなみに、私は一人で行きました。

 

混んでいるということで、入場には整理券が必要なほど。といっても、チケットを買ってから入場できるようになるまでだいたい40分くらい。その間に常設展とかで十分時間をつぶせることができた。

 

この展覧会の良いところは、ただ見るだけではなく、実際に遊んだり体験したりできるという点にあると思う。遊べるコーナーは子どもでいっぱいだったので、私は遊ばなかった。公式ツイッターを見ると、だいたい午後5時頃から空くらしいので、混んでいるのが嫌な人はそのくらいの時間に行くのがいいかもしれません。

 

そして、なにより素晴らしい点は、写真撮影OKということである。ここでは、私が撮った写真を通じてこの展覧会を紹介しようと思う。

 

 

まずは「観察のへや」。デザインが我々とどのようにつながっているのか、「みる」「考える」「つくる」というステップで展示されている。例えば、お弁当だとこんな感じ。

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また、ここではいろんな「あ」も紹介されてる。

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次に「体感のへや」。ここでは、音楽とぴったりシンクロする映像が展示室の四方、つまり、360°に映し出される。たぶん一番楽しめる展示だと思う。

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最後は「概念のへや」。ここでは、場、時の流れ、ひとの動きを我々はデザインを通じてどのように感じているのか、が展示されている。

 

ということなんだけど、その概念がちょっと難しくて個人的にはよくわからなかった。

 

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これは何だろう…

 

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ながーいネコ。

 

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回転寿し。

 

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分岐寿し。

 

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歯車寿し。

 

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信号寿し。

 

偶然寿し。

 

また、自分が歯車になるコーナーがあったけど、一人で来た人がこれをやるとシュールすぎるので、やるのはやめときました。

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そして、概念のへやを抜けると、お待ちかねの(?)お土産コーナー。展覧会オリジナルの商品が多数。特に「デザインあTシャツ」を買うことができる。私は白のデザインあTを購入した。値段は2000円ちょっと。デザインは、見てからのお楽しみだと思うので、ここであげておくのはやめておきます。

 

 

というわけで、非常に楽しめる展示会でした。デザインあをますます好きになる、そんな展示会でした。もし今度行く機会があれば、空いてるときに行きたいかなと思います。

研究進捗2018/8/16

ひさびさの更新です.なんか気が向いたので,3ヶ月ぶりに研究の進捗を書こうと思います.

<これまでの進捗>
・弊大学のアーリーバードプログラムに採択された.研究費を40万円いただけることになった.6月にもらったけど,すでに15万円くらい使ってしまった.
www.waseda.jp

・レクチャーノートを7つ書いて,それらをホームページで公開した.最近先生が「弱 Dirichlet 問題」ってワードを言ってて,てっきり「弱 Neumann 問題じゃないのか?」って思ってたけど,その認識の誤りを訂正することができたのは良かった.
Memo - Keiichi WATANABE

・共同研究が進み,外部リプシッツ領域におけるストーク半群有界半群になることを証明できたと思う.現在共同研究者に証明をチェックしてもらっているところ.

相転移を伴う圧縮性・非圧縮性二相粘性流体の研究で,両方の領域が有界な場合に,その時間大域可解性を証明することができた.またその論文を書いた.同期に比べるとまだ全然書いていないので,もっと書かなきゃなあ.なんで数学科のD1なのに5本も論文書いているの...?なんか見ていて自分がつらくなってくる.まあでも,自分としては今年度の研究目標は達成できたので,よしとしよう.

・発展方程式若手セミナーの一般講演に申し込んだ.

・若手セミナーのアブストラクト,スライドを完成させた.また,報告集のドラフトを完成させた.

・非ニュートン流体の一種である,Maxwell 流体を記述する方程式が,双曲型ナビエ・ストークス方程式と一致することがわかった.このアイディアをもとに,現状の結果を改善できるんじゃないかって思ってたけど,双曲型の方程式は一般に L_2 じゃないと well-posed にならないと言われた.個人的には,そんなはずはないと思っていたけど,そういう文献を見つけてしまったので,この研究はひとまず諦めることにした.もしいいアイディアを持っている人がいたら一緒に共同研究させてください(?)

・Ornstein-Uhlenbeck 半群が L_2 だとかなりいい性質を持つことがわかった.ただし,今後の研究に役に立つかどうかは不明.

・外部領域における Navier-Stokes 方程式の自由境界問題の global well-posedness の論文を少し読んだ.なんかテクニカルな論文で読みにくかった.アイディア的には Hieber 先生らの論文の方がシンプルでいいと思うんだけど,自由境界だからちょっと違うのかな.でもそんなことはないと思うんだけどなあ.

・論文のPDFを整理し,Mendeley と参考文献リストを更新した.論文のPDFはすぐにたまってしまうので,今後は1週間に一度くらいのペースで更新したほうがいいかもしれない.

・3月に投稿した論文が "Under review" にならないので,1ヶ月前にメールを送ったけど,何の変化もない.次の論文ができてしまったのでふつうに困る.

・特異積分,ベゾフ空間の自主ゼミをした.少し理解が進んだ気がする.

・学科のオリエンテーションに参加した.先生方や学生と交流できて良かった.

・論文が出版された.


<今後の目標>
・論文をチェックして,論文を投稿する.

・9月から12月までイギリスに派遣されるので,頑張る.とりあえず何事もなく無事帰国することを目標としたい.

・圧縮・非圧縮二相流で有界領域・外部領域の研究は始める.アイディアはすでにあるので,頑張って計算して,来年の3月には投稿できるようにしたい.

・共同研究で取り組んでいるやつが終わったら,境界が回転する場合についての研究を始める.昔,H 先生に面白いねと言われたので,頑張って取り組みたい.

・タオ先生の2013年の論文を勉強し,PDFにまとめる.調和解析・実解析を駆使した論文が書けるよう,研究の幅を広げていきたい.


気づけば博士1年としての生活もあと1ヶ月で終わりです.早いなあ.そろそろ今後を見据えた活動をしていかないといけません.とりあえず論文書かなきゃなあ.少し前まで半年に一本論文書けていれば十分と思っていたけどそうも言っていられないようです.はあ.まあ,自分なりに頑張っていこうと思います.では.