べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

研究進捗2022/10/31

数年ぶりに日本数学会に対面で参加しました。これまでにオンラインで交流することも多かったけど、やはり実際に会うと対面ならではの良さもあるなと思います。対面で会うことの良さは何だろうと考えてみると、実際に会話する時間が、オンラインでするよりも長くなる傾向があるような気がします。

ところで、弟はとあるサッカーチームのサポーター(コールリーダー)をやっているのですが、どうやらチームが優勝した場合はシャーレを触らせてくれる約束をキャプテンと交わしているようです。私も偉い人に気後れしない、そのようなコミュニケーション能力が欲しいなと思います。

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<これまでの進捗>

・論文が2編アクセプトされた。

・外部リプリシッツ領域の論文を修正した。当初よりもいい結果が出てしまった。査読者も著者にカウントしたいくらいだ。査読者に感謝。

・斉次べゾフ空間におけるナビエストークス方程式の論文を書いて投稿した。

・Tさんとやってる解析、てっきり  C^1 domain でもできると思ったけど、自分の考えた証明が間違っていた。結局  C^{1+\alpha} domain でやらざるを得ないのかショックを受けていたけど、少し直せば、というより、「考え方」を変えれば解決できることがわかった。

・T君と取り組んでいる問題は、ほぼ問題点を解消して、あとは論文を書くだけになった。局所エネルギー減衰評価を導出するのは大変なので、これについては次回の論文で扱おう。

・後輩のT君(上とは別人)と一緒に問題を取り組むことになった。

・上司のS先生との論文は、完成まであと少し。まだまだ詳細が詰めきれていないところがあるけど、なんとかなりそう。

・Zoom の国際研究集会で発表した。質問が無かったのは少し残念だけど、それだけきちんとした発表ができたと前向きに捉えよう。

・先輩から講演依頼をいただいた。頑張ろう。

・学生の修論を添削した。無事に年内には書き終わりそうだ。

・12月のイベントの準備を進めた。私が最年少なのに何故私が仕切っていることになっているのだろうか。

<今後の研究目標>

・Tさんとの共著論文を完成させる。

・外部リプリシッツ領域における Ossen 半群の評価を示す。

・書き途中の論文を終わらせる。

・12月の会議の準備と運営を頑張る。

・抽象的な放物型偏微分方程式の「応用」としてストークス方程式に対するアプリオリ評価を導出する方法を学ぶ。応用として、接触角が生成されるナビエ・ストークス方程式の解析に応用する。

・2次元外部領域におけるストーク半群の評価を勉強する。あわよくばリプリシッツ領域の場合に拡張する。

・F君との共同研究として、お願いされている解析を頑張る。

* * * * *

この2ヶ月は非常に濃いものとなりました。まあ単に忙しかっただけ、とも捉えられますが。公私共にいろいろなことを経験しました。おそらくこの先ずっとこの2ヶ月間にあったことは忘れないでしょう。今後は忘れられないな論文を書けるようになっていきたいですね。では。

セブンプレミアム「激辛チキンカレー」を食べた。

皆さんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。私はカレーを食べました。セブンプレミアムの「ブート・ジョロキアブレンド 激辛チキンカレー」を食べました。美味しく食べました。

 

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英語で Extra Spicy Chicken Curry と書いてあったので、やや身構えてしまいましたが、思ったよりは辛くありませんでした。激辛好きにとってはまだまだ許容範囲の辛さです。個人的にはもっと辛くして欲しいって感じです。英語で言えば「Spicy come on! Spicy come on! Come on! Come on! 」という感じでしょうか。セブンプレミアムさん、もっと辛いの売ってください。

 

激辛がちと苦手な人は、無糖のヨーグルトを少し混ぜて食べると、美味しくいただけるかもしれません。

 

さて、これだけで記事を終えるのは少し寂しいので、商品の説明をすることにしましょう。

 

この商品の嬉しいところは電子レンジで温められるところですね。

 

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1分程度で温められるのも良い。袋はこんな感じ。

 

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盛るとこんな感じ。

 

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盛り付けはちょっとミスりました。ご飯が冷凍なのがバレますね。

 

味としては、もうちょいスパイスがあるとより香ばしいカレーになるのかなという気がします。おすすめ度は 7/10 です(参考: オリジ◯のスパイスカレー 3/10、八仙花のカレー 10/10、学食のカレー 3.5/10)。では。

「映像の世紀バタフライエフェクト」が面白い。

こんばんは.べっくです.最近研究のばかり記事にしていて古くからの友人に怒られそうなので,気分転換に最近ハマっていることについて記事を書いてみようと思う.


