べっく日記

偏微分方程式を研究してるD2の日常

アメリカ滞在記 Part 03。

日々の食事がだんだんとワンパターンになってきました.現在のところ,サブウェイのサンドイッチとパスタ,ジャガイモ+ソーセージの三者でローテーションを組んでいます.ごく稀にマクドナルドのビッグマックが加わわります.また,最近先週食べたピザも仲間に加わりました.大学の周りにほとんどお店がないのでたぶん帰国までこのローテンションを回すことになるでしょう.さすがに飽きそうです.サブウェイのサンドイッチのメニューを制覇するのも時間の問題でしょう.



前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

06月09日(Day 16 / 100)

今日はずっとごろごろしていた.YouTube ばかり見ていた気がする.やっぱお笑いの動画を見ていると元気が出る.明日から頑張ろう.


サンシャイン池崎#09【人間釣竿になってみた】

たぶん10回くらい見た.


【公式】Pick upプレー動画:レオ シルバ(鹿島)のミドルシュートは飯倉 大樹(横浜FM)がファインセーブ!

飯倉選手,この時期は輝いていた.鹿島アントラーズはこの試合で勝ち点が取れていればこの年J1で優勝できたと思うと,飯倉選手のスーパーセーブは鹿島アントラーズの優勝を阻んだのかなって思ったりする.飯倉選手には是非このときの輝きを取り戻してほしい.

06月10日(Day 17 / 100)

朝,なんとなく Research gate を眺めていたら,contact line problem のモデリングを扱った論文が(たぶんごく最近)出版されていたことを知った.やっぱり,contact angle を固定するのはおかしそうだな.contact line を動かすなら,contact angle も動かないとだめみたいだな.Physica D にアクセプトされた論文だし,過去の結果を(ほぼ)カバーしているし,有名な偉い先生が書いた論文なので,このモデルを信じても大丈夫だろう.さすがに Galdi 先生も納得してくれるだろう.この論文では Navier タイプの slip 境界条件(いわゆる partial slip B.C.)を用いているけど,no-slip にしたい場合はその「極限」として考えればいいだけなので no-slip の場合に直しても問題ないだろう.No-slip が極限の状態と考えれば,contact line 上で Dirichlet 積分が非有界になるという singularity が生じているのはとても自然な気がする.まあ,まずは No-slip の場合を研究して,その後 Navier-slip B.C. の場合を研究すればいいような気がする.難しい問題だけど,今後10年くらいは研究のネタには困らなさそうだな.自力で出来るかはわからないけど.


そういえば,帰宅後,こんな記事を見た.

gendai.ismedia.jp

昨年,ロンドンに派遣されたけど,確かに中国人は多かったな.記事にもあるように,親が「子どものため」というよりもむしろ「自分のため」に「投資」をするという意味合いの方が強い気がするんだよな.やはり移住のための「保険」って感じなんだろうな.現在では,先進国のどこに行っても中国人のコミュニティーはあるし,国外に移住するというハードルはそれほど高くないんだろうな.ちょっとうらやましい気がする.記事を読んで初めて知ったけど,ラグビーの由来は高校の名前だったんだな.何も知らない人に「私の出身校はラグビーです」って言ったら「はあ?」って言われるんだろうな.

06月11日(Day 18 / 100)

いつも通り大学に行ったけど,弁当は持参しなかったので(昨夜作るのがめんどくさかった),大学の近くにあるスーパーでサンドイッチを買ってみた.ハムだけ挟んである footlong サイズのサンドイッチを買ってみたけど,サブウェイで買うのと対して値段が変わらなかった.ふつうにサブウェイ行けばよかったわ.前から思っていたんだけど,院生室に居る人たちはお昼ご飯どうしているんだろうな.ダルムシュタット(ドイツ)に滞在していたときは,学食に行く人がほとんどだったから,お昼ご飯はみんな集まって行くみたいな風習があったけど(もしかしたらわざわざ誘ってくれてただけかもしれないけど),滞在先の大学では違うようだ.自分だけ誘われていない,ということではないと信じよう.大学の周りに生協とかスーパーがないのは普通に不便なんだよな.どっかにあるのだろうか.


夕飯はカルボナーラを食べたけど(2日ぶりN回目),夕食中に,滞在先の家に新しくやってきた Leo さん(仮称)と少しお話をした.Leo さんはフィラデルフィアからやってきたアメリカ人(?)で,ピッツバーグ大学にはスロベニア語を勉強しにやってきたようだ.何を勉強しているの?って聞いたときに "Language" って言われたから,てっきり言語学の研究かなって思ったけど,ピッツバーグ大学が開講する短期間のプログラムに参加するらしい.スロベニア語を勉強できる大学は,フィラデルフィアの近くだとピッツバーグ大学しかないとのこと(まあそれでも遠いけど).どうやら親がスロベニア出身らしく,来年行くから勉強したいとのこと.歳は聞かなかったけど,仕事の話は聞かなかったので,きっと大学生なのだろう.夏休みを勉強に費やすとかすごいと思う.このように見ず知らずの人と会話できるというのが Airbnb の良さなのかもしれない.まあ,個人的には会話を楽しむほどの語学力はないけど.

06月12日(Day 19 / 100)

朝6時過ぎに目が覚めたので,7時過ぎから作業を始めた.今日はなんかとても集中して作業に取り組めた気がする.やはり,朝早くから作業すると,時間を確保できていいなって思った.今日は論文の直しがようやく終わった.集中していたら少し夜更かししてしまった.気まぐれに集中するのは良くないと思いつつも,未だになんか自分自身でコントロールできない気がする.子どもみたいだ.とりあえず修正が終わった論文を指導教員に送ってみた.でもきっと「いいと思います」ってしか返信が来ないんだろうな.論文の修正が終わりましたってメールしてもなんか失礼な気がしたので,念のため「雑誌A,B,C のいずれかに投稿しようと思います」って付け加えてみた.そういえば,なんか振り返ってみると論文の執筆についてちゃんとした指導を受けたことがない気がするな.先輩に論文を読んでもらって助言をいただくことは何度もあったけど,論文の書き方自体はほぼ独学な気がする.んー,書き方が正しいのか良くわからないな.


ちなみに,夕食はサブウェイで食べた(N度目).注文するのもだいぶ慣れてきたので,今度から別のメニューも頼んでみよう.次は照り焼きチキンかな.

06月13日(Day 20 / 100)

朝起きたら,指導教員からメール来ていた.案の定「メイルありがとうございます.内容的には(雑誌B)でしょうが,(雑誌C)でもよいかと思います」(原文)という非常に大変ありがたい返信をいただいた.ゴールデンウィーク中にに先輩のSさんに相談したときに,雑誌B よりは雑誌A もしくは C の方がいいと思うよって言われたけどな.個人的には雑誌 A に出してみたいけど,完全にスルーされてしまった.渡米前に先生にあったときも雑誌 C がいいと思いますって言っていたし,雑誌 C に投稿することにしよう.論文の長さ的に雑誌 C はあっていない気がするけど,リジェクトされても知らん.査読中に新しい論文を書けばいいや.とりあえずコリオリ力付きの圧縮性ナビエ・ストークス方程式の論文を書こう.これは頑張って来月中旬までに完成させよう.


