べっく日記

偏微分方程式を研究してるセミプロ研究者の日常

イギリス滞在記 part 10。

このイギリス滞在記も早いもので part 10 になりました.最終回(?)の part 14 まで残り4回となりました.早いものだなあって思うのと同時に,あと1ヶ月で帰国かあとも思ったりします.イギリスには3ヶ月ちょっとしか滞在しないのに,残り1ヶ月が「とても短く」感じるのはなんか不思議です.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

11月11日(Day 64 / 98)

昨日悩んでいたことについて,朝,九大のお友達(と私が思っている人)に連絡して,スペクトル解析について質問した.ちょっと教えてもらったけど,さすがに本を参照しないとわかった気にはならないなあ.参考になる本を紹介してもらったので,帰国したら買おう.


朝のんびりした後は,ATPファイナルを見に行った.先週,ツアーファイナルって言ってたけど,名前が変わったみたい.正しくはATPファイナル.今日はせっかくの休日だし,たまには大学に行かなくてもいいよね.試合は基本的に昼・夜の2部構成だけど,昼のチケットしか取れなかった.今日の夜は錦織・フェデラーの試合ということもあり,日本人がめっちゃいた.


今日の席はE列.つまり,前から5列目.ATPツアーの試合を見るのは2015年の上海オープン以来.あのときは席がめっちゃ遠かっただけに,今回の席はめっちゃ近く感じた.


ダブルス・シングルス1試合ずつでチケット1枚80ポンド(12000円)くらいだったけど,はっきり言って安いほうだと思う.前日に買えたのは本当にラッキーだった.


私が見た試合はソアレス / マリー vs ヴィーナス / クラーセンとアンダーソン vs ティーム.どちらの試合も接線で大変見ごたえがあった.そういえばダブルスのルールが変更になっていたのは知らなかった.ノーアドかつスーパータイブレークになっていた.やはり,試合時間を短くしようって感じなのかな.マリーの圧倒的ホーム感とアンダーソンのサーブがやばかった.隣の隣にいた赤ちゃん(推定:1~2歳)がラリー中にぐずり出したのはびっくりしたというか,プロの(しかも)テニスの試合に赤ちゃんを連れてくる夫婦がいたことにびっくりした.いや,まあいいとは思うんだけど,ちょっとでもぐずりだしたら外に出てほしかった.ラリー中は静かにしなきゃいけないわけだし.それでも集中していた選手はやはりプロなんだなって思った.


久々にテニスの試合を生で見たこともあり,興奮が止まらなかった.よって,帰宅後は金曜日の夜のチケットを購入した.なんの試合かはわからないけど,次も前から5列目.いやー楽しみだ.


11月12日(Day 65 / 98)

午前は興味をもっている方程式をどう解析するか,つまり作戦をいろいろ考えていた.だんだん方針が具体的になってきた気がする.とりあえず,いきなりベゾフ空間で考えることは出来ないことがわかった.


午後はPDEの講義.今日はハミルトン原理やリー微分の説明とオイラー方程式の導出など.いやーPDEの講義っていうより解析力学の講義だよなあ.正直興味がわかない.勉強したほうがいいんだろうけど,んー,残念ながら興味がわかない.今日も赤のマーカーでホワイトボードにいろいろ書いていたけど,目が疲れるからやめてほしいなあって思った.


そして引き続き力学系(仮)の講義.これは 11月02日 で講義できなかった分の補講.今日は珍しく(?)関数解析の内容だった.ほぼ知っている内容だった.残念.


帰宅後は興味をもっている方程式に関連する論文を読んでいた.よくよく考えたら先行研究と似た結果しかでなそうだなあ.問題としては面白いだけになんかもったいない気がする.


11月13日(Day 66 / 98)

寝落ちして0時に目が覚め,ささっとシャワー浴びたら寝るかあって思っていたけど,なかなか寝れなかった.研究のこととかを考えていれば自然と眠くなるだろうとか思っていたけど,かえって目が覚めてしまった.結局6時まで寝れなかった.でも,幸い(?)2時間だけ頑張って寝ることができた.寝落ちしたたぶんも合わせて5時間くらい寝ているし,たぶん生活に支障は出ないだろう.


午前は確率・統計の講義.今日もよくわからず.たぶん条件付き期待値について扱っていたと思う.


午後はずっと研究,というより興味をもっている方程式の解析を行っていた.先週まで解表示が~って嘆いていたけど,いろいろ勘違いしていることがわかった.無事にきれいな形に直すことができた.単に昨日までの私は賢くなかっただけだなあ.行列のサイズと特性根(っぽいやつ)の数が合わないのはなぜだ?とか思っていたけど,それも解決.さらに特性根の漸近展開もちゃんと求まった.完璧だ.


これまで,半群で減衰評価ばかり考えていて,そもそも時間局所解の存在はどうすればいいんだろうとか思っていたけど,よい「からくり」を見つけたので,K先生の論文を参考に,というより真似ればすぐ証明できることがわかった.さらに小さい初期値に対する時間大域解の存在もすぐ示せる.あとは初期値に仮定を加えてK先生(阪大)とS先生(W大)の論文を参考に,半群のLp-Lq評価を導出できればそこそこ良い減衰レートを求められる.学会の申し込み期限には間に合わなさそうだけど,帰国までには結果が出そろいそうだな.でもこれはあくまでも序盤戦に過ぎないし,この先の研究は修士の後輩に投げてもいいかもしれない(?).まあ,自分でやれって言われそうだけど.


さて,すばらしい結果が出たので,今日はピザを食べにきた.ここにくるのは先週以来.前回の反省を生かし,今日はマルゲリータを注文.


このお店,ちゃんと釜で焼いてくれるし,それで1000円ちょいってロンドンにしては安いなあって思う.


手持ちの現金が少なくなってきたので,カードで支払った.帰り道,レシートをよく見るとサービス料は入っていなそうだった.あれ?これってもしかしてチップを払うお店だったのかなとか思ったけど,どうなんだろう.キャッシュレス社会ロンドンにおいてチップは現金で払うものなのかな?よくわからない.今度ググってみよう.


帰り道,ふと本屋に立ち寄ってみた.本当は英語の勉強の本でも買ってみようかなって思ったけど,いいのがなかった.それで,なぜかは忘れたけど,就活(?)の面接の対策本が目に留まった.日本で売っているものと違って,白黒印刷で絵が少なめ.意外といろいろ書いてあるなあって思ったので購入.特に,英国では必ずしも新卒採用ではないので,私にとってはぴったり.ついでにその近くにおいてあった自己啓発本も面白そうだったので購入.


もちろん,英語で書いてあるけど,全く読めないわけではないから,帰国したらこの翻訳版でも作ってみようかな.英語の勉強にもなりそう.ちなみに,興味本位でAmazonのレビュー見たら星4つくらいだった.意外と当たりだったみたい.いい進捗も得たし,今日はラッキーな一日であった.


11月14日(Day 67 / 98)

今日は先週に引き続きレディングに行く日.今日も早めに家を出た.そのおかげもあり,レディングに早く着いたので,カフェでパンとコーヒーをいただいた.優雅な朝だ.気づいてみれば,レディングに来るのも今日を入れてあと2回か.なかなか寂しいものだな.


朝メールをチェックしたらいろいろスケジュールが変更になっていた.今日のセミナーの講演者はドタキャンだし(これは昨日連絡がきた),力学系(仮)のチュートリアルやるTAも都合が悪くなって代わりにPDEのチュートリアルをやることになった.はっきり言ってセミナーないならわざわざレディング行く意味ないじゃんって思ったけど,メールには「セミナーはなくなったけどチュートリアルはあるのでインペリアルのみなさんはレディングに来ること」ってちゃんと書いてあった.


さて,今朝開催されることが決まったPDEのチュートリアルでは,先生が「各自やりたいことをやってください」って言っていたので,みんなPDEの課題や数値解析の課題に取り組んでいた.この1週間,数値解析の課題に全く手をつけていなかったけど,さすがにやらないとな.来週提出だし.とか思いながらも,私はブログを書いたり論文を読んだりしていた.途中,先生が Gagliardo-Nirenberg の不等式を紹介していたけど,ちょっと間違っている気がした.まあ先生がちゃんと説明しようとしていなかったというか,こんな感じの不等式を使って考えるといいよ(詳しいことは各自調べてね)って感じだったのでツッコミを入れようとは思わなかった.そういえば Gagliardo-Nirenberg の不等式って割と使われることの多い不等式なのにちゃんとならったことはない気がするな.


講演がドタキャンになって空いた時間は,力学系(仮)のチュートリアル.今日は伊藤の公式について扱った.とてもわかりやすい説明で,なぜ確率微分方程式には「微分」が現れないのかっていう感じの説明があった.確率微分方程式についてこれまでに全く関心がなかったけど,ちょっとだけ興味がわいてきた気がする.確か京大のT先生が外力項にノイズを加えたシュレディンガー方程式を考えると正則性の問題を解決できることがあるっていうことを研究していたような気がする(というよりはそういうスライドを見たことがある).これまでに(ホワイト)ノイズについて全くの無知だったけど,帰国したらちょっと勉強してみようかな.


さて,今日のお昼ご飯は先週と同様,学食.今日は先週と違って7ポンド分の食券をもらったので,何かおいしいもの食べられたらなあってわくわくしていたけど,たいしたものがなかった.今日はマカロニを食べたけど正直味は微妙だった.個人的にはボロネーゼとかカルボナーラとかを食べたいとか思ったけど仕方ない.いま思うと去年と今年の5月に行ったダルムシュタット工科大の学食の方がよかったなあって感じ.はあ.おいしいものが食べたい.


午後は数値解析のチュートリアル.悩んでいた数値実験だけど,クーラン数を変化させたときの誤差の変化を考えることにした.たぶん,安定なところと不安定なところで誤差が大きく異なる気がするから,レポートを各分には問題ないはず.で,実際にコードを書いてみたけど,なぞのエラーばかり.先生に質問していろいろ教えてもらったけど,よくわからなかった.とりあえず,「意味」が同じコードでも,コンピュータが苦手作業は上手くいかないことがあるらしい.へぇえって感じ.先生の助けもあり,無事(?)コードが完成.あとはレポート書くだけかな.


11月15日(Day 68 / 98)

午前は数値課題のコードを直していた.というよりはグラフを出せるようにいろいろ格闘していた.グラフは出るようになったけど,なんか期待していた結果が出なかった......ひょっとしてCIP法ってクーラン数が変わると安定じゃなくなるのかな.んー,どうしよう.


午後は数値解析の講義.講義で使われているスライドを手に入れようと思ってウェブサイトにアクセスしたら,アクセス許可がないとダメですって表示された......この前はふつうに入手できたのに......さて,どうやって入手すればいいんだろうって格闘している間に講義がどんどん進んでしまった.いやー,先生が何を言っているのか,というよりはどんなことを説明しようとしているのか,全くわからないって感じ.今日も(?)誤差評価の話だったけど,そもそもどんなスキームを使っているのかという話を聞き逃してしまった.とりあえず,チェビシェフの多項式を使うってことだけはわかった.でも,チェビシェフの多項式はこんな漸化式で定義されて,グラフはこうなるよ!ってだけの説明だけだった.個人的には三角関数のN倍角の公式と関連があるから少し触れたほうがいいんじゃないかなあって思った.実際に,値はこの範囲でなんとかかんとかって言っていたわけだし.


さて,講義が終わった後,昨日に引き続き研究をやろうと思ったら,根本的に勘違いしている箇所を見つけてしまった.いやー,この2週間くらいの計算がパーになってしまった.かなしい.でも,この2週間でいろいろな文献を「知る」ことはできたから,今度ちゃんとまとめておこう.やっぱりU先生の手法を使うしかないかもしれない.難しそうだけど.


計算が間違っていて萎えたので久々にジムに行くことにした.定期的(?)に運動することはストレスを解消する(はず)なので大事だと思う.まず始めに体重を量ってみたら前回と変わらず......なんでや......今週はピザ食べたし,昨日の夜はTescoで買ったドーナツ2個食べたしなんで?って感じ.食事の量が足りないのだろうか.今日はなぜか空いていた.なんでだろう.


そういえば指導教員から久々にメールがきた.来年チェコで数学のスクールがあるから参加することを勧めますとのこと.まあ言葉通り解釈するならば「行け」ってことだよね.でも,どうやら参加者には(最大で)10分のショートトークする機会が与えられるみたい.申し込み締め切りが来年の3月だから,それまでに何かいい結果が出せるよう頑張ろう.メールの返信のついでに「計算間違ってました.でも,こんなことは示せるかもしれません」って報告したら,「〇〇の問題はおもしろいと思います.頑張ってください」って返信がきた.相変わらず返信が早い.また2分以内にきた.S先生よりもメールの返信が早い人はみたことない気がするな.私もなるべくメールの返信は早くするようにしているけど,それでも5分とかが限界な気がする.


また夜は久々にホームページを更新した.たまに,まめだねって言われるけど,スケジュールは書いておかないと忘れるし,業績欄は何か応募するときコピペするだけで済むし,レクチャーノートも外出先で気軽に見返せるようにするためってだけなんだよな.そういえば昔先輩に作るのは簡単なのかって聞かれたけど,Google site は簡単なのでおすすめ.感覚的には word で作業するのと変わらない.何より面倒なサーバーとかCSSとか気にせずさくさく作ることができるし.数年単位で異動するような場合,大学のサーバーを借りると異動した際,ホームページを移行するのは面倒だけど,Google site はそんな心配が必要ない.そして何より広告が表示されない(これが一番ありがたい).さあ,みんなホームページを作ろう(?).ちなみに,github だともう少し凝ったサイトを作成できるみたい(最近知った)だけど,残念ながら私にはちょっと難しいかなって感じ.