夜に自宅のテレビのチャンネルをいろいろ変えていて何かおもしろいのはないかなと漁っていたのがきっかけであった.というのも,地上波でモザイクなしでショッキングな映像が流れていたのが強烈に印象に残ったためである.当番組は,NHKの「映像の世紀バタフライエフェクト」である.

www.nhk.jp

NHKの「2022年度国内放送編成計画」によれば,当番組は

世界中からアーカイブス映像を発掘し、歴史を追体験する「映像の世紀」の新しいシリーズ。蝶の羽ばたきが嵐を引き起こすという意味で使われる「バタフライエフェクト」 。歴史は、このバタフライエフェクトの積み重ねだと捉え直し、罪と勇気の連鎖の物語を描く

らしい.確かにそのように編集されていると思う.Wikipedia によれば,新シリーズが放送されてすぐに「ギャラクシー賞」の2022年4月度月間賞を受賞しているようである.


調べてみたら,当番組は,1995年から放送が開始された「映像の世紀」の新シリーズとのことだけど,定期的な放送は今年が初めてなのではないかと思う.内容の構成としては,小学校や中学校のときに見た「プロジェクトX」に通ずるものがあるが,「プロジェクトX」は一種の「成功体験」を巧みに表現している一方で,「映像の世紀バタフライエフェクト」は一貫して「悲劇」を表現していることが多いのが特徴的だと思う.一言で表せば,当番組はこれまでに小中高で学んできた歴史の授業で習ってきた内容の「答え合わせ」と言ってもいいと思う.内容はノンフィクションであるが,当番組の面白さを引き出しているのは,心の奥に訴えかけるような山田孝之さんのナレーションと,なんとも言い難い絶妙な音楽にあると思う.


学校の授業でも活用できるのはないか,と思えてしまいそうだけど,当番組では,地上波での放送であるにも関わらず,遺体の映像が平気で出てくる.いろいろショッキングではあるが,おそらく「この悲劇から決して目を背けてはならない」というNHK(のこの番組の制作陣の)の強い思いであると思う.最初に申し上げた「ショッキングな映像」というのは,損傷の激しい遺体の映像のことを指す.これまでに何回か(残念ながらすべてではない)当番組を視聴しているが,定期的に遺体の映像が,断りなしに流れてくる(もちろん,トラウマになりそうなレベルの映像には事前に注意が出る).月曜日の夜10時放送なので,完全に社会人向けの番組ではないかなと思われる.


これまでに放送された内容のうち,個人的に面白かったと思ったエピソードは

1.「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」

2.「スターリンプーチン」初回放送日: 2022年5月23日

3.「9.11 同時多発テロへの点と線」初回放送日: 2022年9月12日

ですね.過去の放送回は定期的に再放送されているので,機会があればぜひ見ていただきたい番組だと思います.なお,次回のエピソードは

ルーズベルトリンドバーグ 大戦前夜 アメリカは参戦すべきか」放送日: 2022年9月26日

とのことである.内容の重さから全員におすすめできる,というわけではないけど,ここまで当ブログ記事を読んでみて面白いかも?と思った方には強くおすすめできる番組だと思います.

研究進捗2022/8/31

先日,高校の友人の結婚式に参加してきました.披露宴で新郎新婦が入場する時に,急に漫才を始めたのは流石に驚きましたが,M君らしいなあと見ていました.それにしても,ネタをキチンと覚えて披露してくださった新婦の方は見事なボケでした.おそらく一生忘れない披露宴になったことでしょう.このブログを始めてもう10年くらい経ちますが,アラサーにもなると,知人たちは人生の階段を着々と登っていっているんだなと感じます.私も早く職を得て人生のステップアップを図っていきたいものです.


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<これまでの進捗>
・国際研究集会の運営を頑張った.無事に終了した.次は12月(対面).海外から9人招待しているので,かなり大変そう.

・T君と共同で,障害物周りでの流れの問題についての共同研究に取り組んだ.本質的な部分は解決できたので,論文を書き始めた.10月の上旬くらいまでには投稿したい.

・外部リプシッツ領域の論文の査読がきた.Major revision だったものの,キチンと修正すればアクセプトしてくれるらしい.査読レポートのおかげで外部領域の問題に対してより深い理解を得ることができた.実際に,圧力の評価の部分で,より簡単な証明方法を教えてもらった.これを使えば,障害物周りでの流れの問題における半群の,より sharp な減衰評価を出すことができる.