でも,論文を執筆するのに少し疲れてしまったので,今日は contact line probelm を考えることにした.月曜日に発見した論文は rigid boundary が水平方向にフラットな場合に contact angle の発展方程式を導出しているようだ.Contact angle problem はほとんどの場合「ぬれ」の問題を想定して研究されているから,contact line の発展方向が一方向だけだったり,定常状態がどうなっているかという研究ばかりな気がするな.何をどう頑張って考えても contact angle が「定数」の場合,それは平衡時における contact angle と一致していないとおかしいはずなので,この場合 contact line が「動く」というのは極めて不自然であるような気がするんだよな.数学者的には難しそうな方程式が解ければ満足するんだろうけど,その方程式が間違っていたら何も意味を成さないので,個人的にはきちんと(可能な限り)物理的なバックグラウンドを理解した上でいろいろ解析を始めたい.でもさっさと計算しろよとか言われちゃうのかな.やだなあ.ところで,表面張力が自由境界上で働いている場合はラグランジュ座標に変換して考えることは「出来ない」ので,いわゆる半沢変換を用いて考える必要があるんだけど,領域がシリンダーにように rigid boundary が垂直でないと自由境界をグラフ表示できない気がする.さらに,「一般」の領域の場合,平衡時における自由境界を極小曲面として考えた場合,極小曲面の一意性が成り立たないような領域があるみたいから抽象的な結果をエレガントに導出するのは難しい気がするんだよな.まあ,「そういう」領域を仮定すればいいだけなんだろうけど.まあ,わざわざ極小曲面として考えなくても済みそうな気はするけど......わからん.あと,前に Galdi 先生に相談したとき,シリンダーじゃなくてもいいじゃんって言われたけど,シリンダーじゃないとダメな気がしてきた.Rigid boundary が水平方向じゃなくてもフラットであれば contact angle の発展方程式は導出できる気がする.たぶん取り組もうとしている問題の難しさは ①問題の定式化 ②contact line における singularity の処理,の2点だろう.Localization argument と圧力の消去は Wilke 先生の論文を参考にすればどうにでもなって,②に関しては解決方法がすでに知られているので,個人的には①の定式化が大事だと思うんだよな.そんなの簡単だよとか言われそうだけど.まあ,帰国まであと2ヶ月半あるし,じっくり考えてみることにしよう.とりあえず,当分の目標は B 先生らの論文を理解して contact angle の発展方程式を導出することだな.修士のときは「先生がわからないなら私もわからない」って思っていたけど,最近は「私がわからないものは先生もわからない」って思うようになってきた.まあもちろんありがたい助言はいただけるけど,なんか的外れな場合が増えてきた気がするんだよな.まあ,私が傲慢になってきただけでしょう.反省.


ところで,そろそろ秋の学会(日本数学会)の申し込み期限なので,今日は学会のアブストラクトを作成し,学会に申し込んだ.学会に申し込んだのは金沢に出張したいからといっても過言ではない(動機が不純).投稿した論文について報告するつもりだけど,いい結果だし発表しないのはもったいないんだよな.共同研究者も発表していいよって言ってたし.この記事を読んでくださっている数学関係の皆さん,金沢でお会いしましょう.


と,数学の話ばかりではつまらないので今日の夕飯を紹介しよう.今日はジャガイモとソーセージを食べた.

見た目以上においしかった.ジャガイモを丸ごと(自分で)茹でたのは1年と8ヶ月ぶりだけど,ジャガイモを水に入れ,沸騰するまで強火で茹で,沸騰後は弱~中火で30分茹でるとちょうど良かった.ところで,ジャガイモをカットした場合は点火してから15~20分くらいが目安.これで君もジャガイモマスター.ジャガイモをカットして茹でたときの煮崩れを防止したい場合は茹でる前にささっと炒めると良いでしょう.カレーの作り方のからくりと同じ.

06月14日(Day 21 / 100)

今日は金曜日だからバーベキューやるのかなあって思っていたら,案の定開催されていたみたい.マジで毎週やるんだな.日本でいう飲み会と同じようなノリなのだろうか.うすうす思っていたけど,金曜日はみんな帰宅するのが早い気がする.浮かれているのかな.自分もまだまだ学生だから偉そうなことはいえないけど,学生気分が抜けていないなって思う.いや,まあ学生なんだからいいんだけどさ,同級生の人たちは働いているのに......って思う.でもさすがに院生室に犬を連れてきたのは笑ってしまった.

写真はちょっとぶれてしまったけど,これは犬.ぶらぶらぶら下がっていたのでたぶんオスでしょう.犬種は......ラブラドールレトリバーだろうか.懐かしい.また飼ってみたいな.今度はゴールデンレトリバーもいいかもしれない.大学に,しかも院生室に犬を連れてくるなんて本当に自由な国だな.まあたぶん本当は連れてきちゃだめなんだろうけど.


今日は久々にコリオリ力付きの圧縮性ナビエ・ストークス方程式について考えた.Anisotropic Lebesgue 空間についていろいろ調べた.あまり知らなかったけど,実はわりとメジャーな関数空間みたいだ.まだまだ勉強が足りないな.粘性がない場合は初期値の関数空間をこの空間から取っていたけど,粘性がある場合はここから取らなくても良さそうだ.たぶん初期値は  H^{3 + \varepsilon}_x でOKだと思う.Besov 空間を使えばより optimal な結果が得られるんだろうけど,より詳細な解析が必要になるし,それは私の仕事ではないな.とりあえず初期値はこのクラスから取るとして,後は非線形項を評価して,global なアプリオリ評価が導出できればOKだな.まあでもこれは先月少し計算したからあとはコツコツやればたぶん大丈夫だろう.それでも計算が終わるまでに(早くても)0.5~1ヶ月くらいはかかるかもしれないな.そもそも計算が正しいかどうかなんて知る由もないしな.


さて,今日のお弁当はジャガイモとソーセージ.

基本的に夕食と翌日の弁当は同じメニューだけど,さすがに飽きてきたな.あと80日近く滞在するけど,マジで何を食べればいいんだろう.仕方ないので夕飯はサブウェイで済ませた.

06月15日(Day 22 / 100)

今日は遅く起床した.たぶん9時くらい.久々にぐっすり寝た気がする.いつも朝起きたらまず iPhone でメールのチェックをするけど,日本とアメリカの時差が半日あるということもあって,めっちゃメール溜まっているんだよな(当たり前).個人的にはメールは全部処理したい派だからちょっと疲れちゃうんだよな.処理......といっても返信しなきゃいけないメールはほぼなくて,だいたいはメーリスや大学からのメールの処理.なんで大学からあんなに意味のないメールばかり届くんだろうな.大学のポータルサイト,My Waseda から自動的に配信されるメール,控えめに言って迷惑メールなんだけどなんとかならないのかな.知っている人がいたら教えてください.あとは arXiv のメーリスが(アメリカ時間で)深夜に配信されるから,朝からよくわからないアブストラクトに目を通さざるを得ないのが地味に疲れる.もう最近はタイトルと人の名前しか見てない場合がほとんどだけど.やっぱ iPhone でメールのチェックするのはやめたほうがいいのかなあ.


ところで,明日はどうやら天気が悪いみたいなので,今日は食材の調達に出かけた.いつも通りジャガイモとレタスを買った.ただ,さすがに違うご飯も食べたいので,今日は新たにマカロニアンドチーズ,冷凍ピザ(3種類)を購入した.


レタス(1玉)は使い切るまでに1週間~2週間かかるんだけど(私の場合),(鮮度を保たれるという意味での)賞味期限が1週間みたいだから,いつも最後のほうはしなしなになっちゃうのが悩みの種だった.でもどうやら,小麦粉を使うともう少し賞味期限を延ばせるみたいなので,早速試してみることにした.

www.kagome.co.jp

本当に効くかどうかは知らないけど,何もしないよりはマシなのかな.一方で爪楊枝の方が効くという意見もあるようだ.

woman-money.nifty.com

残念ながら爪楊枝は持っていないから,小麦粉でのチャレンジということになるのかな.一人暮らしすることになったら爪楊枝でチャレンジすることとしよう.もし何か知っている方がいたら教えてください.さて,今日の夕食は早速マカロニアンドチーズを食べてみた.

味はもう少しチーズ感がほしいといったところ.まあ,まとめ売りされていたちょっと安いやつを買ったから仕方ないかもしれない.1箱(250gくらい?)全部使ったけど,少し量が多かった.たぶん,夕食とお弁当でちょうどいいくらいの量だろう.お弁当が少しパワーアップされることに期待しよう.



気づけば滞在を始めて3週間が経ちました.これまでの食事を挙げると

・ジャガイモ(+ときどきニンジン),

・ソーセージ,

・レタス(+玉ねぎ),

・スパゲッティ,

・(サブウェイの)サンドイッチ,

・(マクドナルドの)ハンバーガー,

・ピザ(1回),

・マカロニアンドチーズ(1回),

かなと思います.もう少しおいしいものが食べたいなあと思いますが,アイディアが浮かびません.何より,「お米+おかず」という Japanese style が通用しないのが難点です.アメリカ人たちはいったい夕飯に何を食べているのでしょうか.不思議です.さて,次回の更新は06月23日(日本時間)を予定しております.では.