11月16日(Day 69 / 98)

今日も目覚ましをかけることなく起床.部屋が暗かったので,また変な時間に起きてしまったのかなって思ったけど,7時半だった.日の出の時間を調べたら7時20分らしい.そういえば今日は割りとぐっすり寝れた気がする.寝る前に赤ワイン飲んだからかな.お酒に頼って寝るのはよくない気がするけど,ちゃんと寝ることができたからよしとしよう.


午前は力学系(仮)の講義.今日は前々日の続き.前回の復習をしつつ,確率微分方程式についての解説があった.やっぱりね,講義は復習から入らないとよくわからないのよね.そう考えると弊大学のK先生の講義はとても理にかなっているんだよな.字は小さいけど.


午後は,昨日失敗が発覚した方程式の解析のやり直しをしていた.どうも無理っぽいってことだけわかった.いやー,特性根(平たく言うと固有値)すら求められないのはちょっと厳しいなあ.特性根が求められないと何もできないよなあ.数週間前に先輩に質問した根の漸近展開の方法も機能しないし,ちょっと手詰まり.んー,これ以上こだわるのは危険だな.明日以降は単純に時間局所解の構成をまず頑張ろう.


夜は,テニスの試合を見た.前回同様,前から5列目.いやー,すごかった.やっぱプロってすごいんですね.ただね,一部の観客のマナーが悪すぎ.スマホの使い方がわからないせいか,プレー中にフラッシュ点けて動画撮影しているし,サーバーがトスをつき始めているのに発声するし,ファーストサーブとセカンドサーブの間にも発声するし......って感じでちょっと残念だった.フラッシュについてはチリッチ選手は2回も審判に抗議していたしね.あと,(いいショットとかで)プレー中に声が漏れるのは仕方ないかもしれないけど,そんなにリアクション必要?みたいなこともあったし......そういう人はテレビで見ろよって思ってしまった.これまでにプロのテニスの試合は何回か見たことあるけど,一番マナーが良かったのは,一番レベルの低い(というよりは獲得ポイントが少ない)早稲田のフューチャーズかな.そういえばテニスの授業でTAだった人,いま何しているんだろうな.


11月17日(Day 70 / 98)

今日はぐっすり寝ることができた.午前中はだらだら論文を読んで,わかったこととかをLaTeXでまとめていた.もっと賢ければこんなに研究で右往左往しなくて済むのになっていつも思う.いま考えると論文たくさん書いている人たちは賢いからこういう「迷い」がないんだろうな.うらやましい.


ところで,数日前から友人がロンドンに旅行に来ているけど,Twitterを見る限り,「明らかに」私よりも楽しんでいるみたいだ.私も残り1ヶ月だけの滞在だし,(旅行で来ているわけではないけど)もうちょっと滞在をエンジョイしてもいいのかなって思った.ということで,今日は最寄の駅の近くにあるパブに初めて来てみた.そしてトラディショナル・ブレックファストをブランチとしていただいた.


まずね,焼きたてのパンに感動した.日本で食べて以来2ヵ月半ぶりのトースト.そして目玉焼き.卵もたぶん2ヶ月ぶり(サンドイッチで一度だけ食べた気がする).さらにソーセージ.これも1ヶ月ぶりくらい.なんかこう考えると普段何を食べていたんだろうって悲しくなってしまった.ここ数週間はスパゲッティーコンソメスープ,時々ピザ.って感じのご飯だったな.意図せずベジタリアンな生活を送っている気がする.


値段は3.5ポンド(500円)くらいと(ロンドンにおいては)大変リーズナブル.ほかのメニューも安かったし,私はこの2ヶ月いったい何をしていたんだろうって感じ.ちなみに,注文のしかたがわからなくてググったのは内緒.


そういえば,後輩(男)から最近飲みに誘われることが多くなってきた気がする.ひょっとしてこれがモテ期なのかって思ったけど,単純に忘年会シーズンだからかな.それでも誘われるのはうれしいものです.みなさん是非誘ってください.


その後は大学に行った.今日は,本当に特性根を求められないのか考えて見たけど,「これ無理じゃない?」って思って試しに Wolfram で計算してみたら,特性多項式が既約多項式であることが判明.はい,これは無理ですねって感じ.4次方程式だから解の公式は存在するけど,この場合は「使い物」にならないな.困ったなあって思ったけど,そもそもこんなに厄介なことを引き起こしている項は上手く分解できないのかなって思ってググって見たらそれらしいことが載っている本が存在することがわかった.じゃ,図書館で借りようって思ったけど,誰かが借りているため閲覧できず.んー.ここの大学の図書館,本がただ多いだけで,研究に必要な本の案外少ないんだよな.ここの大学のアカウントでアクセスできる本・論文も弊大学よりも明らかに少ないし,ここの学生や先生は困らないのかなって感じ.


いろいろ粘っていたら日が暮れてしまった.昼行ったパブ,安かったし行ってみよって思ったので,行ってみた.店内は混み合っていたものの,席を確保することができた.今日はハンバーガーとビールのセットを頼んでみた.


1pintのビールがついて,これで6ポンドってのが驚き.バーガーキングのセットより安いっていうか日本でも安いと思う.私はこの2ヶ月いったい何をしていたんだろうって感じ(数時間ぶり2度目).そういえば今日2ヶ月ぶりくらいにビール飲んだ.やっぱおいしいなあって感じだった.今後も積極的に来よう.



さて,みなさんお気づきでしょうか.最近私がお金について言及していることが増えてきたことに.そう,手持ちの現金がほとんどないのです.さっき数えてみたら残り30ポンドもありませんでした.まあ,もともと両替した額がそれほど多くなかったという説はありますが.ネット銀行の口座があるので現金がなかったら下ろせばいいんですが,現金社会の日本で生活してきたせいか,現金がこれほど少ないとちょっと不安になります.とはいえ,滞在期間も残り1ヶ月を切ったので,今後はあまり金銭面をそれほど気にせず,生活できたらいいなと思います.ちなみに,最近「いつ帰国するんですか」という質問が増えてきました.日数のカウントからわかるように,12月16日に帰国します(15日出国).さて,お時間がやってまいりました.次回の更新は11月25日を予定しております.では.

イギリス滞在記 part 9。

11月も中盤に指しかって来ました.でも,今週は先週よりも暖かったような気がします.来週からATPツアーファイナルが行われるってことで,「熱い」松岡修造さんがロンドンに来たのでしょうか.でも,どうやらフィギアスケートの取材に行っていたような感じですね.何でも松岡修造さんのせいにするのはよろしくないなって思いました.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

11月04日(Day 57 / 98)

日曜日は大学行くのはやめようと何週間前に言ってた気がするけど今日も来てしまった.今日は早く目が覚めて7時半に大学来たけど,いつもロックを解除できるドアをロックすることができなかった.意味がわからん.結局8時にロックを解除できた.んー,8時前には大学来るなってことなのかな.それならどこかに書いておいてほしいと思った.


今日はめっちゃ研究しようとか思っていたけど,思ったよりも進まなかった.進捗といえば,計算を省略していたところをちゃんと書いて,成分ごとの表示を行列を用いて書いただけだろうか.やっぱり「きれいに」表示するにはもうちょっと努力が必要みたいだ.そういえばリース変換が斉次ソボレフ空間有界作用素になるというのがよくわからなかった.いや,L^2で有界だからカルデロン・ジグムントの理論からL^pで有界になるというのは知っているんだけど,ソボレフ空間有界になったっけ?という感じで,いろいろな文献を漁ったけど,よくわからなかった.


また,先輩からメールの返信があり,行列式の根の漸近展開は「一般論」を用いて係数比較すればできると言われた.正直「一般論」を知らなかったので,ちゃんと自分で調べたほうが良さそう.代数関数と関連があるみたいだ.学部生のときもう少しまじめに代数と複素関数勉強しておけばよかったなあ.


今日も本を借りに図書館に行ったけど,めっちゃ人がいた.みんなすごいな.勉強熱心ですごいと思う.弊大学とは雰囲気が全然違うなって思った.


さて,今日は何かおいしいものが食べたいと思ったので,以前気になっていたピザ屋さんにやってきた.

一応メニュにはトマト・ガーリック・オレガノが入っていますって書いてあったけど,ほぼトマトじゃね?って感じだった.まあ,初めてということもあり,安いやつを頼んだから仕方ないのかな.味はおいしかった.一人客は私だけだったけど,また近いうちに来よう.今度はマルゲリータを食べよう.


11月05日(Day 58 / 98)

今日から基礎講義の担当はImperialの先生.やっとカメラ越しでない講義を受けられる.カメラ越しだと講義を受講している感じがしないしね.


午前中は数値解析の講義.数値解析の「講義を聞く」のは初めてだな.今日は浅水波方程式のトイモデルについて扱った.具体的にはフルード数の導入,"semi-implicit" な差分法の説明など.いろいろと勉強になった.ただ,実際にコードを自力で書くのは難しそうだなあと思った.


1時間の昼食休憩をはさんだ後はPDEの講義.今日はラグランジュ微分やハミルトン原理について.正直何を言っているのかわからなかったし,何より板書が読めなかった.赤字だし,薄いし,小さいし......というか,PDEというより解析力学の講義だな.周りの学生もちんぷんかんぷんみたいな感じだった.わからないというか,いろんな定義をすっ飛ばしてさらさらーっと説明するだけだから全然理解できない.リー微分とか双対写像とか接空間とかみんなわかるはずがなくない?って感じだった.ちょくちょく先生が「こういうのが成り立つのは驚きじゃない!?」みたいなことを言っていたけど,こっちは先生が何を言っているのかわからなくて驚きだわって感じだった.


講義の目的はPDEを「解く」というよりも「導出する」ことにあるみたいだった.正直,そんなに興味ないんだけどなあ.てか,残り4回(8時間)の講義でそんなに説明できるの?って感じ.私は正直完璧に理解する必要は必ずしもないけど,ほかの正規のプログラム生は1月に試験あるから,ちゃんと勉強しなきゃいけないのは正直気の毒に思った.


さて,講義の後は共同研究者からのメールに返信した.F-M-Mの論文も確かにちゃんと読んだほうがいいかもねってことになった.論文読まなきゃ.てか研究しなきゃ.


そういえば論文といえば,昨日悩んでたことが誰かの論文で「フーリエ解析の知識から導出できる」って書いてあったけど,そんなに自明なのかな.私は何かを勘違いしているような気がする......もうちょっと考えてみよう.


さて,数値解析のレポート書かなきゃ,ドラフトの締切は今週の水曜日だし.と思っていたら,ドラフトはMax2ページで,何を書くのかを箇条書きで書いてねっていう指示を完全に見落としていた.先週末の努力はいずこに......とりあえずささっとドラフトを書いた.


11月06日(Day 59 / 98)

午前中は確率・統計の講義.さすがにもうわからなくなってきたな.フィッシャー情報量や尤度などについて扱った.たぶん学部3年で習うような内容なんだろうけど,全然わからない.さすがに勉強しないとわからないな.週末にでも復習しよう.


午後は,リース変換の有界性を考えていたけどよくわからず.P先生とS先生の教科書見ると普通のソボレフ空間でも有界であるってさらっと書いてあったけどにわかには信じがたい.よくわからないし,とりあえず放置しようかな.


ということで,共同研究を進めた.今日は  \varepsilon について丁寧に考えた.LとMの論文の定理の主張をかなり理解できた.それらを(図が多かったので) iPad でまとめて共同研究者に送った.


夜は近所にある中華料理屋みたいなところに行った.久々にお米を食べたいなと思ってチキンカレーみたいなのを頼んだ.

正直,味はイマイチだけど満足感は高かった.いつもサラダとスパゲッティかスープくらいしか食べていなかったからな.今後もきてみよう.現金しか使えなかったのは驚き.ロンドンではキャッシュレスが基本だけど,アジア系の料理店では現金のみってお店が多い気がする.


帰宅後は学会のアブストラクトを書いて指導教員に送った.送った直後,共同研究者からメールの返信と論文の最新バージョンが来た.私が書いたイントロが大幅に書き換えらられてて笑った.あ,ちなみに指導教員は共同研究者ではない.


ヘルムホルツ分解を考えるには,それに対応するノイマン問題の一意可解性を明らかにすればOKだと思っていたけど,それだけでは不十分っぽい.共同研究者はこのあたりをよくわかっているから先日のメールを送ってきたんだろうな.相変わらず私の理解は周回遅れだな.明日・明後日にでも考えてみよう.


11月07日(Day 60 / 98)

今日は久々にレディングに行く日.いつも使っている Circle Line がストライキだったけど,幸いこの日は無関係.また,前回レディングの日(Day 39 / 98 参照)のトラウマがあるので,今日は早めに家を出た.


行きの電車の中で,学会の講演サマリを書いた.あとは忘れずに申し込むだけ.たまに先生から「あれはやっぱりこうしたほうがいいよ」って後日言われることがあるから,申し込むのは週末にしておこう.本当は共同研究のやつを発表したかったけど,まだ半群有界性は示せていないので諦めた.個人的には未解決問題(というよりはTaylor先生の予想)を解決したわけだし,十分いい結果だし,もう発表してもいいんじゃないかなあとは思うんだけどな.まあ,来年の秋の学会までには間に合うだろうから,次の学会発表のネタができたとでも思えばいいのかな.