ナビエ・ストークス方程式の自由境界問題の非自明な定常解の安定性を扱った論文の査読レポートがきた.かなり前向きなレビューで,Minor revision だった.少しだけ直せばアクセプトされそう.レベルはわからないけど,ランキングの高いジャーナル(SJR: 2.3 くらい)なだけに,素直にうれしい.でも,ランキングが高いこと以上に, "I can strongly recommend the paper for publication." と査読レポートに書いてあったことがうれしかった.このように書かれた査読レポートは久々だ.アクセプトまでもう少し,頑張ろう.

・3ヶ月くらい revision を放置していた論文を修正に取り組んだ.確かに,査読者の言う通り,大幅な修正が必要だけど,なんとかなりそう.もう少し.

・走化性ナビエ・ストークス方程式の時間周期解を扱った論文がアクセプトされ,出版された.やったね.

・上司との共同研究が,とりあえずひと段落し,あとは論文を書くだけになった.やはり,圧力に関する関数空間をどのようにするかが,一番難しい問題であった.きっといい論文になることだろう.今後のことも考え,レベルの高いジャーナルにトライしてみたい.

・上司と共同で取り組んでいる問題についての時間局所適切性の結果は得られているが,時間大域解は一筋縄ではいかないようだ.特に,負べきの関数空間におけるレゾルベント評価を導出するのが,想像以上に難しい.おそらく,Galdi 先生の論文でやられているように,半空間を有界領域で近似して,うまく考えるのが一番良さそう(かつ自然)に見える.そのためには,有界領域における結果を出す必要がある.

・MHD近似に関する共同研究は,思うようにうまくいかなかった.予想していたように,非線形項の評価が難航している.したがって,最適な関数空間で考えることをやめて,通常の(古典的な)エネルギー法でまずはやってみることにした.エネルギー法ならば,L2 を基礎とする関数空間と相性がいいので,うまくいきそうなことがわかった.N君,よろしくお願いします.

・10月末の国際研究集会の講演依頼をいただいた.ありがたい.ただ,何を発表するか悩ましいところ.いっそのこと,世話人の先生に相談してみてもいいかもしれない.

・ナビエ・ストークス・コルトベーグ方程式に関する論文がリジェクトされたので,違うジャーナルに出した.論文の difficulty がうまく伝わっていなかった(まあ,難しくはないんだけど).

接触角を生成するナビエ・ストークス方程式に関する理解が深まった.まずは日下先生の論文の理解から始めよう.あえて古典的な関数空間で考えることが,圧力の特異性を理解するのに手っ取り早いのかもしれない.

・RIMSの研究集会(対面)に参加してきた.対面の研究集会は久々.Zoom で参加するよりも,気軽にほかの人と話しやすいのが利点だなと再確認した.せっかくなら観光でもして帰ってもよかったなとか思ったけど,用務以外(観光)のことをするのは研究費の使用目的に反しているので,潔く帰宅した.伊勢丹で買った饅頭は美味しかった.


<今後の研究目標>
・12月の研究集会の準備を頑張る.

・論文の修正を終わらせる.頑張って3編すべてアクセプトまで持っていきたい.

・共著論文(4; S先生,Tさん,N君,T君),単著論文(1)を書き終える.

・上司との共同研究を(とりあえず)続け,①一般領域における解析,②有界領域における時間大域解の構成を,年内に終わらせる.やり方はわかっているので,あとはひたすら確認して論文にするだけ.外部領域に挑戦するのは年明けだろう.

・日下先生の論文を解読し,ドイツのS先生とK先生と議論できる準備を整えておく.

・準定常のナビエ・ストークス方程式の自由境界問題を扱った Solonnikov 先生の論文を読み,それを最大正則性のクラスに直して論文にする.

・粘弾性流体の論文を解読し,研究の対象にできないか考えてみる.

修士の学生の修論を添削する.

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あれほど夏休みは論文を書こうと意気込んでいたのに,もう半分が終わってしまいました.時間を無駄にしたつもりはないのですが,いろいろ同時進行で取り組むと,一つ一つの進捗が微妙になってしまうのかもしれません.ところで,先日健康診断を受けてきました.健康でよかった.ここ数年,悪玉コレステロールの値が良くなかったのですが,わずかに改善されていました.毎日DHAサプリメントを飲んでいるおかげかもしれません.次回更新するのは10月下旬ですか.早いものですね.それまでにはいろいろやり途中の仕事にケリをつけられるように頑張りたいと思います.では10月下旬の報告までしばしお待ちください.