アメリカ滞在記 Part 02。

渡米して2週間が経ちました.時差ボケもようやく克服し,生活にも慣れてきました.でも,スーパーなどの店員との会話に慣れません.店員と会話をするというのは欧米(?)ならではの文化ということは知っていますが,"How are you?" って言われても「別に」としか思えないのはどうしてなのでしょうか.周囲の人を見る限り,皆さん感情豊かに会話していますが,なぜあんなに感情をこめて話すことができるのかとても不思議です.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

06月02日(Day 09 / 100)

Galdi 先生からもらった問題の定式化はなんとなくわかってきたけど,やはり難しい問題だなあ.いわゆる  L^2-framework で考えれば領域の滑らかさを全く考えずに圧力の消去とかは可能だと思うんだけど,領域を localized することは可能なのだろうか.って思ったけど,Rayleigh-Taylor instability の論文ですでにやられてたわ.まああんまり深刻な問題ではなさそうだ.


今日は天気がよかったので食材の買出しに出かけた.40分くらいかけて Giant Eagle に行った.いかにもスーパーって感じのスーパー.こういうお店が滞在先の近く―少なくとも大学の近く―にあればいろいろ楽だったのになあって思った.今日はパスタソース,スパゲッティ,ジャガイモ,玉ねぎ,レタスなどを買った.行きは道路の(進行方向に対して)右側を歩いてので,じゃあ帰りも(進行方向に対して)右側を歩いて帰ろう......って思っていたら,徒歩では渡れない道を歩いていたということもあり,帰りたい方向とは全く違う方面に向かってしまった.前から思っていたけど,歩行者に優しい道路設計ではない気がする.ドライバーは歩行者に優しいのに.


やや萎えつつ全く違う方向に歩いていたけど,どうやら大学の方向には向かっていたようだ.多少回り道になるけど無事に帰れそうだ.J1 オリエンテーションが行われた建物が見えてきて安心したけど,(簡易的な)スーパーがあることを発見してしまった.

Googleストリートビューだとセブンイレブンになっているけど,スーパー的な感じなものになっていた.種類は少ないけどとりあえず食べ物に困らなさそうだ.ちょっと安いというのもポイントが高い.これで一安心.今度からここ行こう.レタスはないけど.


なんかふと「あ,大学の写真撮れって言われていたな」と思い出して,大学の写真を撮ってみた.

資金援助を(部分的に)受けているから当然の義務とはいえ,自分が広告材料になるのはなんか腑に落ちないんだよな.


さて,昼食をサブウェイ(3日ぶり3度目)で食べた後,帰宅.帰宅後は Jin-Padula (Math. Ann., 2004) の論文を少しまじめに読んでいた.重みつきソボレフ空間とかは参考になった.論文読んで思ったけど,contact line problem は Finn 先生も結構精力的に研究していたんだな.気が向いたら彼の本と論文を読もう.


06月03日(Day 10 / 100)

滞在10日目.なんだかんだ滞在日数の10%が過ぎてしまった.朝,Galdi 先生から「明日私のオフィスに来い」というメールが来た.私の経験上,こういう場合は質問をもう一度説明する感じになるんだよな.ということで,今日はわかったことをまとめよう.


と思って大学に行ったら,初めて会った人に,「そのディスプレイ僕が使っていたやつなんだけど」と言われてしまった.仕方ないのでディスプレイは彼に返却し,代わりに床に放置されていた(いかにも古そうな)ディスプレイを使うことにした.先週院生室に来たとき念のため周りの人に使っていいかどうか確認したんだけどな.やっぱりアメリカ人はいい加減なのだろうか.


今日は領域の localization について考えていた.Wilke 先生の論文をちらちら見た感じだと,二相問題の場合,いわゆるモデル問題として

(1) 全空間(一相);

(2) 半空間(一相);

(3) 全空間(二相);

(4) 1/4 (quarter) 空間(一相);

(5) Contact line 付きの半空間(二相)

を考えれば良いみたい(?).Contact angle が90度だと normal 微分が境界上で vanish するから (4) と (5) の問題はそれぞれ (2) と (5) に帰着されるみたいだ.うーん,個人的には contact angle を 90度に限定せずにいろいろ考えてみたいけどやはり無理なのだろうか.モデル問題を経由せずに考えることは出来るのだろうか......圧力の消去もよくわからないし,明日 Galdi 先生にいろいろ聞いてみよう. L^2-framework で考えれば上手くいくってことはあるのかな.


06月04日(Day 11 / 100)

朝はちょっとのんびりしつつ,Galdi 先生に質問したい内容を整理していた.滞在先のキッチンにコーヒーメーカーあるのはめっちゃ助かる.コーヒーうめえ.


しばらくしてから大学に行き,Galdi 先生とのミーティング.Galdi 先生から「君の進捗を聞かせてくれ(意訳)」と言われた.いや,1週間でそんなに出るわけないでしょって思った.そんなことできるのは九大のT先生みたいな人だわ.見栄を張っても仕方ないので,正直にいろいろ頭を悩ませていると報告し,

・自由境界は動くのか?動かないよね?

・圧力の消去はどうするのか?(Edge が気になる)

・通常と同じように領域を localize していいのか?

ということを聞いた.結論からいうと,最初のやつは「動く」で,残りの2つは通常と同じようにしてできるはず,とのことだった.自由境界は動かなくない?って思ったけど,自由境界なんだから動くでしょ(意訳)とのことだった.これに関しては,物理的な説明ではなかったので,個人的には正直納得できないけど,偉い Galdi 先生が動くと言っているのだからきっと動くのだろう.まあ,動くと信じて境界条件をもう一度考察することとしよう.また, 理科大の K さんにも質問メールを送ってみよう.


ミーティングのあと,リジェクトされた論文はどこかに投稿しなおしたのかってことを聞かれたので,まだ書き直している途中です(ちょっとサボっているけど),って言った.まあ確かに「新しい問題」を考えているから,論文は書きなおし終わったって思われても仕方ないな.さすがにそろそろちゃんとやらなきゃな.頑張って今月中には投稿しよう.


ところで,夕方はたまった PDF ファイルを整理していた.とても地味でつまらない作業だけど,役に立つ.一応バックアップとしてメモリースティックと外付けのハードディスク以外にも Mendeley にバックアップを取っているけど,ストレージ大丈夫かな.もりもり溜めた論文ももうすぐで500だけど,まじめに読んだのは20にも満たない気がするんだよな.少しずつでもちゃんと読まなきゃな.まあでもたまに「100本の論文よりも1冊の本」という先輩のLさんの言葉が頭をよぎるんだよな.


06月05日(Day 12 / 100)

ちょっと夜更かししてしまったけど,9時くらいには目が覚めてしまった.部屋にカーテンないから日が出ると自然と目が覚めちゃうんだよな.まあ健康的でいいことだ.


朝起きたらKさんからメールが来ていた.めっちゃ丁寧に説明してくれてて笑ってしまった.やはり優秀な人は性格も良いみたいだ(P値=1%).Hieber 先生と Saal 先生のサーベイ論文で contact line problem について言及されているのは初めて知った.Kさんありがとう.というか Saal 先生も少し取り組んでいるみたいだな.やっぱり Dirichlet 境界条件は「嫌われ者」みたいだな.でも境界の regularity が Lipschitz なのは "too general" って書いてあるけどほんまかいな.ところで,Saal 先生の論文はちらっとしか(2分)論文読んでないけど,contact angle が一般の場合は極座標で考えると上手い具合に処理できるっぽい(?).後でちょっとまじめに読んでみよう.


今日の夕飯はコンソメスープ.

見た目は微妙だけど意外とおいしい.


06月06日(Day 13 / 100)

今日は朝スタバに行ってみた.コーヒーをテイクアウトするために.コーヒーにいろいろ入れられるのは困るので,「コーヒー,アメリカーノ,ブラック」と言ったらちゃんとブラックコーヒーが出てきた(当たり前).店内は空いてたけど,レジは結構混んでた.平日の夜,夕飯食べたあとスタバで作業できるかなって思ってたけど,どうやら19時に閉まってしまうらしい.