PDEのチュートリアル,というよりは質疑応答の時間は10時からだけど,5分前になってもほとんど来ていない......部屋間違えたかなって思ったけど,どうやら電車が遅延していたということらしい.結局5分くらい遅刻してきた人が多かった.遅延は仕方ないにせよ,みんな時間ぎりぎりを狙いすぎなんじゃないかなって気がした.ちなみにニコロ君とロビンちゃんは20分遅刻してきた.先生が "How was your train?" って聞いたところ,ニコロ君が "Delayed" って答えたのは笑った.いや,まあその通りなんだろうけど,そういうことじゃないと思う.PDEの課題はほぼ終わっていたので,このチュートリアルの時間は暇だった.


11時からは Jeroen Wouters さんの講演.今日も確率論に関する講演だった.んー,私はもっといろんな話が聞きたいんだけどなあ.仕方ないのかなあ.はっきり言って,聞いてもよくわからないし,そもそも興味がわかない.


講演後は,学食の5ポンド分の食券をもらった.いつもはサンドイッチが提供されるけど,今日は注文し忘れたから食券でよろしくってことだった.みんなは Kick-Off Camp のときは7ポンドだったのにって不満を漏らしていた.そういえば学食に行くのは Kick-Off Camp 以来だな.久々に温かい昼食が食べられると思ったけど,本日のメインメニュみたいなのはまさかのカレー(みたいなやつ)だった.昨日食べたばかりだよ......仕方ないのでフィッシュ・アンド・チップスを食べた.味は......ふつう.揚げ物を食べるのは久々だなあって思ったけど,バーガーキングに行ったときにフライドポテトを食べたんだった.


昼食休憩は2時間あったので,その間に教室で論文を読んでた.ほかのみんなはどこに行ったかは知らないけど,たぶん仲良くおしゃべりしていたのだろう.おかげで(?)論文の理解が少し進んだ.


その後は数値解析の講義,というよりは質疑応答の時間.相変わらず,各自課題を進めるという時間だったけど,参考文献がほとんどない状態でいろんな数値実験を行って6~12ページのレポート書けって,数値解析勉強したことない人(つまり私)からしたら無理ゲーなのではって思う.頑張って数値実験を2つやったけど,先生から「足りない」って言われるし,各スキームの特徴がわかるような数値実験を行うべきって言われるし,そんなんわかるわけなくない???って感じだった.というよりそもそもコードの書き方よくわからないし.イギリスでは,プログラミングは出来て当たり前なのだろうか.私にとってはつらいよ.せめて数値実験の方法が載っているような参考文献を教えてくれ.


数値解析の後は力学系チュートリアルで,内容はエルゴード理論(?)の説明だった.TAらしき人が,科目名と講義内容はほとんど一致しておらず,科目名は昔の名残って言ってた.だよね?だよね!って思った.それにしてもこのプログラム確率論大好きだよなあ.はっきり言って私は好きになれない.チュートリアルにおいて,TAが何か質問ある?って聞いてきて,何人かが「試験ではどういうことが聞かれるんですか?」って質問していた.そうか.みんな(まずは)試験のために勉強しているのか.私自身,ここの基礎講義の勉強に対してモチベーションがいまひとつ上がらないのはそういうところなのかなって気がした.私は「意味のある」勉強がしたい.


11月08日(Day 61 / 98)

今日は講義なしの日.大学に来ているプログラム生は少なめだった.なんかなあ.みんな家で勉強しているんだろうけど,なんかみんな「学生気分」が抜けていない気がするんだよなあ.せめて平日の朝から夕方までは大学来ようよ,って思ったけど,勉強のスタイルは人それぞれだもんな.まあでもなんか死に物狂いで勉強しているようには見えないんだよなあ......とりあえず試験のために勉強しよう,って感じで.


さて,今日は共同研究を進めた.FとMとMの論文の理解が進んだ.証明を(久々に)丁寧に読んだけど,やっぱりどう考えてもヘルムホルツ分解の成立はそれに対応するノイマン問題の一意可解性「だけ」に帰着されると思うんだよな.夕方,共同研究者にメールを送った.


と,これだけでは何かさびしいので,今日のお弁当の写真をあげておく.

今日はペリメニ.茹でるだけでいいので,簡単でとても良い.最初はケチャップつけて食べていたけど,マヨネーズが一番合う気がする.おいしいのはいいのだけど,お弁当のバリエーションがなくなってきたのでそろそろ何か開発しなければいけない.何かないかなあ.


11月09日(Day 62 / 98)

昨日(?)は2時くらいに寝たので8時くらいまで寝ようと思っていたけど,なぜか6時半に少し目が覚めてしまい,あまり二度寝できなかった.端的に言って眠かった.ただ,今日は10時から力学系(仮)の講義があるのでいつもと同じ時間に家を出なければならない.


今日から力学系(仮)の講義は,このプログラムのコーディネーターである Dan Crisan 先生が担当.やっぱり(?)マイク越しではない声は聞き取りやすい気がする.前回に引き続きエルゴード理論をやるのかなって思っていたけど,どうやら確率微分方程式(SDE)について扱うらしい.今日はブラウン運動について扱った.昔聞いた確率論の講演で「なんでホワイトノイズを考えるんだろう」とか思っていたけど,ちゃんと意味があるんだなってなんとなく思った.


あと,基礎講義において,やたらと確率が出てくるのはなぜなんだろう,もっとほかのことでもいいのでは?と思っていたけど,「自然現象はランダムだから」ということらしい.また,自然現象を研究する際は,ランダム力学系を理解することが重要って言ってた.ところでこのプログラム,「地球惑星学」をキーワードとするプログラムだけど,基礎講義の内容がちょっと偏っているというか,もっと「基礎」的なことなことを基礎講義で扱ってもいいんじゃないかなあって思う.実際,プログラムに参加している人の中で講義の内容をちゃんと理解している人は少ないみたいだし(まあだからみんな勉強しているんだけど).そこまで確率論を導入することに執着する必要はあるのかなあ.


午後は数値解析の課題そっちのけで共同研究者から頼まれた「チェック」をしていた.んー,どう考えても「自明」な気がするんだけど,だめなのかなあ.まあ,私が十分に理解できていないだけだろう.来週はもう少し頑張って丁寧に考えてみよう.


ということなので,午後は先々週くらいからはまっている方程式の解析を進めた.いろいろ考えたけど,この前求めた解表示は不十分な気がする.そこで,夕方くらいまで解表示を少し書き直していた.今日はジムに行こうと思っていたけど,気づいたら18時を回っていた.ジムは明日行くか.


ところで,ほかのプログラム生のほとんどは16時前に帰ってしまった.いくら金曜日とはいえ,帰るの早くない???これがヨーロピアンスタイルなのだろうか.んー,私がおかしいだけなのかなあ.よくわからん.勉強・仕事よりも休暇が大事ってことなのかな.


11月10日(Day 63 / 98)

寝落ちして起きたら夜中の12時半で,そこから5時くらいまで寝れなかった.なんか最近寝不足な気がするのに眠くならない気がする.どうしちゃったんだろう.まあでも悩んでた問題を解決できたので,よしとしよう(?).ちなみに,ずっと悩んでたことは,結局自明だった.


ちょっと二度寝した後,「あれ?ツアーファイナルっていつからだろう」って思って調べたら明日だった.チケットあるかなーって思って調べたら,決勝は売り切れ,ほかは残りわずかって感じだった.せっかくならいい席で見たいなって思って調べてみると,どうやら明日の最初のシングルスとダブルスの試合の席がE列だったのですぐ購入.ついでに準決勝のチケットも買おうとしたけど,なぜか支払いできず.明日の分購入できたのに.まあ,いっか.


明日は錦織・フェデラーの試合もあるけど,そっちのほうのチケットはほぼ完売だった.どんだけみんなフェデラー見たいんだよ.そういえば,プログラム生の有志でツアーファイナルを見に行こうみたいな話を一昨日耳にしたな.私は誘われなかったけど.かなしみ~.まあ,誘ってもらえても,仲良く観戦できる自信はないけどね.誘われたとしても反射的に断っていたかもしれない.


さて,チケットを購入した後,正午ちょっとちょっと前くらいに大学へ.いつも,土日は弁当を作らないんだけど,今日は初めて「チャーハンじゃないけどチャーハンみたいなもの」を買ってみた.お湯を少し入れるタイプのもの.食べてみたけど,はっきり言って不味かった.やっぱ,どこに行ってもお米はおいしくない気がする.コシヒカリじゃないというのは当然だとして,タイ米ですらないからなあ.どこのお米なんだろう.やっぱり,イギリスでおいしいのはマフィン(だけ).


ちょっと残念な昼食を取っていると,アジア系(たぶん中国)の別のプログラム生から「君はいつもいるね.何を勉強しているの?」って聞かれた.いつもいるねって聞いてくる割りには,私も君をよく見かけるなあ,見たいなことを言ったら「いやあ,ぼくはここに住んでいるからね」って言われた.最初は冗談かなあって思っていたけど,割とマジらしい.いろいろ事情があるようで,資金を十分に確保できていないとのこと.極力出費を抑えたいらしい.どうやら本当に「家」がないみたいだ.友人を頼ることも多いみたい.そういえばいつも昼食にカップ麺ばかり食べているなあって思っていたけどそういうことだったのか.確かにロンドンの物価,特に家賃は高いからなあ.ロンドンだと月10万円で安いほうだし,大学の寮も毎「週」230ポンド(35000円)くらいだし.さすがに同情してしまった.よく見ると彼の机の隣にはスーツケースが置いてあった.大変な中,勉強に打ち込む姿勢,とてもすごいと思う.ちなみに,来年度(つまり来年の8月くらい)からは状況が改善される見込みみたい.それまでめげずに頑張ってほしいな.


今日は何をしたかというと,先々週?くらいに計算した解表示をきれいに書くことをやっていた.この前もだいぶきれいになったなあって思っていたけど,てっきり " \lambda" の存在を忘れていたので,半分くらいやり直した.でも,だいぶすっきりして,見通しも良くなったので結果オーライ.先行研究に沿うような形で,先行研究とは「ずれる」部分を明確にしていく方針がいいかもしれないなって思った.丁寧に計算して,結果が揃うのは早くても年明けだろうか.先はまだまだ長い.やっぱり,一人で研究っていうのは時間がかかるんだよなあ.共同研究したい.


ところで,最近ジムに行っていないなあって思ったので,夕方はジムに行った.さすがにいつもよりは空いていた.ジムに来たら,毎回体重を量るようにしているんだけども,なぜか前回(月曜日)よりも1キロ痩せてしまった.んー,今週は割りともりもり食べたんだけどなあ.昨日はバーガーキング行って,帰りに板チョコ1枚食べたし......なんでこんなに痩せてしまうんだろう.


最初は,(もともとお腹が出ていたこともあって)痩せて喜んでいたけど,明らかに痩せすぎてきた気がする.渡英してから,平均にして,毎週1キロくらいのペースで痩せているから,なんか食生活以外の要因があるのか不安で仕方がない.いや,ふつうに考えて2ヶ月で10キロも痩せるのはおかしいでしょ.んー,もともと太っていただけなのかなあ.もっといろいろ食べたら?って言われそうだけど,そこそこお腹いっぱいになるまで食べているんだよなあ.ひょっとしたらストレスだろうか.



さて,今週もいろいろつらつら書きましたが,ここのところ毎週同じようなことばかり書いているような気がします.気づいてみれば渡英してから2ヶ月が経って,そろそろ「帰国」というワードも頭をよぎるようになってきました.何か思い出になるようなことってあったかなあって振り返ると,そんなものはないような気がします.そこで,明日はせっかくの休日なので(この記事はイギリス時間土曜日に書いています),ツアーファイナルを見に行きます.いやー楽しみですね.次回の更新は11月18日を予定しております.では.

よくわかる集合と位相。

早いもので,「よくわかる測度論とルベーグ積分」という記事を書いてから2年が経ちました.

watanabeckeiich.hatenablog.com


当時は,サークルの後輩がやたらと Line で私に数学の質問をしてきていて,毎回説明するのもめんどくさいなあって思っていたので「あとはブログ読んでね!」っていうつもりで記事を書いたんですが,思ったよりも反響が大きかったようです.まあ,その後輩はブログ読んでもわからないってことで,結局私がその子の研究室に出向いて簡単にレクチャーしたのですが,たぶんもうすっかり忘れていることでしょう.


さて,そんなことはどうでもよくて,たまには気分転換に数学の解説記事をてきとーに書くのも悪くないかなってふと思って,この記事を書いています.何を書こうかなあって思っていたんですが,躓く人が多い「集合と位相」を書いてみようかなと思いました.いつも通り(?)必要最小限のことしか書かないのであらかじめご了承ください.


こう言ってしまうと怒られそうですが,「最初から」厳密に考えすぎるために,「大学の数学」で躓く人が多い気がします.最初は大雑把に理解して,後からその理解を「訂正」していくというのでいいと思います.実際に,現代数学もそのようにして構築されてきたという歴史がありますし,理解の方法としては極めて自然だと考えます.最初からすべてを厳密に理解できるのは天才だけだと思います.


【目次】

集合と位相とは

集合と位相は簡単にいうと,集合論位相空間論から成り立つ.これらが二つにまとめられることが多いのは,大学のカリキュラムの関係だと思う.集合のイメージは高校数学のままでだいたい問題なく,集合論ではもう少し詳しく,というよりは厳密に考えよう,というのが目的になっている.