研究進捗2022/6/30

前回更新したときには,6月末はまだ梅雨かなとか思っていましたが,あっという間に梅雨が終わってしまいました.気分は既に7月中旬です.健康のために,夏はなるべくサングラスをかけるようにしているのですが,サングラス出勤みたいになり,調子に乗っている教員と思われそうで怖いです.最近では,電車に乗る時にはカバンにしまうようにしていますが.ただ,最近は日傘も差すほうがいいんじゃないかなと思い始めてきましたが,日傘を差し,サングラスもしているのは絶対に日焼けしたくないおばさんくらいしかみたことがありません.何が最適解なのでしょうか.

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<これまでの進捗>

・講演した.特に問題なく終えることができてほっとした.初めてカンペを見ずに発表してみた(綴りの確認だけ一度したけど).いままで,単に理解度が足りていなかっただけなんだなと思った.今後はちゃんと頑張ろう.

・国際フォーラムの運営を終えた.無事に終わってよかった.個人的には,勉強になる部分が多かった気がする.

・一様に  C^1 級の境界を持つ領域におけるストーク半群の生成を全て証明し,共同研究者の P さんに原稿と共にメールした.正確には,small Lipschitz constant をもつリプシッツ領域に対してもできそうだけど,その場合の作用素の定義がよくわからない.

・リプシッツ領域の場合に, 1 < p < 3 + \varepsilon に対して  L^p での Stokes 作用素に resolvent estimate ができないだろうか?と言われたけど,その解決の糸口を掴めた気がする.今後は有名な未解決問題の肯定的解決に向けて頑張ろう.

・博士課程進学を希望していた学生の修論の添削を頑張ろうと思っていたが,諸事情により,進学が来春になったので,添削を頑張る必要がなくなった.それにしても,毎度「KKの論文に解析のヒントがあるのでは」とセミナーで言っているのに,何も読まずにオリジナルの方法でやろうとして失敗する先生とこの学生なんなんだ.勉強が嫌いなのかもしれない.

・住友財団の研究費助成に申し込んだ.我ながら良く書けた申請書だと思うけど,正直なところ審査員次第だろう.さきがけや創発などの大型研究費にもトライしてみようと思ったけど,可能性はかなり低そうなので,翌年度以降,特に異動することができたらその後に応募するようにしよう.

科研費の報告書を書いた.面倒だったけど仕方ない.

・Major revision になった論文の査読レポートが届いた.アクセプトまではまだ遠く,修正箇所がまだ何箇所もある.正直しんどい.

・上司との共同研究がかなり進み,基本的な解析は全て終えた.あとは論文を書くだけ.非斉次べゾフ空間で考える利点は何だろうかとずっと疑問だったけど,指数の取り方によっては現在知られている結果よりも広い関数空間から初期値を取ることができるので,それなりにいい結果だと思う.解表示をキチンとできる他の方程式にも大体応用できるので,汎用性が高い方法を確立できたと思う.


<今後の研究目標>

・国際研究集会の運営を頑張る.祝日と1日被ってしまったけどめげずに頑張ろう.

・論文を訂正する.8月までには終えたい.

・障害物周りでの流れの問題についての共同研究に取り組む.

・共著論文(2),単著論文(1)を仕上げる.

・斉次べゾフ空間におけるナビエ・ストークス方程式の解の時空間の変数に関する正則性をG先生の論文を参考に考える.

・重み付き関数空間でのレゾルベント評価を作り,境界が滑らかでない領域に対する応用を考える.

・MHD近似に関する共同研究を進める.アイディアはすでにあるので,非線形評価ができるよう線形理論を作る.

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とうとう来週で対面講義が終わりです(14週目はオンデマンド動画による演習).あとは期末試験を残すのみで,研究のボーナスタイムがやってきます.就職のためにも論文を書くことが必要です.今年は7編論文を書きたいと言っていましたが,現時点で(仕上げ中のものも含めて)4編くらいは書いているので,残り3編ですね.この夏休み中に頑張りたいと思います.次回の更新は8月末の予定です.では.

研究進捗2022/4/28

早いものでまた春がやってきました.大学のキャンパスにある桜を見るのはこれで10年目です.

来年はもう見たくないですね.任期を1年更新したのでしばらくは困りませんが,早く職が決まればいいなと思います.自分の大学の公募に出そうとしたら偉い先生に止められてしまいました.世知辛いです.