今日は論文の修正していた.意外と直さないといけないところが見つかった.頑張って仕上げないとなあ.というか修正しないといけない論文が2本,書き途中の論文が1本だから,とりあえずこれらを片付けてから新しい問題に取り組むほうが効率的な気がするんだよな.


ところで,contact line の問題は,たぶん contact angle を固定しないと解けないんだろうな.実際に,contact angle も未知関数だった場合,contact angle についての発展方程式がないと「つじつまが合わない」と思う.シリンダーで slip boundary の場合はすでにちょっとやられているから,slip の代わりに Dirichlet を考えるだけでも十分良い結果になるだろう.とりあえず,Jin 先生の結果を,非定常かつシリンダーではない場合に拡張することを試みよう.まあでもそのためには重み付きソボレフ空間について勉強しなければいけない.


さて,今日の夕飯はカルボナーラ

先日よりもおいしくできた.そろそろお嫁にいけるかもしれない.


06月07日(Day 14 / 100)

今日はいつもよりも早く目がさめたので,少し早く大学に来た.といっても9時過ぎくらい.それでもすでに何人か院生室にいた.彼らは何時から居るのかはしらないけど,たぶん結構早く来ているんだろうな.今度から8時くらいに大学行くかな.


今日も論文の修正をした.もう少しで終わりそう.今日はもうちょっと頑張ろうかなって思ったところ,院生室内でマリオカートバトルが始まった.うるさいからイヤホンつけて作業していたけど,それでもやっぱうるさかったので,今日はかなり早く帰宅した.マリオカートをやっていない他の人たちは全く気にせず集中していたのはすごいなあって思った.むしろ真剣に議論していた人がいたぐらいだし.いや,普通のゲームだったら早く帰ろうとは思わないけど,マリオカートのアイテムボックスを取ったときの「ぴろぉぴろぉん~ぴろぉぴろぉん」っていう効果音が気になって仕方なかった.まあ,集中力がなかったと言われればその通りだったのかもしれない.ちなみに,今日も先週に続きバーベキューに誘われた.即答で断ったけど.ひょっとして毎週やっているのかな.


夕食はソーセージを焼いてみた.

んー,なんかこげちゃうんだよな.やっぱ一度ボイルしてから焼き目をつけるのがいいのだろうか.


06月08日(Day 15 / 100)

今日も論文を直していた.iPad との併用,かなり便利だな.なぜ今まで気づかなかったんだろう.そろそろ論文の修正が終わらないと指導教員に怒られそうだな.


ただ,週末は息抜きがしたいので,今日は解析関数の零点についてまとめてある,ヘルマンダー先生の本の付録を少し読んでみた.よくわからない部分もあったけど,とりあえず LaTeX でまとめた.まだ公開はしないけど,いずれ公開すると思う.


さて,今日はピザを食べてみた.

LサイズもMサイズも値段があまり変わらなかったのでLサイズを買ってみたけど思ったよりも大きかった.実際に

これくらい大きい.これで10ドル(+税)は安いと思う.今後毎週通うことにしよう.滞在先の(アパートじゃないけど)家に,新しい住人(?)がやってきた.彼の夕飯をチラッと見たけど,めっちゃおいしそうだった.ジャガイモとスパゲッティばかり食べている自分が惨めに思えてきた.今後はもう少し工夫しよう.



振り返ってみると,今週はブログに書くような面白いことがありませんでした.すみません.ところで,ようやく共著論文が完成しました.

arxiv.org

研究がスタートしてから完成までに2年くらいかかったけど,無事完成してよかったなあと思います.共同研究者のパトリックさんありがとうございます.共同研究者から学ぶことは非常に多かったように思えます.というより,やっぱ英語は大事だなあって思いました.英語で会話するようなお友達はいないですが,帰国までに,少なくともスーパーなどの店員と会話できるよう,英語を勉強しようかなって思いました.さて,次回の更新は06月17日(日本時間)を予定しております.では.

アメリカ滞在記 Part 01。

ピッツバーグに来てから1週間が経ちました.生活に徐々に慣れてきた......といいたいところですが,なかなか慣れません.大学から近いという理由で滞在先を決定しましたが,これがそもそも間違っていたような気がしてきました.滞在先の周辺にスーパーがないので生活がとても不便です.多少大学から遠くても生活しやすい場所に滞在できればよかったなあと思います.まあ治安は良さそうなので良しとしましょう.ところで,日々思ったことをブログの記事として書き溜めていたら,ところどころ研究日誌のようになってしまいました.研究に興味がない人は適宜読み飛ばしてください.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

05月26日(Day 02 / 100)

起床後,ブログを更新した(これが前回の記事).今日は大学までの道順の確認と大学周辺のお店のチェック.大学まで15分だと思ったけど,数学科がある棟までは20分だった.だまされてしまった.大学までの道はほぼ平坦で,思ってたよりもシンプルな道順だった.大学の周辺にスーパーとかあればいいなあとか思ったんだけれども,全く見当たらない.ドラッグストアみたいなお店があったので入ってみたけど,冷凍食品とお菓子しか食料がない.一応サンドイッチと思われるもの(ハムをパンでサンドしてあるだけのやつ)が売ってたけど,4~5ドルくらいだった.この国の物価はどうなっているんだ.いや,ドラッグストアだから高いんだろうか.


今日は日曜日ということもあって,閉まっているお店が多かった.レストランで食事をするのはいろいろと(店員とコミュニケーションやチップとか)めんどくさいので,仕方なくマクドナルドで昼食を済ませた.マクドナルドでも,いろいろなメニューがあって「あれ食べてみたいなあ」と思ったやつもあったけど,結局一番発音が簡単なビッグマックを食べた.もうちょっと英語勉強していればよかったなあって感じる.


午後は雨予報だったので,昼食を済ませたあとは帰宅.大学の周りにお店がなさ過ぎて,このままでは生活がやばいなと思い,数年前ピッツバーグに1ヶ月ほど滞在したことのある先輩のMさんにメールしてみた.すぐ返信が来たけど,やっぱり生活に不便な街だそうだ.この国は本当に自動車社会なんだなあって思う.自動車に乗れない人はマジで生活弱者って感じだ.帰宅後は眠気がすごかったのでがっつりお昼寝した.起きた後は夕飯を食べ,すぐ寝た.時差ボケがかなりひどい気がする.数年前アメリカ(ロスとラスベガス)に旅行したときはそれほどひどくなかったのにな.


05月27日(Day 03 / 100)

当然ながら,よく寝れなかった.夜はほとんどずっと起きていた気がする.スマホばかりいじっていたけど.でもそのおかげで(?),滞在先の近くにそこそこ評判のいい,個人経営のスーパーがあることがわかった.ただ,営業時間が朝8時から夕方5時か6時までなので,帰宅途中に寄って買い物をするというのは難しそうだ.今度土曜日に行ってみよう.


今日は雨予報だったので,家から出なかった.今日は二相流の論文をいろいろ書きなおしていた.お昼ご飯はジャガイモを食べた.

このままでは味がなさ過ぎるので一応ケチャップとマヨネーズをつけて食べた.昼食後は眠気がやばくて,このまま寝てしまったら時差ボケが解消されない......起きなきゃ......!とか思ってたけど,気づいたらベッドの上でがっつりお昼寝してしまった.昨日と同じだ......起きたのが21時だったので,夕食を食べず,お風呂入って歯を磨いてすぐ寝た.この1週間は時差ボケとひたすら戦う感じになるのだろうか.


05月28日(Day 04 / 100)

昨日は祝日だったので(渡米してから初めて知った),今日から大学に行く.ピッツバーグ大学は理科大と同じような感じで,大通り沿いに大学の建物が並ぶという感じのようだ.特に撮りたい写真があるわけでもないけど,写真を撮って来いとSGUの秘書の人に言われているので,今日はとりあえず1枚撮った.

昨年 Imperial に行ったときの写真(大学の建物とか)が少なすぎてちょっと注意されてしまったので,本当はもっと撮らなきゃいけないんだろうけど,暑いのでまた今度にしよう.