一方で,位相空間論は,高校数学までにはなかったような言葉がいろいろ出てくる.多くの人は集合論よりも位相空間論で躓くような気がする(私はそうだった).位相空間について,Wikipediaを参照してみると

数学における位相空間論(いそうくうかんろん、英: general topology; 一般位相幾何学)または点集合トポロジー(てんしゅうごうトポロジー、point-set topology; 点集合論的位相幾何)は、位相空間の性質やその上に定義される構造を研究対象とする位相幾何学の一分野である。位相幾何学のほかの分野が多様体などの特定の構造や具体的な構造を前提とすることと異なり、現れる位相空間としては病的なものも含めた極めて広範かつ一般のものを扱い、その一般論を形成するのが位相空間論の主目的である。


いや,はあああ?????って感じ.Wikipediaの記事を書いている人,だいたい頭がよろしいので,初学者には難しいことが多い気がする.はっきりいって,初学者がWikipediaを参照するのは危険.


WikipediaがだめならWikibooksを参照してみよう.ということで,参照してみると

位相空間とは、集合に対して、「位相」というある種の構造を付加したもののことである。


おお,さっきよりもわかりやすい.個人的には,この表現が一番わかりやすいと思う.ということは,位相空間論を理解する鍵は「位相」とは何か?ということを理解することにある,といっても良さそうだ.

集合論その1:写像

位相空間論を説明する前に,集合論について少しおさらいしよう.まずは写像について.


 E F を二つの集合とし, E の部分集合  D のそれぞれの元  x F の元  Tx一意に対応しているとき,T E から  F への写像といい, D T の定義域, R: = \{Tx \mid x \in D\} T の値域(または像)という.


ちなみに,D は Domain(定義域), R は Range (値域)の頭文字である.英語の頭文字を記号にすることが多いのは,英語の専門書との整合性を保つため(だと思う).また,「 T の」定義域,値域であるということを強調するために,それぞれ  D(T) R(T) と書くことが多い.


さて,写像のイメージを考えてみよう.例えば,100円円玉を自販機に突っ込んだらジュースが出てくるとき,自販機は「写像」になっているわけである.ここで,重要なのは,ジュースは1つしか出てこないということである.


もう一度数式で考えてみよう, A = \{a, b, c ,d\},  B = \{x,y,z,w \} をそれぞれある集合とするとき, T: A \to B写像であるとは, A のある元(ここでは  a, b, c, d のいずれか)が  B の元に飛ばされるという「対応」のことをいう.重要な点は,

1. 必ず  A の元はどれも  B に飛ばされる(すなわち,飛ばされない  A の元はない).

2.  A の元の「飛ばされ先」は,それぞれ必ず1つしかない.

3.  B の元は必ずしも  A の元から「飛んできた」ものとは限らない(すなわち, A の元の「飛ばされ先」になっていない  B の元があるかもしれない).

の3点である.


さらに,「飛ばされ先」や「飛ばされ元」の特徴を決めることができないだろうか,というのが全射単射である.


ちょっと正確に言うならば, R(T) = F のとき  T全射といい,「 x,y \in D(T) Tx = Ty ならば  x=y」であるとき  T単射という.さらに,全射かつ単射である場合, T全単射といい,このとき  T写像  T^{-1} が定義される.


でも,まあ正直なところ,最初に勉強したときに全射単射がよくわからなくても,そのうちわかるようになるので,そんなにシビアになる必要はないと思う.初心者は,そういうものがある,とだけ考えておけば十分だと思う.


集合論その2:濃度

集合論では無限を「数えられる」無限とそうでない無限に分けて考える.この「数えられる」無限を可算無限という.


数えられる無限とは,例えば自然数のことである.自然数とは何だったかというと,

 \mathbb N \ni 1, 2, 3, 4, \dots

というものであった( 0自然数と考える流派もあるみたいだけど,初学者には関係ない).一方で「数えられない」無限は,例えば無理数である.このような「数え方」は濃度によって定式化される.


 E を定義域とする全単射写像  T: E \to F が存在するとき, E F の濃度は等しいという.濃度を表す記号として,なぜか  \alephアレフ)が用いられることが多い.理由は何かあった気がするけど忘れてしまった.


自然数全体  \mathbb{N} = \{1, 2, 3, \dots\} と等しい濃度をもつ集合を可算集合といい, \aleph_0 と書く.要は「数えられる無限である」を可算集合というわけである.信じられないかもしれないが,有理数全体の集合  \mathbb{Q}可算集合である.つまり, \mathbb{N} \to \mathbb{Q}全単射となるような写像を構成できるということである.詳しくは教科書を参照しよう.


集合論その3:選択公理

「どれも空でないような集合を元とする集合(集合の集合)があったとき,それぞれの集合から一つずつ元を選び出して「新しい」集合を作ることができる」


という主張を(ツェルメロの)選択公理という.これは現代数学において非常にシビアである.これが「正しい」と認める派閥と,認めない派閥が数学界にあるとされる.認める派閥が99.99%くらいだと思う.


実際に選択公理を認めないと,「重要な」定理が証明できなかったりする.一方で認めると「変なこと」が起きたりもしうる,となんとも不思議な「やつ」である.まあ,選択公理はシビアなものなので,「選択公理って正しいと思う?」と友人に聞かれたら「難しくて私にはわからないよ」と答えるのが最適解だと思う.


選択公理について非常に詳しい方が運営している 選択公理 | 壱大整域 には,選択公理についてよくまとめられている.興味がある人は覗いてみるといいかもしれない.


位相空間論その1:位相空間

さて,位相空間について説明しよう.最初のほうにも書いたように「位相」とは何か?ということから考えよう.


位相とは集合の中における「構造・判断」である.わかりやすい構造として,例えば距離がある.そして,集合  E の二つの元  x,y の関係が「近いのか遠いのか」という「判断」を与えるのが位相である.


とはいえ,距離が測れない場合があるかもしれないので,位相の定め方はなるべく抽象的である方が何かと好都合である.そこで,位相空間は開集合を使って特徴づけられることが多い.


 X を集合とし, \mathcal{O} Xべき集合とする.三つの主張:

1.  \emptyset, X \in \mathcal{O}

2.  O_1, O_2 \in \mathcal{O} ならば  O_1 \cap O_2 \in \mathcal{O}

3.  O_\lambda\, (\lambda\in \Lambda) ならば  \bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}

が成り立つとき, (X, \mathcal{O})位相空間という.特に, \mathcal{O}開集合系 \mathcal{O} に属する集合を開集合という.


と書いてみたのはいいものの,よくわからない!というのが率直な感想だと思う.感覚としては,「ある集合の元に対して,距離(みたいなもの)を考えると集合が位相空間に変わる」という感じでいいと思う.


中学校の教室で例えるならば,生徒が集合で,そこに「成績」といった「ものさし」を入れたものが位相空間である.このような「位相空間」を考えることによって,A君とB君の成績が近いとか,CさんはDさんよりも成績がいいといった,生徒同士の「比較」が可能になる.このような「ものさし」としては,距離を用いる場合が多い.


ところで,位相空間  (X, \mathcal{O}) の定義は次と同値である: X のそれぞれの元 x X の部分集合の族(集合の集合) \mathcal{U}(x) が対応して

I.  U \in \mathcal{U} (x) ならば  x \in U

II.  U, V \in \mathcal{U}(x) ならば  U \cap V \in \mathcal{U}(x)

III.  U \in \mathcal{U}(x) U \subset V ならば  V \in \mathcal{U}(x)

IV.  U \in \mathcal{U}(x) ならば  W \in \mathcal{U}(x) が存在して,すべての  y \in W に対して  U \in \mathcal{U}(x) である

の4つが成り立つ.ここで, U \in \mathcal{U}(x) であることと, x \in O \subset U を満たす  O \in \mathcal{O} が存在することは同値である.


このとき, \mathcal{U}(x) x近傍系 \mathcal{U}(x) に属する集合を  x近傍という.個人的には,こっちの定義の方がフィーリングにマッチしてわかりやすいかと思う.


大雑把に言ってしまえば,位相は「近傍の定め方」ということである.


位相空間論その2:距離空間

集合  E任意の二つの元  x,y実数  d(x,y) が定義されて,

1.  d(x,y) \geq 0 かつ「 d(x,y) = 0 x=y は同値」,

2.  d(x,y) = d(y,x)

3.  d(x,z) \leq d(x,y) + d(y,z)


が成り立つとき, E距離空間 d(x,y) を2点  x y の間の距離という.


先ほど定義した「近傍」を考える際,距離を用いて考えることが多く,

 B(x, \varepsilon) = \{y \in E \mid d(x,y) < \varepsilon \}

 x \varepsilon-近傍ということがある.


距離を導入する重要な動機の一つとしてコーシー列の定義が挙げられる.距離空間  E の元の列  \{x_n\} (すなわち  x_n \in E からなる列)が  \lim_{n,m \to \infty} d(x_n, x_m) = 0 を満たすとき,  \{x_n\} をコーシー列という.さらに, E の元のすべてのコーシー列が  E のある元  x に収束するとき,つまり, x \in E に対して  \lim_{n \to \infty} d(x_n, x) = 0 となるとき, E完備であるという.この完備性は非線型偏微分方程式の解の一意性を保証する点などから重要であるとされる.


位相空間論その3:連続

「連続」は次のようにして定義される: E, F位相空間 f : E \to F写像とする. f の定義域を  D(f) とし, x \in D(f) とする. f(x)任意の近傍  V に対して, x の近傍  U が存在して, f による  D(f) \cap U の像が  V に含まれるとき, f x連続という.さらに, f D(f) の各点で連続のとき, f は連続であるという.


次に,連続性に関連して重要な話題をまとめておこう.ただ,それらを説明する前に,相対位相を定義しておく.


 (X, \mathcal{O})位相空間とし, M を集合  X の部分集合とする.このとき,

 \mathbf{O}_M = \{O \cap M \mid O \in \mathcal{O} \}

と定義すると, \mathbf{O}_M M の開集合系である.このとき, \mathbf{O}_M M相対位相という.


さて,重要な話題について箇条書きしよう.

f が連続であるための必要十分条件 F の任意の開集合の f による逆像が E に関する  D(f) の相対位相で開集合であることである.

 E の任意の開集合  O に対して, O \cap D(f) f による像が  F の開集合であるとき, f写像という.

 f が開写像であるための必要十分条件D(f) の各点 [x] の任意の近傍  U に対して  U \cap D(f) f による像に含まれる  f(x) の近傍が存在することである.

・開写像  f の逆が存在すれば  f^{-1} は連続である.

 f D(f) = E から  F全単射で, f, f^{-1} がともに連続であるとき, f E から  F への同相写像という.

参考文献

いきなり「集合と位相」を勉強するのではなく,まずは解析の初歩として挙げられるイプシロン・デルタ論法に慣れておいたほうがいい.イプシロン・デルタ論法になれるためにはたくさん「デルタ」を取るしかない.私は学部2~3年のときに

イプシロン・デルタ論法 完全攻略

イプシロン・デルタ論法 完全攻略

で勉強して初めて理解できた.


大学の講義において,「集合と位相」の教科書として松坂先生や内田先生の本が上げられることが多いけど,数学の本に慣れている人でないと読みにくい.


私は彼らの教科書では集合と位相の教科書を当時(学部2~3年)理解できなかったので,大田先生の本で勉強した.

はじめよう位相空間

はじめよう位相空間

これに対応する演習本もあるけど,私はめんどくさくてやらなかった.まじめな人はちゃんと解いたほうがいいと思う.なお,この本のサポートページがある,ということを後日知った.当時いろいろもがいていた私に教えてあげたい.

リンク:
はじめよう位相空間のページ



ところで,この記事を書いていたら夜中の01:30を過ぎてしまいました.朝10時から講義があるのでさすがに寝ようと思います.おやすみなさい.

イギリス滞在記 part 8。

11月になりました.早いものです.今週は大学の知り合い(2人)にツイッターのアカウントをフォローされてしまいました.ツイッターのアカウントから私が何者か知るのは容易いことだと思うのですが,その逆は難しい,つまり不可逆だと思っていたのに,崩れつつあります.M1の初夏に,学部時代のツイートを消しておいて良かったなあと思います.当時の私,ナイスプレー.今後はより一層発言に気をつけようと思います.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

10月28日(Day 50 / 98)

今日も大学にやってきた.家にいても仕方ないし,外は寒いし,結局大学でいろいろ作業するのが最適解だと思う(?).ゲームとかなんかそういった趣味があれば違うんだろうけど,ゲームやるとなんか視力落ちる気がするし(経験談),これ以上視力落としたくない,というか落ちたらやばいのでゲームはやらなくなった.ちなみに,裸眼の視力はたぶん0.08くらいです.んー,なんで視力悪くなるんだろうな.若干乱視も入っているんだよなあ.弟たちは視力いいのにどうしてこうなった.


昨日,U先生の論文が参考になるんじゃないかって思って読んでみた.確かに参考になるけど,テクニックが必要というか,「職人技」が必要みたいな感じで,私が興味をもっている方程式に適用するのは難しそうだった.要は条件を満たす行列を見つければ,私の考えたい問題は解決するんだけど,行列を見つけるにはもう少しいろいろ結果をそろえないと見つけにくそう.もちろん,そういった結果に頼ることなく行列を見つけることができればハッピーだけど,残念ながら私は凡人なのでそういった行列を見つけることはできなかった.