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<これまでの進捗>

コリオリ力を伴う圧縮性ナビエ・ストークス方程式の共著論文を書いた(むしろ書いてもらった?).現在原稿の細かい点を確認中.マッハ数とロズビー数が十分小さければ,任意の有限時刻  T に対して,初期値に smallness condition を課さなくても  (0, T) 上で強解が一意に存在することを書いた.


・外部領域におけるストーク作用素を斉次べゾフ空間で考えた論文についてはずっと放置してた.K先生の講演を聞いたら解の解析性が得られそうだなと思って上司に報告したら「時間がちょっと経ったら analytic になるというのは,なんか誤魔化している気がする」と言われた.時間が「ちょっと経ったら」というのが引っかかるらしい.正直なところ,おっしゃっている意味がわからない.バトルするとめんどくさそうなので,解析性が得られたとしても黙っておこう.どうも,「加藤」信者なところがあるけど,もっと柔軟に考えてほしいところだ.


・査読レポートに基づき,論文をきちんと修正した.ちゃんと全部直したせいかはわからないけど,revision の期間が長い.もうすでに1ヶ月半以上経っているのに.まあ,今までが早かったということなのだろう.気長に待つことにしよう.


・一様に滑らかな領域におけるストーク作用素の解析,境界の正則性が  C^{1 + \alpha} じゃないとダメかなとか思っていたけど,少し工夫すれば  C^1 でもいけそうなことがわかった.もう少しちゃんと書いた後 P さんにメールしよう. C^1 でできれば胸を張れる結果だと思うので頑張りたいところ.


・SIAM のミニシンポジウムでの講演を終えた.深夜2時半からの講演だったけど,頑張った.正直体力的に辛かった.


・T さんや同僚のN君とシンポジウム後に色々話したところ,6月に国際フォーラムをやろうということになった.詳しくはこちらから.
sites.google.com


・障害物周りの流れの解析に関する研究を少し進めた.ここで,境界はあまり滑らかではない,リプシッツ連続であるものを考えている.外部領域での解析を行いたいので,有界領域における圧力の減衰評価を導出することが鍵になるが,うまく考えればできそうなことがわかった.実際に,摂動の理論から有界領域における線形化作用素 H^\infty-calculus をもつことが言えるので,数年前にやった手法を使うことで圧力の評価が従う.ここで重要となるのは,作用素をどのように定義するか,ということになると思う.


・早稲田の応用解析研究会で講演する機会をいただいた.やったね.


・上司に共同研究に誘われ,半空間における線形化作用素の最大  L^1 正則性の導出方法を考えた.境界がディリクレ境界条件であれば難なくできることがわかった.もう少し色々盛り込んでから論文を書こうと思ったら「早く論文を書いてください」と言われた.間に合えば 7月の RIMS の研究集会で発表したいらしい.


・8月に国際研究集会を行うことになったので,講演者に招待メールを送った.無事人が集まってよかった.招待を引き受けて下さった先生方ありがとうございます.あとは,ドイツの方々との調整だけ.昨年に比べるとスケジュールに余裕があると思う.


・同僚と後輩の学振PDの申請書を添削した.正直なところ,書き方がどうこうというより,研究の中身が面白いかどうかが審査員の評価に大きな影響を及ぼす気がする.申請書の中で「XXXという研究はすでにやられています.よって本研究ではYYYを研究します」と主張して「だからどうした」というような反論を言われないような文章を書くことが大切だ,ということを伝えたけど,同僚には伝わっているのだろうか.まあ,今年就職が決まらなかったら来年度は申請する予定なので,あまり他人事ではない.


接触角を生成する流れに関するプレプリントを発見した.
arxiv.org
読んでみたら勉強不足であることを痛感した.もっと頑張らねば.ざっとみた感じ,従来のモデルは蔑ろにされてきた圧力の weak singularity が再現されるモデルのような気がする.勘違いかもしれないけど.


<今後の研究目標>

・講演発表の準備をする.


・国際フォーラムの準備を行い,その運営を頑張る.まあ,大丈夫だろう.


・一様に滑らかな領域におけるストーク作用素に関する共同研究を進める.可能ならば論文の執筆に取り掛かれるようになりたい.


・ストーク作用素を斉次べゾフ空間で考えたときの解の正則性を考える.たぶん,K先生らの論文と全く同じ手法になるので,論文が出版されなければ,これについては別の論文で書くこととしよう.