10時に Galdi 先生と会うことになっているので5分前くらいに先生の部屋の前に着いたけどまだ来てなかった.やっぱイタリア人は時間にルーズなのかなあって思ってたらちょうど10時に先生がやってきた.どうやら Galdi 先生は時間ぴったりに行動する人みたいだ.自己紹介しようと思ったら,以前に何回かあったことあるよねって言われた.たしかに数回会ったことあるけど,2016年の秋に早稲田で行われた研究集会と2017年の夏のCIMEのサマースクールでしか会ったことないよな?どんだけ記憶力がいいんだよ.やはり,いろいろな研究集会に出席することは先生に顔を覚えてもらうという点で重要なのだろう.


先生から事前に,会ったときは自分の研究についての説明よろしくねって言われていたので,一応準備していたけど,先生の頭の回転が速すぎて,あまり説明しなくても研究内容を理解してもらえた.個人的にはコリオリ力付きの圧縮性ナビエ・ストークスを渡米中に完成させようと思っていたけど,ほとんど興味を示してもらえなかった.悲しい.つまらない問題なのだろうか.結局,ある自由境界問題を提示された.問題もらえたのはうれしいけど,CIMEのサマースクールで見たのと全く同じ問題(Future work として提示されていた問題)だった.なんか普通に難しくて草生える.この問題の難しい点は,大雑把に言うと,自由境界が「2つ」ある点と contact angle problem を考えなければならない点の2つ.もちろん,「空洞」がない場合はすでにいろいろやられているけど,どうやらほとんど L2 framework を経由しないと解けない問題みたいだ.Contact line problem は過去に Solonnikov 先生とかによる結果がいくつかあるみたいだけど,全部2次元の結果なんだよなあ.3次元の場合だとなにか違うんだろうか.せっかくだからいろいろ悩んで,わからないことがあったら積極的に Galdi 先生に質問することにしよう.


と,数学の話ばかりではつまらないので,夕飯の写真でも挙げておこう.

ちなみに,昼ごはんは Subway だった.おいしかった.

05月29日(Day 05 / 100)

今日の午前中はホームページスケジュール欄を見やすく直していた.だいぶ見やすくなったと思う.また,今日からお弁当男子になった.

うん.スパゲッティは安定.


午後は contact line problem についていろいろ調べてみたりしたけど,なんかよくわからないなあ.Solonnikov 先生いわく「(contact line problem の場合)2次元と3次元の間にはさほど違いがあるわけではないけど,問題の formulation が簡単だから2次元で考える」ってことらしいけど,だったらなぜ3次元の結果がこれほど少ないんだろうな.Bothe-Prüss はちゃんと formulation を考えているから参考になりそうだけど,数学解析するにはちょっと仮定があいまいな気がする.しばらくは(領域の設定なども含めて)問題の formulation を考えるのが課題かなあ.でもこんなことする前に書き途中の論文を仕上げないといけない.頑張れば金沢の学会で発表できるかもだけど,そんなに無理する必要はない気がしてきた.学会には行くけど.


05月30日(Day 06 / 100)

朝起きたら父親から Line がきていた.


父「食べ物はイギリスよりいっぱい選択肢あるよね?アメリカは,ピザとフライドチキンとドーナツがうまいぞ」


数年前にアメリカに旅行に行くときに,アメリカはピザとドーナツがおいしいって聞いていたけど,フライドチキンもおいしいのか.でも大学の周りにケンタッキーないんだよなあ.そういえばドーナツが売っているのも見ていないな.ピザはよく見る.


今朝は昨晩と同様に,雨が降ったり止んだりしていたので,雨が止んでいる時間を見計らって大学にきた.渡米前は「梅雨を回避できる......!」って喜んでたけど,日本より雨が降っているような気がするのは気のせいだろうか.今日は昨日よりも早く大学に行ったけど,思ったよりも多くの人が作業していた.明日は無理だけど,今度からもう少し早く大学行こうかな.まあでも,院生室の部屋の鍵がもらえればあんまり気にしなくて済むんだけどな.今度鍵がもらえるかどうか聞いてみよう.


今日も昨日に引き続き contact line について考えていたけど全くわからなかった.んー.本当に「解ける」問題なのだろうか.阪大にいるKさんは「Contact line が存在するような自由境界問題を解くには30年早い」って言っていたし,まだまだ未熟な私が手をつけるのは危険な気がするんだよな.Galdi 先生もいろんな人に問題を投げてるけど誰もやってくれないみたいなことを言っていたしな.


よくわからないことを考えていても埒が明かないので,帰宅後は気分転換に,考えたい問題の図の「お絵かき」をした.私が考えたい問題の図は次の通り:

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なんてことのない図だけど,描くのに1時間くらいかかった.数学が専門でない,このブログの閲覧者に問題を説明すると,ここでは「水が入っていたペットボトルを振る」問題を考えている.この問題は見かけによらず非常に難しい問題になっている.難しい点は水が「中途半端」に入っている点にある.なんでこんなに難しい問題を考えなきゃいけないんだろうな.できたらすごいんだろうけど,どんなに早くても「解く」のに2年はかかりそう.


05月31日(Day 07 / 100)

今朝は J1 ビザのオリエンテーションに参加.家を出る前に洗濯していたら遅刻しそうになった.危なかった.めんどくさいから J1 ビザのオリエンテーションサボろうかなって一瞬思ったけど,出席しないと SEVIS(アメリカのビザ情報的なもの)が有効化されないってことを思い出し,頑張って出席した.


オリエンテーションではいろいろ説明されたけどよくわからなかった.たぶん日本語で説明されてもすぐ理解できないと思う.出席して初めて知ったんだけど「24ヶ月ルール」というものがあるらしい.これは J1 ビザを保持した人が再度新しく J1 ビザを申請する場合,最低でも24ヶ月空けなければならない,というルール.ただし,私のように6ヶ月未満の短期滞在用(?)の J1 ビザには適用されないらしい.まあ知ったところで,私がアメリカで研究者として生きる可能性は極めて少ない(というかもう海外に住みたくない)ので,あまり関係ない話だろう.


そういえばオリエンテーションで,ピッツバーグプロスポーツの紹介があった.どうやらアメフトは強いらしい.野球はあんまり強くないらしく,ひどい試合もよくあるけど,観客席からの「街の景色」はすばらしいとのこと.いや,何のためにスタジアムに行くんだよって思った.まあでも昨年ロンドンに滞在したとき,大学からチェルシーのスタジアムまで近かったけど一度もサッカーの試合を見に行かなかったのでたぶん今回も行かないんだろうな.


その後は院生室に行き,contact line 上の境界条件について考えた.ただ,ほとんどの論文では contact angle を固定するか,2次元で考えるか,定常状態を考えるか,(partially) slip 境界条件を課すか,のどれかなんだよな.なんかこれ以上考えても何も生まれなさそうなので Galdi 先生に境界条件について何か知っているかどうかメールした.


今日は早めに帰宅したけど,なんか疲れていたので夕食も食べずに寝てしまった.時差ボケはだいぶ治ってきたと思ったけどまだ残っているのだろうか.


06月01日(Day 08 / 100)

気づいたら6月.今日の最高気温は27度だし,日本と同じような気候だなあって思って明日の天気予報をチェックしたら明日の最低気温は9度らしい(震え).上着を除くと半袖のシャツしかないので,明日はおとなしく家に居ようかな.そういえば今日は妹の13歳の誕生日.たしか中間試験の最中だけど,ラインの返信が秒で返ってきたのでたぶん勉強していないんだろうな.勉強していたらごめん,と先に謝っておこう.


今日は行こうと思っていた,個人経営のスーパーに行ってみたけど,野菜はほとんど売っていなかった.たぶん評判が良いのはサラミとか生ハムなのだろう.何も買わずに店を出るのは(お店が狭いということもあり)気が引けるので,人参と玉ねぎだけ買った.会計のときカードで払おうとしたら「カードが使えるのは10ドル以上の支払いのみ」って言われた.アメリカ来てカードでの支払いを断わられたのは初めてだ.現金は350ドル(3.5万円)しか持ってきていないから極力使いたくないんだよなあ.でもまあ仕方ない.