ということで,今日はアプローチを変えて,行列式の根の漸近展開によりいろいろ計算できないかをいろいろ考えていた.3次方程式,4次方程式の根は表示が複雑になることが多いから,ふつうは根の漸近展開によっていろいろ計算を進めるけど,根の漸近展開ってどうやってやるんだろう.Kato 先生の本を見ると Puiseux (ピュイズー)級数を用いればいいみたいなんだけど,聞いたことないよって感じだった.先輩が昔論文でそういったことやっていたなあと思い出して論文見てみたけど,「根はこのように展開できます(バン」って感じで全くわからなかった.ひょうっとして私が勉強不足なだけで常識なんだろうか.


ところで,Puiseux 級数展開は,荒っぽく言うと,ローラン展開の一般化(?)のようなもので,分数べきも許容するらしい.具体例を知りたいなって思っていろいろ調べたら,代数幾何学と関連があるみたいってことだけわかって,具体例はわからず.んー,抽象的過ぎる数学は好きじゃないんだよなあ.一応,参考になりそうな文献を見つけることができたけど,係数が文字の場合は計算が大変そうだなあ.もっと上手い方法はないのだろうか.


10月29日(Day 51 / 98)

昨日に引き続き興味をもった方程式をずっと考えていた.てこずっていた箇所をきれいに解決する方法を見出すことに成功した.後はこつこつ計算すれば考えたい方程式の解を半群を用いて表現できそう.いままで,(たぶん)全く研究が進んでいなかった方程式に対して新しい知見を与えることになりそう.わかった内容を LaTeX でまとめた.近いうちに指導教員に報告しよう.もしかしたら,それよりも二相流のほうを研究しろとか言われるかもしれないけど,まあいっか.一応研究計画通りに研究進んでいるし.


午後はPDEの講義があった.ラグランジュ座標とレイノルズ輸送定理,コリオリ力と重力の入った流体の方程式の説明などがあった.全部知っている内容で,正直あまり楽しくはなかった.学部生のころ,全然理解できない講義はつまらないと思っていたけど,全部理解できる講義もつまらないものなのね.そう考えると,私は講義を受ける行為そのものが好きじゃないのかもしれない(?).


今日こそは課題をやろうと思ってたけど,あっという間に一日が終わってしまった.さすがに明日はやろう.というか,帰るときめちゃくちゃ寒かった.もはや冬.10℃を下回るのが当たり前になってしまった.日本であればコンビニで肉まんを買いたくなるところ.でも,私は肉まんよりあんまん派.しかし,残念ながらここはロンドン.基本的に温かいものはカフェでしか売っておらず,スーパーではほとんど売っていない(というか見たことない).缶コーヒーも売っていないしね.そう考えると日本っていい国だなって思う.


さて,イギリス滞在も半分過ぎてしまったし,たまには,いつもとは違う夕飯を作ろうと思って,カルボナーラを作った.

ソースは,ラザニア用のクリームソースを使用した.また,前回の反省を踏まえ,ベーコンも使用した.我ながら上出来だと思う.


10月30日(Day 52 / 98)

今日の朝も寒かった.というか,大学の部屋が寒い.もちろん,セントラルヒーティングなんだけど,効き目が弱い.さすがにセーターが必要かなあ.そういえば大学のパーカー買おうかなって思ったときがあったけど,学内で着ている人を見たことがないし,何よりダサいので悩ましいところ.せっかくだし,買ってもいいかなって思うんだけどどうしよう.あ,私の知り合いでほしい人がいたら連絡ください.買って帰ります.


昨日に引き続き興味をもった方程式の解についていろいろ整理した.LaTeX で内容をまとめ,指導教員の先生にメールで送り,報告した.指導教員は非圧縮の場合は解決しているから,それなりに有益なコメントをいただけたらいいなあって思っているけど,どうだろう.


というか,いま思ったけど,修士2年になってから指導教員から「指導」を受けていないというか,まともなゼミをやっていないな.同じ専攻のM先生とその学生と一緒に(ずっと昔に)飲んだときに,博士課程はそういうものだよって言っていたけど,周りの学生を見ているとそういう感じではないんだよなあ.放置してくれているのか,放置されているのか,どっちなんだろう.


さて,指導教員にメールを送った後は確率論の講義.今日は確率変数の独立性,分散,共分散などについて.今日もほとんど概要の説明だけで,深入りはしなかった.思ったけど,弊大学の講義とは違って,スケジュール重視,というか「どんなに簡単でもいいから,とりあえずここまでは説明する」という感じのスタンスで,細かいところは各自演習でよろしく,ってことなんだろうな.


午後,昼ごはんを食べて,ブログを書いていたら早速指導教員から返信があった(注:一連の滞在記は毎日少しずつ書いています).いつも通りの返信だった.興味深いねって返信をもらったので,もう少し解析する価値はありそう.


でも,さすがに課題をやらないとやばいので,午後は課題をやろうと思ったけど,気づいたら論文を読んでいた.しかも,気づいたらすっかり日が落ちてしまった.まあ,そういうことってあるよね.相変わらず学習能力のなさよ.仕方ないので,今日は久々にジムに行こう思って,ジムに行ったらちょうどスタッフ専用の時間だった(週に2度,2時間くらいそういう時間がある).すっかり忘れていた.ジムは明日行こう.


10月31日(Day 53 / 98)

朝,地下鉄でいつも通り大学に向かうも,乗り換えに失敗.いつもは Notting Hille Gate 駅で Circle Line に乗り換えるんだけど,Circle Line が信号トラブルで運転を見合わせているらしい.しかも2時間も前から.いや,そういう情報はほかの路線の改札の掲示板に書いといてよって思った.なんで情報を共有しないのかなあ.ふつうに困る.いま思うと,日本は人身事故とかで電車が止まることが多いけど,きちんと情報が提供されることが多い気がする.てか,信号トラブル何回目だよ.駅は全然バリアフリーじゃないし,この国は本当に先進国なのか??


仕方ないので,乗換駅から大学まで歩いていくことにした.幸い,歩いて20~30分くらいで済んだ.公園を通って大学に行ったけど,朝公園を散歩するというのも悪くない気がした.こんな形で散歩したくはなかったけど.


午前中はコミュニケーションの講義,というよりはアクティビティー.アクティビティー自体は楽しいものの,コミュ障で英語が苦手な私にとってはがまんの時間である(Day 01, 25 / 98 参照).でも今日は思っていたよりもつらくなかった.みんな何を言っているのかよくわからなかったけど.今日のテーマは「感情」であった.まずは席に座っている人をどう声をかけたら立たせることができるか,といったゲーム(?)から始まった.


その後,感情を表す言葉をみんなで列挙しようってことになったけど,みんなの語彙力すごすぎて笑った.結局50~60くらい出た.私が知っていた単語は1割くらい.中にはネイティブ(イギリス人)も知らない単語もあった.中学英語さえマスターしていれば英語は話せる!ってよく言われるけど,教養のある方々と会話するときは無理だなって思った.スムーズに会話するために求められる語彙力ははるかに多いと思う.英語勉強しなきゃなあ.


それで,列挙された単語のうち3つ選んで,電話でのやり取りを実演してくださいってことになった.私は陽気なフィリップくんと組んだこともあり,無事に実演することができた.ほかのメンバーも(ほぼ)みんな実演したけれども,だいたい面白かった.面白くないのがあったというよりは,何を言っているのかわからにものがあった,という感じで,周りをみているとうけているようだった.前から思っていたけれども,なんでみんなあんなにユーモアがあるのだろう.これも教養の差だろうか.


昼食はサンドイッチが提供された.そして,サンドイッチを食べながら,参加しているプログラム,CDT(Cource of Doctral Traning)におけるダイバーシティーや差別(というよりは公平性?)について話し合う時間があった.グループを4つに分けて,各グループで意見を出してくださいってことになった.こういうことをきちんとやるというのはヨーロッパらしいというか,日本にはないことだなって思った.日本の場合は考えたとしても反映されないことが多いしね.


いろいろ意見が出たけれでも,「CDTにはイギリス人とEU圏の人ばかりで,黒人やアジア人が少ないし,海外向けのプロモーションが足りない」という意見が印象に残った.たしかに,70人?くらいいるCDTのメンバーのうち中国人(と思われる人)が1人と,(たぶん)日本人のリオ(Ryosuke)君と私を除いてみんなヨーロッパ人っぽいんだよな.大学にはたくさん中国人いるのに.あ,ちなみに,CDTの中にMPE(Mathematics of Planet Earth)という部門があって,私はそこに参加しています.


もちろん,意見を言うだけではなく,その原因も考えるわけだけれども,どうもファウンディング(奨学金?のようなもの)が関係しているらしい.たぶんみんな金銭的なサポート受けているんだよね.私もだけど.そう考えると海外からのプログラム参加者,特にアジア圏からの参加者を増やすのは難しいのではないかってことになった.でも,今後の課題として事務局は検討するらしい.たぶんこういう地道な検討が大学ランキングを高く保っている秘訣なのだろう.


さて,その後は Jonathan Rougier 先生の講演.火山の噴火の統計的な解析?みたいなことを話していた気がするけどよくわからなかった.前から思っていたけど,専門分野外の人,すなわち一般向けにわかりやすく説明しようとすると先行研究とかの紹介がほとんどなくなる気がする.そうすると,その研究の「意義」や「モチベーション」がわかりにくくなる気がする.というか研究の「意義」がわからない発表は聞いていてもつまんないんだよな.まあ,私が去年学振DC1の面接で落ちたのはそういったところに原因があったのかもしれない.


講演の後はPDEと確率・統計のチュートリアル.これらは前と同様に,PDEは個々の質問に答える形,確率・統計は教科書の事前課題をホワイトボードで発表するという形であった.ふつうみんなの前で発表するとき,答えがわかっている,というのが前提にあるのに,「答えはわかんないけどとりあえずやってみるよ!」って人が多い気がする.問題を解説する人が事前に決まっているわけではないからOKってことなのかな.これも文化の違いかな.とにかくチャレンジ!っていう精神が大事なんだなって思った.


また,今日はジムに行った.やっぱり混んでいた.体重は前回とほぼ変わらず(微増だけど変化なしってことでいいだろう).ジムもいいけど,ふとテニスもやりたいなあって思った.帰国したらテニスしよう.


11月01日(Day 54 / 98)

朝起きたら学内の奨学金の案内が来てた.ただ,私は来年の4月から特別研究員(学振DC2)になるので,半額しかもらえないらしい(メールで問い合わせた).9月入学だとなんかいろいろめんどくさいよね.帰国後,というよりは来月になったら日本学生支援機構の返済免除の書類も作らなきゃいけないし,いろいろやることがたまってきたなあ.仕方ないので学内の奨学金の申請書をささっと書いた.


と思ったら,追い討ちをかけるかのように,春の学会の講演申し込みがスタートした.去年より締切が1週間早いな......ということで,午前中はアブストラクトを作成した.本当は共同研究しているやつも発表したかったけど,間に合わなさそうだな.共同研究しているやつといま考えている問題は来年の秋の学会で発表できるように頑張ろう.午前中は学会のアブストラクトを書いた.8割くらい.土日に書いて,チェックして,月曜日くらいには先生に確認のメールを送ろう.


また,3月に投稿した論文がまだUnder review にならないので問い合わせのメールを送った.辛抱強く待つしかない.若手セミナーで,先輩に30回はメール送ろうって言われたし,何回も問い合わせることが重要なのかもしれない.


ついでに共同研究者に最近の進捗はどう?って聞いたらめっちゃ長文のメールがきた.どうやら我々が思い描いていたシナリオはだめで,ちょっといろいろ考える必要があるってことだった.個人的には解析半群生成できることが言えたし,減衰評価も得たんだからもういいんじゃない?って思ったけど,どうやら有界であることまでやりたいらしい.ちなみに,てこずっているところについていろいろ仕事(チェックなど)が増えた.やっぱり共同研究者とは頻繁にやり取りしなきゃだめね.


とはいえ,今日は課題をやろうと決めていたので共同研究は土日に進めることにしよう.今日は数値解析のコードを書いていた.だいぶ進んだ.CTCS(Center in Time and Center in Space)をどうやって書けばいいのかわからない(スタートはFTCSにする必要があるが,ここら辺をどう書けばいいのかわからない)けど,後はレポートを書くだけっていう感じ.CTCS,日本語で言うならば,空間微分だけでなく時間微分に関しても中心差分を考えるということだけれども,時間微分に関して中心差分を考えているような文献が全く見当たらないんだよな.初期値のところを前進差分で考えなければいけないってことなんだけど,この手法は意味があるのだろうか......まあ,とりあえずレポート自体は明日か明後日には大体書けるだろう.


最後に,PDEの課題やろうと思ったけど,講義よりもずっと難しい感じだった.自力で全部やるのは厳しそうだし,本を参照するしかないかな.締切は3週間後だけど,そろそろまじめにやらないと間に合わなさそうな気がする.

11月02日(Day 55 / 98)

ブログにコメントが来ていたので返信した.このブログ,コメントが承認制になっているのは,(明らかな)スパムコメントが増えたため.気軽にコメントしてください.コメントには返信するようにしています.それにしても半日でささっと書いた測度論の記事がいろんなひとに読まれているなあ.てか,学部生の方々,勉強熱心すぎない??もっとまじめに書いたほうがよかったかな.帰国後,気が向いたら何か「よくわかる〇〇」みたいなのを書こうかな.何か希望があれば教えてください(ただしブログではてきとーにしか書きません).