・障害物周りの流れの解析に関する研究を進める.少なくとも時間局所解の構成くらいまでは終わらせたい.また,時間大域解を構成するための作戦を考える.


・書き途中の論文を完成させる.


プレプリントhttps://arxiv.org/abs/2112.12406)を解読する.高度な解析を行なっているというわけではなさそうなので,頑張れば読めるような気がする.


・夏に修了する修士の学生の修論の添削を頑張る.まだ解析が終わっていないけど,大丈夫なのだろうか.


・さきがけの申請書を書く.


・住友財団の申請書を書く.


科研費の報告書を書く.

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春休みが終わって講義が始まりました.昨年に比べると対面授業の出席者が多く,驚きました.みんな真面目だなあと思っていたら,3回目の講義における出席者は初回の半分以下になってしまいました.まあ,zoom でリアルタイム配信するし,教室に来る必要はないんですよね.でも,昨年と近い,zoom からの参加者を合わせれば初回の講義と同じくらいの出席率です.黒板で説明するのは疲れるし,個人的には椅子に座って zoom で説明する方が体力的には楽なんですけどね.教室に行って zoom で講義するのもありかなとか思いましたが,それを対面授業と呼ばないと言われると後々めんどくさそうです.

さて,次回の更新は6月下旬の予定です.では.

研究進捗2022/2/28

先日、法定健診を受診してきました。昨年にLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が基準値を超えていたので、ある程度は気をつけてきたつもりでしたが、今年は昨年よりも悪化してしまいました。

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原因はなんだろうと考えていましたが、よくよく考えてみたらLDLコレステロールが上がるような食品ばかり食べてました。今後はもっと気をつけようと思います。

 

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<これまでの進捗>

コリオリ力を伴う圧縮性ナビエ・ストークス方程式の時間局所解の共同研究が進んだ(というより進めてもらった)。私も頑張らないと。

 

・外部領域におけるストーク作用素を斉次べゾフ空間で考え、ストーク作用素有界解析半群を生成することと、最大正則性を持つことを示した。半群の gradient の評価は、可微分指数 s が正のときだけ証明ができた。双対性から s が nonpositive のときの評価が従うと思ったけど、間違っていたようだ。いろいろ考えてみたけど、斉次べゾフ空間は思ったよりやっかいみたいだ。

 

・上の成果を上司に報告したら共同研究に誘われた。退職まであと1年なのにまだまだ研究するつもりなのか。たしかに、共同研究のことについて、寝ながら考えていたら寝れなかったとおっしゃっていたし、本当に寝る間を惜しんで研究しているんだな。プロとしての姿勢、見習いたいものです。ちなみに、私はその間は自宅でポケモンやってました。

 

・障害物周りでのナビエ・ストークス方程式の共同研究の打ち合わせをした。時間局所解ならすぐに構成できるんじゃないかなとか思っていたけど、参考にする論文の内容をきちんと理解できていなかったみたいだ。勉強しないと。

 

・MathSciNet のレビューのお願いが久々に来たのでその論文を読んで、レビューを書いた。

 

・若手の方々との勉強会を始めた。実りある会になって良かった。今後も続けます。

 

・同僚が科研費(若手研究)に採択された。また上司のS先生も基盤研究に採択されたようだ。添削した甲斐があった。めでたい。

 

<今後の研究目標>

コリオリ力付きの圧縮性ナビエ・ストークス方程式の時間局所解の論文を春休み中に書いて投稿する(頑張ります)。

 

・外部領域におけるストーク作用素の論文をもっと仕上げて、いいジャーナルに投稿する。

 

・査読レポートがきた論文の修正を終わらせる。

 

・一様に滑らかな領域におけるストーク作用素の最大正則性の共同研究を春休み中に進める。できれば夏までには投稿できるよう頑張る。Bent-half space の解析はすでにできているので、あとはやる気次第だと思う。

 

・SIAM のミニシンポジウムでの講演を頑張る。

 

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春休みに入ってから、時間に余裕が出てきたので、年末に購入した Mac の設定をしました。せっかく Mac にしたし、プログラミングを頑張ろうと思いましたが、今のところ簡単な数式のグラフ表示くらいしかできていません。学部生のときにもっと真面目にプログラミングの授業を聞けばよかったなと思います。今のところ、Mac に変えてよかったことは、ディスプレイがきれいになったことくらいでしょうか。まあ、あまり選り好みせずコツコツ頑張ってみたいと思います。次回の更新は4月末の予定です。では。