いろいろお店を調べた結果,どう考えても Giant Eagle に行くのが正解なんだけど,徒歩50分くらいなんだよなあ.自動車だったら一瞬なのに.滞在先に自転車があるから,自転車で移動するというのは一つの手なんだけど,アメリカの交通ルールよくわかんないんだよな.ロンドンほど厳しくはなさそうだけど.仕方ないから,徒歩30分のところにある Aldi に行くことにしよう.帰り道はめっちゃ上り坂だけど.


さて,今日も contact line 上における境界条件を考えていたけど,もしかしたら Dirichlet (no-slip) 境界条件の「おかげ」で contact line は動かないと考えることで導出できるかもしれない.具体的には Blake モデル(T.D. Blake, Dynamic Contact Angles and Wetting Kinetics, in: J. C. Berg (Ed.), Wettability, Marcel Dekker, 1993, pp. 251--309)から,contact line が動かないための contact angle に対する必要十分条件がわかる.もしこのアイディアが正しいとすれば,contact angle は fixed として問題を考えれば良さそう(理論的にはこれで正しいが,実際には contact angle が fixed した値の近傍であっても contact line は動かないことという実験結果がある;これを contact angle hysteresis と呼ぶらしい.まだ物理的な裏づけは出来ていないらしい(?)ので,私はこのケースには絶対に手を出さない).ところで,Young の法則の観点から contact angle が 90 度と仮定するのはおかしい気がするので,別の角度  \theta と固定して考える必要があるけど,Pukhnachov と Solounikov の有名な論文(1982)で指摘されているように,contact line 上では Dirichlet 積分,すなわちエネルギー散逸が非有界になるという singularity があるので,重みをつけたソボレフ空間を考える必要があっていろいろ面倒だなあ(これを回避するために境界条件に "slip" を考えることが多いけど,たぶん slip させると contact angle が動くようになるので,かえって境界条件が複雑になるのかもしれない).まあ,そもそも Dirichlet (no-slip) 境界条件を課せば contact line は動かないとしていいのかどうかよくわからん.てか,Galdi 先生からまだメールの返信ないし,メールの返信がきたらこのことをメールしてみよう.


と,数学ばかりでは飽きるので今日のご飯を紹介しよう.まずは昼食.

んー,写真が少し暗いなあ.なんかほぼ毎日スパゲッティを食べている気がするな.味にも少し飽きてきたので,唐辛子を少しかけた.一方で,夕食はコンソメスープとサラダ.

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見た目はしょぼいけど意外とおいしい(はず).ちなみに,夕食の写真をインスタグラムに投稿したら,アメリカのジョージア州に住んでいるイケメンの友人柿沼くんからラインが来て,スーパーでこういうものが買えるよって教えてもらった.うん,たぶん Giant Eagle に行けば買えるはずなんだよな.自転車の利用を強く勧められたし,今度ホストの人に自転車の交通ルールを聞いてみよう.自転車ならたぶん15~20分くらいで行けるはず.



今日,バージニア州バージニアビーチで銃の乱射事件があったようです.被害者の方々に哀悼の意を表します.私が滞在しているペンシルベニア州は,銃規制が割と緩めな州なので他人事じゃないなあって思います.実際に昨秋ピッツバーグでも銃乱射事件があったし(場所はカーネギーメロン大学から徒歩20分弱のところにあるシナゴグ).銃の乱射事件は頻繁に起こるものではないですが,私は「アジア系の外国人」ということもあり,自分の身に何が起こるかわからないので,休日はおとなしく大学か家で過ごそうと思います.まあ,そのおかげでブログの更新も昨年と同様に行うことができそうです.ここまでこの記事を読んでもらってもわかるように,非常に地味なことしか書いていません.なんか私の正確を表しているかのようです.もし書いてほしいことがあれば Peing で質問してください.なお,次回の更新は06月10日(日本時間)を予定しております.では.

アメリカ滞在記 Part 00。

今年の5月25日から9月2日までアメリカのペンシルベニア州ピッツバーグに派遣されることになりました.あのイギリス滞在記から5ヶ月くらいしか経っていません.一昨年のドイツ(ダルムシュタット)や昨年のイギリス(ロンドン)の場合と派遣時期が異なるのは,いろいろな事情によるものです.今回も昨年と同様に,ここに滞在記を記しておこうと思います.ただし,昨年は頑張って毎日の記録を書いていましたが,今回はそうできるかどうかはわかりません.予めご了承ください.


ピッツバーグペンシルベニア州では人口第2位の都市.第1位はフィラデルフィア.とはいえ,場所はフィラデルフィアほど東ではなく,感覚的にはニューヨークとシカゴの間くらい.緯度的にはニューヨークと同じくらいだけど,内陸部ということもあり,冬はかなり寒いらしい.日本からピッツバーグへの直行便はなく,基本的にはどこかで乗り継いで行くことになる.私はワシントンD.C.を経由してピッツバーグにきた.そういえば,ワシントンD.C.からピッツバーグに移動する機内でCAの人が隣に座っていて(私は最後方に座っていた),機内のアナウンスが終わると「オーライ!ロッケン・ロール」とか言っていたけど,全く意味がわからなかった.一方で,帰国する際はシカゴを経由して成田に行く.帰国する便が朝 8:05 発っていうのがネックなんだよなあ.3ヶ月前の私,なぜこの便にしたんだ.


ピッツバーグ大学では,Giovanni Paolo Galdi 教授(72歳)という,ナビエ・ストークス方程式を(数学的に)研究している人ならば誰もが知っているような世界的にすごい先生のもとで研究を進めます.このような大先生を訪問できたというのは完全に指導教員のコネである.この先生のもとで3ヶ月+α を過ごすのは,人生においてたぶん最初で最後になるだろう.なるべくたくさんのことを学び,吸収したいと思う.がんばろう.


さて,滞在記をいろいろ書く前に,ここまでの準備だったり,これからの移動についてまとめておこうと思う.


【J1ビザ】

今回の滞在は3ヶ月を越えるのでビザの申請が必要.私はJ1ビザという短期の交流訪問者ビザを申請した.ビザの申請には,受け入れ先の大学(今回はピッツバーグ大学)との連絡が欠かせない.準備にはかなり時間がかかるので,(遅くても)渡航する3~4ヶ月前くらいから準備をしたほうが良い.準備には下記のウェブサイトが参考になった.

masa-saito.hatenablog.com

rikejoathokkaido.hatenablog.com


どのような書類が必要とかは,将来変わると思うけど,大きくは変わらないでしょう.私の場合,滞在資金の証明として SGU の Guarantee letter(滞在にかかる費用はSGUが負担しますよみたいな書類)を準備した.語学力を証明する書類に関しては,受け入れ先の先生が私の語学力を保証する,ということで特に提出はしなかった.DS-2019 の発行にはかなり時間がかかるので,早めに動くのが吉.私は2月末から準備を始めたけど,ちょっと遅かったような気がする(間に合ったけど).DS-2019には自分のサインをしなければいけないけど,それは

www.e-usvc.com

を参照のこと.入国審査のときはパスポートとDS-2019を見せて,(本当に)簡単な質問に答えるだけで大丈夫だったくらいDS-2019は重要な書類なので,失くさないようにしなければならない.



【滞在先の確保】

昨年のロンドンのときと同様にAirbnbで滞在先を確保した.場所は大学まで徒歩15分となかなかの好立地.ちなみに,カーネギーメロン大学も徒歩でいける.


部屋は一人で過ごすには十分な広さ.そして何より机が大きい.たぶん大学の机より大きいと思う.大変ありがたい.ただし,トイレ・風呂・キッチンは共用.でも昨年と違って部屋に鍵がかけられるようになっているので良しとしよう.管理人は別のところに住んでいて,建物自体が完全にAirbnbの滞在者向けの仕様.自転車あるし,洗濯機も2台ある.そして朝ごはん(オレンジジュースとかシリアルなど)は冷蔵庫の中にあり,自由に使っても良い.非常に好物件だと思うけど,一つ文句を申し上げると冷蔵庫が滞在する人数の割には狭い.