投稿しているジャーナルの事務局から返信があった.ここではあまり書けないけど,なんかめんどくさいことになってきたなあって感じ.察するに,査読にすら回されていなそう.3月に投稿したのに勘弁してほしい.やっぱり,研究はいろいろな課題を平行しながら進めるのが一番いいのかなって気がした.


そういえば,大学に提出しなければいけない書類の提出を同期の(本当に)優秀なT君にお願いしたら快くOKしてくれた.ありがたい(注:代理の提出はOKの書類です).どうやらT君も学振DC2に採用内定されたようだ.めでたい.彼に負けないよう私も頑張ろう.まずは課題を終わらせないと().


今日はちゃんとまじめに課題に取り組んだ.PDEの課題はほぼ終わった.ちょっとわかんなかったところはオリバー君に聞いたら解決した.イギリスに来るまで(数学的な)保存則をほとんど理解していなかったけど,講義を通じてちょこっと理解が深まったし,K先生(早大)やU先生(神大)がどんなことをやっているのかを理解できるようになったのはいいことだと思う.課題で残っているところはKdV方程式の解についての考察?みたいな問題だけど,さすがに本を参照しないとわからんなあ.いろいろ探したけどちょうどいいのがないんだよなあ.別に満点答案でなければこのまま提出してもいいと思うんだけどね.大体8~9割解けているし,"visiting student" である私は成績つけられるわけじゃないし,研究進めたいし.


今日は午後に力学系の講義があるはずだったけど,インターネットの接続不良によって,講義を受講できず.遠隔授業,最初はかっこいいなあとか思っていたけど,音声聞き取りづらいし,映像たまにぼやけて目が疲れるし,インターネットの調子悪かったら講義受講できないし,そこまでメリットはないんじゃないかなあって気がしてきた.幸い,来週・再来週からは基礎講義をImperialの先生が担当するからそういったことは起こらなくなるわけだけれど,正直合理的じゃないなあって感じがする.


帰宅後はブログを書きつつ,共同研究者からもらったコメントに対して反論(?)のメールを送った.反論って訳でもないけど,なんかちょっと変なんじゃないかなあって思うところについて質問した.


ところで,夕飯もローテーションになってきたし,違う夕食にもチャレンジしたいなあとか思ったけど,電子レンジがない時点で肉は食べれないのよね.いや,もちろん買ってきてもいいんだけど,使い切る前に腐りそうだし,かといって冷凍すると解凍するまでの時間が長いし......ってことで結局簡単に作れるものしか食べれないんだよな.てか,卵がめっちゃ高いのが謎.なんで4個で200円以上するんだ.意味がわからない.ロンドンの物価が高いのか,東京の物価が安いのか.


11月03日(Day 56 / 98)

今日も大学へ.今日は数値解析の課題を頑張って進めた.とりあえずたぶん半分くらい終わった.後は数値実験の結果と考察を書けばいいのかなあ.明日中にはささっと終わらせよう.本当はCTCSについて考察したほうがいいんだろうけど,プログラムの組み方がわからない.


今日は本を返却しに,また本を借りに図書館に行ったけど,めっちゃ人がいてびっくりした.土曜日なのに空席が少なかった.試験前ってわけでもないのに.ちらっと見た感じではみんな講義のレポートや課題をやっているみたいだった.あとは居眠りしている人が皆無だった.まあ,図書館に行ったのが午前中ってこともあるけど.寝るだけのために図書館に行っていたかつての私とは大違い.


帰宅後は研究を進めようと思っていたけど,最近出た進捗が本当に正しいのか確認するべく,半群,というよりはラプラス変換について,復習した.抜けている知識がいろいろあるし,一度ちゃんとラプラス変換を勉強したほうがいい気がするな.たしかに,ラプラス変換の定義式は覚えているけど,どのような関数であればラプラス変換が定義できるのかとか,exponential bounds がどうなっているのかとかはあまり詳しく考えたことなかったし.まあ,でもとりあえず,得た進捗は確かに正しいことが確認できたのはよかった.残りの主なタスクは半群の減衰評価と時間局所解の存在と解の存在時間の評価かなあ.一応参考になる論文はあるし,今月中にはささっと計算を終わらせられたらいいなあ.



さて,渡英してからもう少しで2ヶ月が経とうとしています.めっちゃ髪が伸びてきました.中学と高校は校則が無駄に厳しい学校だったので,これほど髪が伸びているのは去年のドイツから日本に帰国する直前以来です.いやあ,数年前諸事情により坊主にしたのがなつかしいですねえ.昔誰かに言われたけど,髪を伸ばしてみるというのも悪くないのかもしれません.次回の更新は11月11日を予定しております.では,ごきげんよう

イギリス滞在記 part 7。

とうとうイギリス滞在も半分が終了しました.あっという間というわけではないですが,時間が経つのが早くなったように感じます.10月も終わりに差し掛かり,随分と寒くなってきました.正直朝晩は寒いです.カフェで温かいコーヒーを飲みながらクロワッサンを食べるのも悪くないなあと思いましたが,物価の高いロンドンではかなわぬ夢です.かなしいなあ.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

10月21日(Day 43 / 98)

今日も元気に(?)大学に行った.先週は日曜日はさすがに行くのをやめようと宣言してた気がするけど,衝動を抑えられなかった.まあ,そういうことってあるよね.


今日は昨日に引き続き Layer potential を勉強した.だいぶ single layer potential と double layer potential の性質を理解してきたと思う.証明は読んでないけど.だって証明長いんだもん.また,理解した内容を LaTeX でまとめた.明日か明後日までには LaTeX でまとめたものをホームページに挙げられるかなあ.


でも,こんなことをしている場合じゃなくてどんどん研究しなきゃいけなんだよなあ.はあ.同期たちはどんどん論文書いているんだよなあ.まあ,まだ D2 になったばかりだし,論文の数は気にしなくてもいいのかな.難しい.


午後は,力学系の講義を理解するためにエルゴード理論について調べた.ほとんど聞いたことなかったけど,思ってたよりも面白そうだな.研究はしないけど,趣味として勉強する分にはいいのかもしれない.帰国後なんか本買おうかな.


夕方はジムに行き,運動した.今日は簡単な筋トレもやった.院生になってから運動不足だったけど,定期的に運動するという習慣は,体力が急激に落ち始める20代後半になる前につけといたほうがいい気がする.いま思うと,サークルの練習に来てた(というより今もときどき参加している)OBたちは体力すごいなあと思う.彼らのテニスに対する姿勢だけは真似たいなと思った.


10月22日(Day 44 / 98)

午前中は Laplace 方程式の Dirichlet 問題に対する layer potential theory をざっと勉強した.また,勉強した内容を LaTeX でまとめて,ホームページにアップした(リンク).1週間くらいで勉強した割にはよくまとまっていると我ながら思う.これでようやく外部リプシッツ領域におけるナビエ・ストークス方程式を研究する算段がつけられたと思う.


というか,共同研究者から連絡こないかな.まあ,彼は優秀で忙しいもんなあ.明日連絡しようかな.進展があるといいな.


午後はPDEの講義.先々週くらいに一生懸命取り組んでいた exercise が課題ではなく,本当にただの exercise であることが判明.どうやら課題は別にあるらしい.というよりは昨日課題をアップしたからみんなやってねって言われた.んー,あの exercise を提出してねっていってたじゃん.なんかなあ,納得がいかないな.まあ,いいや.週末にやろう.


10月23日(Day 45 / 98)

朝,無性にTescoのマフィンが食べたくなったので,Tescoへ向かった.ところが,マフィンが売っていなかった.しかもドーナツも売っていなかった.甘いものが食べたかったのに.痩せろってことなのかしら.Tescoは品揃えが良かったり悪かったりするから困る.なんかなあ,イギリス人もっとしっかりしてよって感じだ.


午前は確率論の講義.今日は直積測度について扱った.トネリの定理とかフビニの定理とか.懐かしいなあとか思ったけど,ここら辺は独学だったんだな.測度論の講義寝てたし.今思うともったいないことしてたな.ということは,講義でちゃんと聞くのは初めてなのかな.まあ正直,今日も得るものはそれほどなかった.でも,確率論の理解を目指しているということもあり,定理の主張が具体的だったのは新鮮だった気がする.ほとんどいたるところにボレル集合体が現れるって感じ.ポッポかよ.


午後は L と G (2006) の外部リプシッツ領域における single layer potential と double layer potential の論文を読んだ.数ヶ月前までは論文で述べられている定理すら謎だらけだったけど,今日は少し理解できた.でも,この論文はなんか雑な気がする.あと,プレプリントだと定常ストークスも扱っているのに,出版されたやつだとその章だけ丸ごとなくなっているんだよな.なぜだろう.共同研究者が考えておくよって言ってたけど,本当かなあ.


10月24日(Day 46 / 98)

今日は Sandpit という研究室紹介(?)の日.Sandpit を辞書で調べても「砂場」しか出てこないのに,なんで研究室紹介を Sandpit というのだろうか.全くもって意味がわからない.


研究室紹介は,弊大学と違って(?)完全にアカデミックな内容しかなかった.いろいろ話を聞いたけど,シンプルに

1. 研究の(かなり大きな)背景

2. 先生が興味をもって研究している内容(背景より少し具体的な内容)

3. 修士課程(MRes,残り10ヶ月)で研究できること(というよりは研究してほしいこと?)

4. 博士課程(3年)で「考えられる」研究テーマ

だけ説明するのがわかりやすいのかなって思った.前にも書いた気がするけど,イギリスの修士課程は1年で,ほとんど勉強がメインみたい.


私はあと2ヶ月で帰国するので,まじめには聞いていなかったけど,一つ面白そうな物理現象があって,聞く限りでは数学解析もほとんど進んでいないらしい.


そこで,Mathscinet とかで調べてみると,たしかにほとんど,というよりは誰も(?)研究していないようだった.ここではどんな方程式かは書けないけど,非圧縮の場合はちょこちょこやられているみたい.K先生も言っていたように,非圧縮でだめなら圧縮でチャレンジっていうのはあり気がする.


Sandpit が終わった後は,ひたすらその物理現象について調べた.うまくいくかわからないけど,こうしていろいろ調べて,興味の対象を広げることというのは大事な気がする.実際に,興味が広がることで,知らなかった重要な論文を知ることもできるし.


研究といえば,共同研究者に Skype でメッセージ送った.8月くらいに10月中旬にアップデートを送るねって言っていたのに,まだ何もないため.まあ,彼は優秀だから忙しいんだよなあ.あと,ドイツからフランスに移ったばっかだし.私も優秀になって忙しくなりたい.


10月25日(Day 47 / 98)

今日は Univ. of Reading で研究室紹介があったけど,参加必須のイベントではなかったので行かなかった.今参加しているプログラム,自分が所属している大学院に関係なく,修士課程の指導教員を Imperial College London と Univ. of Reading の両方から選べるってすごいシステムだなって思う.


そういえば,キックオフキャンプのときに「研究室には(学年を問わず)学生は3人しか入れません.学生が入れない研究室の一覧,すなわちブラックリストをメールで送ったので目を通しておくように」って言われていたのを思い出した.あと,研究室配属は,1月にある試験の結果と提出された研究計画書(というよりは意気込み?)に基づいて行われるようだ.ちゃんと適正があるかどうかチェックされるらしい.どこかの大学のどこかの学科のようにじゃんけんで決まってしまうということはないようだ.


参加が必須ではないというイベントだったけど,ほとんどの学生は参加していたようだ.でも,ルイスちゃんとオリバー君は行かなかったみたい.というか実際に今日話した.ルイスちゃんが今日受け入れを希望する先生と面談があるらしい.行動力早すぎわろた.一方,PDEに詳しいオリバー君はレディングには純粋数学の人がいないから行かなかった,今日は論文を読むよ,と言っていた.私が今日レディングまで行かなかったのもそういった理由による,と言うことでほんの少し話が弾んだ.ブログじゃわかりにくいけど,ロンドン(パディントン駅)からレディング大学までおよそ75キロで,新宿から秩父や小田原くらいまでの距離だから気軽に行こうとは思えないのよね.


今日は昨日興味をもった方程式の理解と線形化方程式の導出をおこなった.いろいろ調べたけど,MHD方程式の線形化,数学と物理で方法が異なるの,なぜだろうって感じだった.やはり数学は数学しか考えていないと思うんだよな.昔はそれでいいと思っていたけど,だんだん嫌いになってきた.物理的な整合性があって初めて意味がある研究だと思うんだよな.


また,夕方はジムに行った.やっぱり平日の夕方は混むのね.今日も前回と同様にちょっとした筋トレとランニングをおこなった.体重は前回より1キロ減っていた.なんか思うんだけどね,体重落ちるペースが速すぎる気がする.食事制限しているわけじゃないのに.イギリス来てから7キロくらい痩せてしまった.たしかにお肉とご飯は食べなくなったけど,そんなに痩せるものなのかな.帰国したら太りそうだな.


10月26日(Day 48 / 98)

昨日,1時に寝たのに,6時半くらいに目が覚めてしまった.なんか最近寝つきが悪い気がするんだよな.やっぱり寝る前にお酒飲まないとぐっすり寝れない身体になってしまったのだろうか.というか,ロンドンに移ってから,最初の1週間を除いて,お酒はほとんど飲んでいないな.ビール飲みたいけど,Tesco とかで売っているビールとかお酒ってちょっと高いんだよなあ.去年ダルムシュタットにいたときはそこそこ飲んでいたのになあって思ったけど,あの国はビールが安すぎるだけかもしれない.