昨日夕飯食べているときに,別の部屋の人(名前は聞き取れなかった)と挨拶したけど,その方もピッツバーグ大学を訪問するためにここに泊まっているようだ.滞在期間は6週間とのこと.たぶん他の部屋の人もそういう感じの人なのかな.


ピッツバーグまでの移動】

私が滞在しているのは,ダウンタウン地区の隣にあるオークランド地区.そこまで移動するのに,バスかタクシー,Uber という選択肢があったが,私はバスを選択した.バスの支払いは現金かよくわからないカードのみ.ロンドンみたいに visa payWave でOKだったら楽だったのに.小銭を用意するために,わざわざ自販機でお菓子を買った.バスの中に両替機があったかどうかは見ていない.


ちなみに,最初スターバックスでコーヒーを買って小銭を作ろうと思っていたけど,2.94ドルだったので,失敗した(25セントを3枚ほしかった).しかも,店員になんか聞かれて全部OKしたらめっちゃ甘いコーヒーが出てきた.どうやらシロップ入れますか?ということを聞かれたらしい.いや,普通シロップなんか入れないでしょって思ったけど,アメリカでは普通のことなのかもしれない.


到着ロビーには,1~8の出口があり,バスは6番出口.バスは狭いので,もしスーツケースのように荷物が多い場合は素直にタクシーで移動するほうがいいかも知れない(高いけど).というか,完全に車社会なので,公共交通機関で移動する人が超少数派なんだよな.バスには降車ボタンがなく,代わりに黄色の紐(?)を引っ張ることでバスが停車してくれる.ちなみに,次の停車がどこかということは表示される.



さて,昨日無事部屋に着いて気持ちよく寝ることができました(現在朝8時).時差ボケは残っていると思いますが,今日からいろいろ頑張ろうと思います.今日は大学の周辺を散策しようと思います.では.

偏微分方程式の本。

以前このブログのコメント欄で「偏微分方程式の本を紹介してほしい」という投稿がありました.今日はたまたま朝早く起きれたので,個人的な見解と偏見と体験に基づいて偏微分方程式の本の紹介をしていきたいと存じます.ただし,よくある「本のレビュー」ではなく,「知っている本を片っ端から紹介する」というスタイルで行こうと思います.本のレビューは口コミとか Amazon のレビューとかを参考にすれば十分でしょう.


さて,偏微分方程式は時間微分や空間微分からなる微分方程式で,大きく分けると次の4つの「型」に分類されるといわれます:

放物型偏微分方程式

楕円型偏微分方程式

双曲型偏微分方程式

分散型偏微分方程式


どの方程式が「偉いか」ってことはないけど,どの分野(の研究)が「流行っているか」というのはありますが,いろんな人に怒られそうなので,ここでの言及は控えたいと思います.それぞれの方程式の特徴は各本にゆだねるとして,ここでは,それぞれ書かれた本のうち,有名またはおすすめできるものを紹介することにします.特に,分野を問わず,全般的に書かれた本を紹介しようと思います.ただし,④分散型偏微分方程式は近年に研究が盛んになってきた方程式ということもあり,下記に挙げる本には載っていない場合が多いです.私はこの方程式に詳しくないのでここでは,①-③の方程式を扱った本を挙げておこうと思います.


まず,いわゆる「初学者」にお薦めしたいのは金子先生の本である.

偏微分方程式入門 (基礎数学)

偏微分方程式入門 (基礎数学)


この本は放物型,楕円型,双曲型の方程式について満遍なく載っている.また物理例も多いのでいろいろイメージしやすいかと思う.自分が4年生のときにちゃんと読んでいればよかったなあって思う本.細かいところの説明は他の本にゆだねている感じで,「広く浅く」学ぶのに適しているような気がする.いわゆるスタンダードな教科書だと思う.ただ,かなり難しいこともさらっと書いてあったりするので,わからないところがあったとしても病む必要はない.


昔ではスタンダードな教科書で最近復刊になった本として,溝畑先生の本が挙げられる.

偏微分方程式論

偏微分方程式論


エネルギー法がわかりやく説明されているという噂を聞いたことがあるけど,私はわからなかった.というか自分にとっては未だにわかりにくい本.最近の研究成果が反映されていないこともあり,正直お薦めはしない.エネルギー法を勉強するならば,松村先生と西原先生の本が良いと思う.

非線形微分方程式の大域解 --- 圧縮性粘性流の数学解析

非線形微分方程式の大域解 --- 圧縮性粘性流の数学解析


この本は「とりあえずエネルギー法」とは何か?ということにコミットした本で,自分がエネルギー法を理解しようとしたときに役立った.本来ならば軟化子を用いて計算を正当化しなければならないところがあるが,そういった点を(一旦)無視して話を進めていこう,というスタンスを取っている.個人的にはこういうスタイルは好きなので(なんとなく)読み進めるのは楽しかったが,厳密に読んでいきたい人には合わない本だと思う.軟化子を用いる議論は極めてスタンダードだし,なぜ滑らかになるのかということも(この本に限らず)ちゃんと書いてあるんだけど,個人的には「軟化子をフーリエ変換すると低周波と高周波の部分が切り落とされるからベルンシュタインの不等式から軟化子は滑らか」という説明の方がわかりやすい思う.


さて,話が少し逸れてしまった.他にスタンダードな教科書として Evans 先生の本をお薦めする.

Partial Differential Equations (Graduate Studies in Mathematics)

Partial Differential Equations (Graduate Studies in Mathematics)


通称「Evans」.関数解析の Brezis 先生の本に並んで,著者名があたかもタイトルのように聞こえるのはすごいと思う.この本は学部4年生のゼミの輪読で用いられることが多いと思う.いま読んでみると確かにいろいろよくまとまっているけど,まとまりすぎているので,初学者が勉強するのには向かないと思う.個人的には「復習用」の本だと思う.あまり知られていないけど,この Evans 先生の本よりもそこそこわかりやすく書かれた本として

Distributions, Partial Differential Equations, and Harmonic Analysis (Universitext)

Distributions, Partial Differential Equations, and Harmonic Analysis (Universitext)

を挙げる.この先生が基本解信者なせいかもしれないけど,やたらと基本解の説明が多い.基本解を理解したいだけだったらこの本でいいと思うけど,「勉強」となるとちょっとバランスが悪いと思う.本の「バランス」を考えるならば Evans 先生の本が一番いいのかなあ.Mitrea 先生よりもバランスが取れていて,いろいろ専門的なことまで踏みこんだ本として田辺先生の本がある.

Functional Analytic Methods for Partial Differential Equations (English Edition)

Functional Analytic Methods for Partial Differential Equations (English Edition)


個人的には参考になる本だけど,明らかに初学者向きではない.いろいろ参考になるけど,明らかに初学者向きでない本として Taylor 先生の本を挙げる.

Partial Differential Equations I: Basic Theory (Applied Mathematical Sciences)

Partial Differential Equations I: Basic Theory (Applied Mathematical Sciences)

Partial Differential Equations II: Qualitative Studies of Linear Equations (Applied Mathematical Sciences)

Partial Differential Equations II: Qualitative Studies of Linear Equations (Applied Mathematical Sciences)

これらの本はいろいろ書いてありすぎて困る.辞書代わりに用いるのがいいと思う.また,最近優秀な後輩に教えてもらった和書で

楕円型・放物型偏微分方程式 (岩波オンデマンドブックス)

楕円型・放物型偏微分方程式 (岩波オンデマンドブックス)

がある.この本もいろいろ書いてあってとても参考になりそうな本だけど,明らかに初学者向きではない.初学者向きでない本ばかり挙げていると怒られそうなので,初学者の私が個人的に役立った本を列挙しておこう.

偏微分方程式論―基礎から展開へ (数学レクチャーノート 基礎編)

偏微分方程式論―基礎から展開へ (数学レクチャーノート 基礎編)

ベクトル解析から流体へ

ベクトル解析から流体へ

ちなみに,私が4年生のときは最後の垣田先生と柴田先生の本の3章と4章をまじめに読んだ.でも,いま振り返ってみればほかの本も一生懸命勉強しても良かったかもしれない.


ところで,大学の講義の単位をとりたいだけならば岩下先生の本を勉強するといいと思う.

工科のための偏微分方程式 (工科のための数理)

工科のための偏微分方程式 (工科のための数理)

この本は基本的なことがしっかり書いてあるので初学者にはおすすめだけど,ちょっと物足りなさはあるかもしれない.



近年の偏微分方程式の(大きな)研究傾向として,①新しい数理モデルの提唱,②調和解析・実解析の駆使,③微分幾何によるアプローチ,④ノイズを入れて Randomness を考慮する,⑤数値シミュレーションの結果を数学的に証明する......などが挙げられます.偏微分方程式を専攻したい人は,偏微分方程式の本だけでなく,分野を問わずいろいろ勉強するのがいいのかなと思います.少なくとも,微分幾何(リーマン幾何)は用いられることが多いです.コメント欄で「偏微分方程式の本を紹介してほしい」って言ってきた人(4年生)がどういうつもりで質問したかはわかりませんがこの記事が少しでも役に立ったらいいなあと思います.でも今日は天気がいいので部屋で勉強するよりもピクニックにでも行ったほうが気持ちいいと思いますよ!では.

研究進捗2019/04/25

このブログは私が思っていたよりもいろんな人に読まれているようです.今後は,読まれても恥ずかしくないようにもうちょっとまじめに書いていこうと思います.


<これまでの進捗>

・去年の春投稿していたLocal theoryの論文がリジェクトされた.まあダメもとで投稿していたので仕方ない.もう少し丁寧に書いた後に別のジャーナルに投稿しよう.

コリオリ力を伴う圧縮性ナビエ・ストークス方程式の線型化問題の解の低周波部分のストリッカーツ型の時空評価の導出に成功した.解の減衰評価を導出しようと思っていた時期もあったが,初期速度場の大きさを制限せずに時間大域解を構成したいので,解の減衰評価は必要なさそうである.重要な点は,解の時空評価が,コリオリパラメータに依存しないような定数を用いて書くことができる点にある.中周波部分および高周波部分については, TT^*-argument を用いることなく,直接計算することで導出できそうである.これはまだ計算中である.特筆すべき点は,compressible Euler の場合と異なり,解の時空評価が  L^p_t L^\infty_x with  1 \le p \le \infty ノルムで得られる点にある.すなわち, p < 2 の場合も許容する点にある.これは流体の粘性に起因するものであり,これによって時間大域解の構成が可能になると思われる.実際に,compressible Euler の場合は,粘性がないために, p \ge 2 の場合しか時空評価が得らない.そのために,回転速度を  \Omega \to \infty とすると解の lifespan は  T \to \infty となるものの,時間大域解の構成は不可能であった.本研究は,粘性を加えれば時間大域解の構成が可能であることを目指すものである.先月までは,何の結果も得られずとても困っていたが,解決の糸口が見えてきた(気がする).

・指導教員から Q-tensor モデルの研究を一瞬勧められたが,その後何も言われなかったので放置した.

・全空間における圧縮性ナビエ・ストークス方程式の結果をまとめ,ホームページに載せた.また,昔(Google)翻訳した Solonnikov-Shchadilov の有名な論文も公開した.電通大の伊藤先生が最近これと関連した論文を書いたという噂を聞いたが,詳細は知らない.ちなみに,ホームページで公開しているレクチャーノートは誤植がところどころあるのでご注意ください.

・外部リプシッツ領域におけるナビエ・ストークス方程式の mild solution をスケール不変な関数空間  L^\infty_t L^3_x で構成した.すなわち,時間局所解および小さい初期値に対する時間大域解の一意存在を証明した.ただし,Bogovskii lemma に関して解決すべき点が若干あるので,現在いくつかのギャップについて考察中である.なお,これはフランスの Patrick Tolksdorf さんとの共同研究である.私だけじゃこんなに考えることはできない.

・解決すべき点は,具体的には,外部領域で方程式の解を構成において全空間と有界領域の結果を切り落とし関数を用いてつなぎ合わせた際に用いる Bogovskii 作用素で,Geissert et al. では切り落とし関数を2つ用いて解を構成しているが, B_2 ((\nabla \eta) f) = 0 on  K_1 という主張にギャップがある.これを解決すべくいろいろ考えているが,切り落とし関数を2つではなく1つにすれば解決できそうである.

・優秀な同期のT君が今年の夏に学位を取得するみたいで,先生から君も頑張ろうみたいな煽りを受けてしまった.頑張って論文を書かねば......

・来月末からアメリカに派遣されることになったのでビザの手続きをした.ビザの申請はおりたのでたぶん大丈夫なはずだけど,大学のオンラインシステム上でもいろいろ手続きが必要みたいだ.これはさっき知ってかなり焦っている(一応手続きは申請したが,まだ受理はされていない).

・ダウンロードしたPDFファイル(論文)を整理した.今後は毎週整理するようにしよう.


<今後の目標>

・適切なジャーナルに論文を投稿する.

コリオリ力を伴う圧縮性ナビエ・ストークス方程式の時間大域解を,初期速度場の大きさを制限せずに構成する.

・Solonnikov 先生の,表面張力のない,圧縮・非圧縮2相流の自由境界問題の時間大域解に関する論文を読み,密度関数の可微分性の損失をどのように解決したのかを理解する.

アメリカに行った後に精神を病まないようにする.


今年度より,正式に,日本学術振興会の特別研究員(DC2)に採用されました(先程学振のホームページで確認した).今後も頑張ります.いろいろ間違っていても,温かい目で見守っていただければ幸いです.

研究進捗2019/02/27

いままで気まぐれに研究の進捗を書いていましたが,今後は偶数月の月末に更新しようと思います.


<これまでの進捗>

・Global の論文がリジェクトされた.理由は少々納得のいかないものだったけど,反論するのも面倒なのでそのまま.現在書き直しているけど,Local の論文はまだ査読中なので,そんなに焦る必要はないと思う.

・外部リプシッツ領域におけるストークス方程式の研究・・・・・・進捗無し.というより手をつけてない.そろそろやらないと.

コリオリ力を伴う圧縮性ナビエ・ストークス方程式を研究してみたけど,ちょっと難しすぎて無理そうな気がしてきた.そもそも特性根が漸近展開された形でしかわからないし,回転速度  \Omega と密度を  \varrho = \rho_* + \alpha \rho と表したときのパラメータ  \alpha の両方に(あまり)依存しないような評価を作らないといけない点が難しい.そして何より,特性根の微分が求められないから,フーリエ・マルチプライヤー定理を使うことができないので,半群の decay を調べようがない.ただし,幸い(?)特性根の実部は真に負であることは証明できた.上田先生(神大)や川島先生(早大)らが構築しようとしている一般論が完成されれば,半群の減衰評価を出すことはできると期待される.要約すると,「今はまだ解析できない」ってことですかね.研究課題のチョイスを間違えた感が否めない.空間2次元における熱伝導のある圧縮性ナビエ・ストークス方程式の時間大域適切性が open problem らしいことも考えると,取り組んでみようと思った問題は正直「だめ」な気がする......んー,3~4ヶ月くらい取り組んでみて進捗がほぼ0だしなあ.

・ということで,指導教員に相談したら,「難しいし,よくわからない」といわれてしまった.一つ別の方法を(一応)提示されたけど,なんかあまり良い方法ではない気がするんだよなあ.結局特性根の exact な表現は得られないし.

・(取り組んでみた問題が難しいので)指導教員から昨日別の研究課題を提示され,論文が送られてきた.まだ読んでない.

・論文をいろいろ読んだ.勉強したことはまだまとめられていないのでまとめないと.

・来年の6月~8月,アメリカのピッツバーグ大学に派遣されることになった.偉い先生のもとで指導を受ける予定.


<今後の研究目標>

・論文を投稿する.

・共同研究を進める.

・指導教員から送られてきた論文を読んでみる.

・重力付きの圧縮性ナビエ・ストークス方程式の研究を考えてみる.この場合はコリオリの場合と異なり,定数に気を使う必要はそれほどないのでさくさく計算が進むと思う.でもあんまり「良い」問題ではない気がする......



帰国して早いもので3ヶ月くらい経ちました.順調にリバウンドが進んでいますが,今後は飲み過ぎ食べすぎには気をつけようと思います.では.