朝は寒かった.マフラーないと厳しい.コートやダウン着ている人が多かった.10月ももう終わりだしなあ.そういう季節なのかな.早いものね.


今日は朝お腹が空いていたので Tesco でマフィンを買って食べた.イギリスに来てから朝ご飯食べなくなったから痩せてしまったのだろうか.本当は食べたいけど,ホストの人と朝ご飯の時間かぶるのはなんか嫌なんだよな.英語話さなきゃいけなくなるし.


今日は昨日に引き続き,いろいろ計算した.だいぶ理解が進んで,何をやればいいのか明確になってきた気がする.あと,いろいろ有名な論文をつまみ食いした.先輩の「たくさん勉強して色々知っておくと研究の際に便利ですが,これを勉強しておけば必ず研究に役立つと断言できるものはありません.研究していくうちに必要に迫られて勉強するという感じです」という言葉(メール)を時々思い出すな.大学院についての相談のメールを書いてからもう3年になるのか.懐かしいな.あのメールを送っていなかったら,修士課程でも週3くらいでアルバイトしていたのかもしれない.いま思うとアルバイトをほとんどやめたというのは正解だったな(ただし,週に1度だけ家庭教師をやっていた).


午後は力学系の講義.相変わらず先生の板書の文字が読めない.なんかね,オリジナルの筆記体で書くのはやめてほしい.読めない.日本の習字みたいにカリグラフィーの授業ってやったりしないのかな.それともあんまり字のきれいさは気にしないのだろうか.まあ,私は達筆じゃないから偉そうなことは言えないけど.内容は,エルゴード性について.ただ,証明を飛ばして,しかも理論の「アイディア」しか説明しないから全然わからない.あとは自分で勉強してね,ってスタイルなのだろう.


講義の後は,PDEや数値解析の課題そっちのけで研究ーというよりは水曜日に見つけた問題ーに取り組んだ.なんか久々に問題に熱中してた気がする.でも,課題もやらなきゃなあ.正直めんどくさい.


帰るとき,ニコロ君に "Why are you so late?" と言われたけど,一瞬 "Why are you isolate?" って聞こえてめっちゃ焦った.いやーリスニングは大切ですねえ.こうやって聞き間違えるからたまに会話がかみ合わなかったりするんだよな.高校生とか学部生のとき英語勉強すればよかったなあ.小3で英検3級,中1で英検準2級取ったのがうそみたいだ(注:高校生のとき英語と国語は苦手科目でした).ちゃんと勉強すればよかったなあ.英語の勉強はサボっちゃだめなんだよなあ.はあ.


10月27日(Day 49 / 98)

昨日もそうだったけど,昨日よりもめっちゃ朝寒かった.昨日はマフラーしておけばちょうどいいかなって思ったけど,今日はマフラーだけじゃだめだった.ふつうにダウンやコートを着るレベル.天気予報のサイト見たら4℃くらいらしい.イギリスって割りと温暖なイメージがあったけど全然違くない??って思ったけど,パリとかベルリンはもっと寒いらしい.ただし,氷点下になるような寒さはあまりない代わりに,寒い期間は長いらしい.


今日も大学に行ってしまった.というかね,大学で勉強・研究する,というのがコスパが良すぎるんだよな.まあ,休暇にコスパを求めてしまう私はどうなんだろうって気がするけど.本当は遠出もしてみたいなあって気持ちもあるけど,所持金が......って感じなのよね.ロンドン物価高すぎ(N度目).感覚的には東京の 1.5 ~1.8倍くらい.Tesco (標準的なスーパー)で売っているコーラ(500 mL)は200円くらい(1.3ポンド)だし,ランチはどんなに安くても800円が最低ラインで,平均的なランチは飲み物を除いて1600円(10~11ポンド)くらい.そりゃ外出・外食も控えたくなるわって感じ.観光地かよって突っ込みたくなるけど,観光地だわ.それにしても高すぎ.みんなどうやって生活しているんだろう.


今日はK先生(九大)とK先生(阪大)の論文を読んだ.いろいろ読んだけど,スペクトル解析を駆使してテクニカルでかっこいいなあって思った.スペクトル解析を駆使できるようになりたいなあって思ったけど,彼らの論文で勉強するのがベストなのかな.かれこれ本探しているけど,詳しいことが載っている本少ないし.誰か自主ゼミで読もう.


でも,どうも彼らのスペクトル解析は行列の対称性に目をつけた方法で,私が取り組んでみたい方法には適さない気がする.K先生(早大)の論説でもあるようにある種の対称性が大事みたいだな.でも,U先生(神大)が最近(?)対称でなくてもイケる!ってたくさん発表しているから,もしかしたら彼の論文は参考になるかもしれない.明日読んでみよう.



みなさんお気づきだろうか......私が滞在日数をカウントしていることに.これは「滞在してから〇日目」と言うことを表しているのではなく,「帰国までのカウントダウン」という意味をこめてつけています.そう,レディングでピザを食べてから(part 1 参照)私は帰国したくてしょうがないのです!いや,もちろんプログラムもロンドンにおける生活もすばらしいものだと思いますよ?でも,やっぱり日本にいたときの方が楽しかったなあと本当に思うんです.


とはいえ,イギリス滞在も残りあと半分なので頑張りたいと思います.最初は勉強だけで終わるかなあって思っていましたけど,いままで誰も解いていない問題にチャレンジできそうなので,何かしら結果を出せるよう頑張ります.次回の更新は11月04日を予定しております.では.

イギリス滞在記 part 6。

10月も気づけば半ば......を通り越して終盤に差し掛かろうとしています.外の気温も先月よりも下がってきています.毎年秋になると,気温と記憶はリンクしているのかなあと思うことがあります.大学入学以降,それぞれの年の秋に何をやっていたのかはっきり覚えているんですよね.中高生のころ秋は何をしていたかあまり覚えていないのに.いま思い返すと楽しかった思い出よりもつらかったり苦労した思い出の方が多いような気がします.今年の秋はいろいろと楽しめたらいいなあと思います.ぼっちだけど.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


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10月14日(Day 36 / 98)

今日も大学行こうかなあと思っていたけど,今日も行くと曜日の感覚がなくなって,生活にメリハリがつかなくなりそうだったので,行くのはやめた.今後,日曜日はあまり大学行かないようにしようと思ったけど,どれぐらい続くだろうか.


今日はだらだら家で過ごし,小説を読んだり,論文をあさったり,お昼寝したりした.充実した休日とは言い難いけど,こういう日もありかもしれない.ちなみに,まだ去年みたいに YouTube で魚を捌く動画を見ていないので,精神状態は良好だと思われる.


ところで,今日はカルボナーラを作った.卵と牛乳がなかったので,マヨネーズとチーズで作ってみた.


やっぱりね,牛乳はともかく,卵ないとおいしくない.味は完全にマヨネーズ味のスパゲッティだった.不味くはなかったけどおいしくもないみたいな感じ.次作るときは卵を買ってこよう.


10月15日(Day 37 / 98)

今日から図書館がリニューアルするってことで,いつもよりもやや早めに家を出て,図書館に向かった.しかし,まだ改装中で,聞いてみたら今日の夕方頃から使えるようになるよって言われた.今日リニューアルオープンするって書いてあったけど,時間は未定ってことだったのか.時間にルーズだなあ.


仕方ないので,勉強したことを LaTeX でまとめようと思ったけど,変換プラグと iPad を忘れてしまった.何もできないなあと思ったので,勉強したかった Layer potential についての pdf を何ページか印刷し,午前中はそれを勉強した.Layer potential の概要をなんとなくつかめた気がするけど,今後の Lipschitz 領域における研究を考えると,使いこなせるようになる必要があるので,もう少し少し勉強と勉強が必要かなあ.


午後は PDE の講義.Rankine の jump condition について扱った.昔ちょっと勉強しようかなあと思っていた内容なので,ちょうどよかった.でも,一生懸命勉強しても1次元がメインだし,自分の研究には役立たなさそうなんだよなあ.まあ,趣味だと思って勉強しよう.


講義後は,確率論の課題について少し考えた.また,図書館に行って本を借りた.図書館,借りられているだけかもしれないけど,本の種類が偏っている気がするんだよなあ.微積と線形と統計の本,そんなにいる?みたいな感じ.数学科の図書室ないのかなあって思ったけど,たぶんないんだろうな.正直,弊大学の教育の数学科の図書室の方が品揃えはいい気がする.


夕飯は,スパゲッティーとスープに飽きてきたので,トルテリー二を買ってきた.


そこそこおいしかった.近いうちにまた食べよう.


10月16日(Day 38 / 98)

今日は iPad は忘れなかったけど,変換プラグを忘れてしまった.ノートパソコンを昨晩充電しておいたのが不幸中の幸い.やっぱりね,変換プラグは家用と大学用の二つ必要なんだよな.


午前中は,確率論の講義.ほとんど測度論だしわかるだろうと思っていたら,ちょいちょい知らなかったことを扱っているので,勉強しなきゃ.教科書はわかりにくいから,図書館で借りた本で勉強しようかな.


そういえば,講義中,Reading のほうの教室で火災報知機が作動して,講義が一時中断した.講義をネット中継するとこういうことも起こるんだね.Imperial のほうはなんともないからシュールだった.


さて,お昼ご飯は,昨日の残りを食べたけど,まあまあおいしかった.お腹が空いていたからキッチンで一人でもぐもぐ食べていたんだけど,食べ終わって机に戻ると,みんないない......どうやら,外で食べているみたいだ.そういえばニコロ君が天気いいし外で食べたいみたいなことを講義後言ってた気がする.個人的にはみんなで群れるのは好きじゃないんだよなあ.んー,どうすればいいんだろう.


午後は,Stress Management の時間があり,みんな配布された事前課題をやっていたが,それは私のもとに届いていなかった.もう,本当にやめてほしい.Visiting student の宿命なのだろうか......と考え始めたころ,優男のオリバー君がメールを転送してくれた.オリバー君ありがとう.


事前課題の内容は

・Think back over the last month. Briefly describe the situations or occurrences which caused you to feel stressed.
・What was the single most satisfying event you have experienced over the last 3 months? Why was it satisfying?

と,ストレスを感じるのはどういうときか次のフレーズから選べ,というものだった.リストにあがっていたフレーズ,ほとんど知らない単語だなあと思って weblio で調べていたら(レベルが)ほとんど英検1級以上の単語だった.んー,やっぱりみんな英検1級に余裕で受かるくらいの英語力なのか......帰国したら英語勉強しよ.


そういえば,ロビンちゃんが What was the single most satisfying event you have experienced over the last 3 months? Why was it satisfying? という質問の答えがセックス以外に思いつかない!どうしよう.これってたぶん人生で大事にしたいものを暗示しているってことなんだよね?私そんなのいやだぁぁ!みたいなことを言っていて面白かった.思ったことはきちんと発言する,という文化を見せつけられた.ちなみに私は夏休み友人と楽しんだバーべキュー(久々に友人に会えたから),と書いた.


事前課題も終わったし,Stress Management の時間だと思って席に座ったら,出席簿が回されてきて,私の名前がなかった.どうやら,visiting student の私は受ける必要はない,ということでメールが来なかったんだろう.んー,受けなくてもいいよってことくらいは教えてほしかった.


仕方ないので(?)ジムに行った.とても混んでいたので,ランニングとエアロバイクのみ.今日はちゃんと30分走ったけど,傾斜(7%)をつけるとなかなか疲れるものね.今後も定期的に行こう.


帰宅後,夕食を作り,食べようとしたらホストの人がたまには一緒に食べようと言いだした.そういってもらえるのはありがたいことだけど,今日は疲れてるから一人でのんびり無言で食べてたい,と言うことはできなかった.どういう文脈かは忘れたけど,君は友達が少ないのねみたいなことと,褒められたらとりあえず Thank you って言って話を切り上げようってことを言われた気がする.あと,K-popBTS というグループがイイ!みたいなことを言われた.あ,ちなみに,夕飯はマヨネーズスパゲティでした.まあまあ美味しかった.


10月17日(Day 39 / 98)

今日は弟 a と b の23歳の誕生日.誕生日だし,おめでとうってライン送ろうと思ったけど,ラインはブロックされているんだった.仕方ないので妹に伝言した.去年までフリーターだった弟たちは今年から(母から話を聞く限りでは)就職したらしい.立派になったものだなと思ったけど,新入社員の弟 a は会社を仮病で休んでマリノスの応援に行っているらしい.まあ,ゴール裏で太鼓をたたくことになっているからしかたないのかな.一方で弟 b は仮病は使わないものの,週休2日のうち2日ともマリノスの応援でほとんどつぶれるらしい(サポーターなので,地方に遠征に行ったり,シート張りなど).彼らは高校2年から,祖父の葬式とかぶった試合を除く全試合行っているんじゃないかなあ.ふつうにすごいと思うけど,周りもそういう人しかいないのかなって思ったりもする.


今日は少し早く起きた.というのも,今日は Reading に行くからだ.先週と同じように Paddington 駅に行くと妙に静かだった.なんか嫌な予感がするなと思ったけど,不幸にもそれは的中してしまった.どうやら電力トラブルで全線運転見合わせらしい.ロンドンに来てまだ2週間ちょいしか経ってないけど,電車とかのトラブル多くない??どうすればいいんだろうって思ってけど,だめもとで駅員に迂回ルートを聞いたら,Waterloo 駅から Reading 駅に向かう(急行でない)電車があるよと言われた.


急いで Waterloo 駅に向かった.この駅は観光名所のひとつである London Eye の最寄り駅だけど,こんな形で来たくなかった.切符を買って,電光掲示板を見たら,見た瞬間に Reading 駅行きの電車が出発してしまった.悲しい.サンドイッチマンのみどりな窓口かよと思った.


ほかのメンバーがいないか構内を少し見渡すとニコロ君がいた.駅に Wifi がなくて到着がかなり遅くなりそうってことを連絡できずにいたので,助かった.電車は予定時刻より10分遅れて発車し,到着は予定時刻より30分遅れた.結局乗車した時間は1時間ではなく1時間半になった.もう朝から散々だ.9時に着くつもりが10時30分になってしまった.講義は10時からなのに.


どうやら,Imperial の学生で講義に間に合ったのは1人しかいなかったらしく,結局講義は行われなかったようだ.たぶん,朝電車が止まっているという情報をいち早く入手していたのだろう.私も今後もう少し早く起きて電車の情報を調べるようにしよう.講義は1時間だけのチュートリアルというのは不幸中の幸いだったかもしれない.


午後は,数値解析の講義.でも,講義は行われず,先週と同様に先生が学生の質問に(個別に)答えるというものだった.今日は先生が作ったサンプルコードを理解し,CIP法を少し理解した.先生は Semi-Lagrangian 法でいいよって言ってたけど,なんかイマイチよくわからないのよね.


帰りは Paddington 行きの急行電車が復活していたのでよかったと思ったら,乗る予定だった電車がキャンセルになり,仕方なく次の電車に乗った.この国は本当に先進国なんだろうか.急行電車だと Paddington まで直行なので,30分で着く.朝に比べるとめっちゃ早く感じた.


疲れたし,どっかで夕飯食べようかなあと思って近所を散策していたけど,やっぱりどこも高いのね.でも,そこそこ安くて(5~10ポンド)おいしそうなピザ屋を発見した.残念ながら気分はピザではなかったので行かず,結局家でコンソメスープとサラダを食べた.ピザ屋は週末行こう.


夜,7月くらいに先生に「無理だよ」って言われた研究に取り組んでみたい気がした.偉い先生が書いた本に「無理」な理由がわかりやすく書いてあったけど,ラプラシアンだから無理ってだけであって,ストークスだとちょっと話が変わったりするのかなあとふと思った.前先生と話したときはヒューリスティックなアイディアしか伝えなかったから,12月までにリゴラスなアイディアを伝えられるように頑張ろう.まあ,もし無理なら無理で,「これは無理」っていう論文を書くのもアリな気がする.


10月18日(Day 40 / 98)

今日は講義はないけど,家にいても仕方ないので大学へ.とりあえず大学に行くという発想,なんか貧しい気がしてきたな.まあ,大学に行くというのが最適解であることは否定できないけど.


午前中は,数値解析の課題を進めた.CIP法を用いたコードが書けた.やっぱり,LaTeX と同様に,1. 全部わかんなくてもとりあえず書いてみる,2. ちょっとずつ修正する,3. 何度も試行錯誤する,ということを繰り返していくうちに自然と書けるようになるのかなあって気がした.数値解析の研究に取り組む技術も知恵もないけど,趣味でやる分には楽しいかもしれない.コードが書けたので,あとはレポート書くだけでいいはず.週末に片付けよう.


昼食は今日もお弁当.この前チーズを買ったので,いつもと同じ具材で,チーズをかけたら美味しかった.簡単に作れるし,おすすめ.チーズがあるとこんなにも違うのね.


午後は,Layer potential を勉強するかと思っていたけど,昨日できなかったチュートリアルの補講が14:00~15:00であった.え,そんなの聞いていないよと思ったら9時過ぎにメールが来ていた.んー,今後は昼もメールチェックするようにしよう.でも,当日に朝にメールするのやめてほしいなあと思っていたけど,同期のT君のゼミも同じようなことが起こるって言っていたな.そういえば彼とは7月以降会っていない気がするな.元気にしているだろうか......って思っている間に論文書いているんだろうなあ.彼は私の倍くらい論文書いているし,私も研究して書かなきゃなあ.学振DCに採用されて浮かれている場合じゃない.


さて,夕方はジムに行って,前回と同様に,走って漕ぐだけ.あ,ちょっとだけ筋トレをした.今日は行くのが少し遅かったので,前よりは空いていた.体重は前回とほぼ同じ.今日ふと思ったけど,ビールもラーメンもない生活だったら痩せるのは自明な気がしてきた.帰国したら太りそう.


夜は,小説を読んで,読み終えた.東野圭吾さんの「むかし僕が死んだ家」を読んだ.

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)


最初読み始めたときは,なんかよくわかんないなあって感じだったけど,中盤以降から急に面白くなって,最後はわーって感じ.面白かったのでおすすめ.前に読んだ「秘密」もそうだったけど,読み終えて初めてタイトルの意味を理解できた.本を紹介してくれたTさんありがとう.ちなみにBookoffだとたぶん200円くらいで売っている.


10月19日(Day 41 / 98)

大学の部屋に(共用の)インスタントコーヒーがあったんだけど,昨日で切らしてしまったので,Tesco で自分用のインスタントコーヒーを買った.日本のインスタントコーヒー,なんかちょっと酸味があって好きじゃないなあって思っていたけど,こっちのはそのようには感じない.インスタントコーヒーの質がいいのか,水質の違いか.んー,わからん.


今日大学に向かう道,というよりは大学の隣にあるサイエンス・ミュージアムの前に Lego の模型があった.

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スターウォーズかな?そういえば,スターウォーズって見たことない気がする.写真じゃわかりにくいけど,左の人っぽいやつは私より大きかった.190cm くらいかな?


今日は数値解析のレポートを書こうとしたけど,参考にする本を探してばかりだった気がする.レポートで参考文献を挙げなさいって書いてあったため.正直,数値解析の理論は勉強したことないから,なかなか厳しいんだよなあ.どんな本がいいんだろう.CIP法が載っている本があんまりない気がするのは気のせいだろうか.もし知っている人がいたら教えてください.


午後は,力学系の講義があった.先週に引き続き意味不明だったけど,講義で出てきたキーワードを調べてみると,どうやらエルゴード理論についての講義らしい.いままでにエルゴード理論の「エ」も聞いてないぞ......?来週は少し調べて勉強してみよう.


さて,家に帰って夕飯でも作ろうと思ったけど,食材を切らしたのを思い出した.帰る時間が少し遅かったので,外食することにした.そういえば前に行った大学内にあるバーハンバーガーおいしかったなと思って向かうとめっちゃ混んでた.そうか今日は金曜日か(先週ぶり2度目).でも,どうしてもハンバーガーを食べたかったので,バーガーキングに行った.正直味は微妙だった.悲しいなあ.


10月20日(Day 42 / 98)

予定がないので,今日も大学へ.日本にいたときも土日も大学行くことが多かったけど,もしかしたら孤独感を紛らわしたいだけなのかもしれない.家にいても Twitter を覘くか Instagram を眺めるかしかやることないし.


今朝は寒かった.息が白くなるくらいに.そろそろ秋が終わっちゃうのかなあ.まだ今年一回も紅葉を見ていないのに.いや,下を向きすぎて見逃しているだけかもしれない.


今日は Layer potential を勉強した.個人的な印象としては,Layer potential は一昔前に流行った手法だと思うんだけど,ほとんどが境界に  C^1 ぐらいの regularity を仮定している気がする.でも,layer potential の強みは境界が(局所的に)Lipschitz であってもいろいろ議論できるってことだと思うんだよな.理由がないのに境界を滑らかと仮定するのは甘えな気がする.


今日の帰り道で,後ろ向きに歩いてくる人がいた.最初は私が歩くの早いから追いつきそうなのかなって思っていたけど,そんなことはなかった.暗かったし,ふつうに危ないからやめてほしいと思った.


さて,帰宅後は Tesco で安売りしてたマフィンを食べながら Layer potential の勉強をした.わかんないところをずっと考えていたけど,よく考えれば自明であった.また,勉強した内容を LaTeX でまとめた.



早いもので,そろそろイギリス滞在の折り返し地点が見えてきました.振り返ってみると楽しかったことや辛かったことがつい昨日のように思われます.昔読んだ本で「人生で最も大切なことは利益を活用することではない.真に重要なことは損失から利益を生み出すことだ」というフレーズがあったように,「上手くいかなかった」という経験は,利益を「生み出す」ために必要なのかなと思ったりもします.まあ,いろいろ書きましたが,そんなことより私はラーメンが食べたいです.さて,次回の更新は10月28日を予定しております.では.

イギリス滞在記 part 5。

ロンドン滞在3週間目.そろそろ食事がワンパターン化してきました.去年ダルムシュタットに滞在してたときは夕食は主にジャガイモ・ソーセージ・スパゲッティでしたが,今回もそうなる予感がします.日本みたいに「ご飯+おかず」みたいなスタイルだったらこんなことにはならないんだろうなあとか思います.ただ,去年と違って今年はコンソメの素があるので料理のバリエーションは増やせるような気がします.家族の中では(小学生の妹を除いて)料理が一番下手な私ですが,今回のイギリス滞在を機に腕を上げられたらいいなと思います.


前回の記事はこちら:

watanabeckeiich.hatenablog.com


目次:

10月07日(Day 29 / 98)

今日も大学行くかなあと思っていたけど,大学行くと確実に昼食がサンドイッチになるので,今日は行かなかった.せっかくの日曜日なので,ちょっと散歩することにした.そう,温かい昼食を求めて.


ロンドンは日本人が多く駐在する都市の一つということもあり,ググるとさまざまな情報を入手することができる.便利な世の中になったものね.昨日の夜,家の近くのフードコートで中華を食べたので,今日の気分も中華.目指すは坦々麺.ということで,中華料理がたくさんあるところを散歩した.どこかは言えませんが,みなさんの想像通りのところです.


坦々麺食べたいなあと思っていたけど,ほとんど飲茶っぽい.一人で飲茶をいただくのは値段的にも量的にも厳しいなあとか思っていたら,お店の看板に書いてあったメニューに麻婆豆腐があったので,入店することにした.結構混んでいたけど,一人だったのですぐに入店できた.これがボッチの強みである.


ところが,席に座ってメニューを見ていると麻婆豆腐の文字が見当たらない.麻婆豆腐を食べたくて入店したのに......仕方ないので焼きそばを頼んだ.


写真にはないけど,春巻きも食べた.焼きそばの味は正直ふつうだったけど,春巻きはおいしかった.ちょっと高かったけど.まあ,そんなに外食してないし,たまにはいいかな.


さて,いろいろ歩いていると広場でパフォーマンスしている人がたくさんいた.警察が通りががっても特に注意されたりすることはなかった.日本の警察とは違うのね.いろんな人がいろんな場所で思い思いのパフォーマンスを繰り広げていて,見ていて楽しかった.こういう週末の過ごし方もありなのかもしれない.ちなみに,ピカチュー(というよりはサトシ)のパフォーマンスをしている人もいた.


さて,散歩をした後は,食材と弁当箱を買った.冷静に考えてみると,あと2ヶ月滞在するわけだし,絶対に昼食がワンパターン化すると思うんだよね.弁当箱を買ったというのは我ながら英断だと思う.ほかの学生たちも弁当持ってきているし.ということで,明日から弁当男子になります.


10月08日(Day 30 / 98)

今日は講義がないから少しだらだら寝てから大学行こうと思っていたら,7時くらいに目が覚めてしまった.目覚ましかけていないのに.んー,完全におじいちゃん.


午前中は,確率論の復習をした.授業では定理の証明を端折っているから,教科書読んで証明を考えてみようと思ったんだけど,教科書も省略してた.てか,教科書,文体が完全に口語でめちゃくちゃ読みにくいんだよな.一文挙げてみると,

With  f, g simple, so are  f \cdot g,  \alpha f + \beta g,  \alpha, \beta \in \mathbb{R},  \max \{ f, g\},  |f| (these operators are understood pointwise).


最初見たとき「はあ???主語どれだよ!"so" ってなんだよ??」ってなった.いままで,論文の英語は堅すぎるんじゃないかなあとか思っていたけど,堅い英語じゃないとちゃんと伝わらないってことなんだろうなと思った(一般に数学の論文は他の分野の論文よりも「フランク」だけど,こんなにフランクな文は見たことなかった).


さて,文句を言っているとお待ちかね(?)の昼食です.今日からお弁当男子になりました.


やっぱりね,電子レンジほしいよね.お弁当冷たい.味は,ケチャップよりマヨネーズの方がよかったかなあという感じ.改善の余地有り.


昼食をささっと済ませた後,確率論の復習.とりあえず,前回の授業で扱ったところまでは復習できたけど,一部の証明がわからないって感じ.明日図書館行って調べてみよう.


PDEの課題やろうかなあって思っていたけど,来年参加する人のために引継ぎ(?)資料を作ることにした.最初は Word で書こうと思ったけど,LaTeX で書くことにした.5ページくらい書いた.こういう資料は,忘れる前に書かなきゃいけないってことを学部生のときに学んだから,今後随時書き足していこう.


せっかく LaTeX で書くし,フォントをメイリオに変更しようと思っていろいろ調べたけど,やり方がわからなかった.5月くらいにできたはずなんだけどなあ.知っている人いたら教えてください.結局妥協して,ほかのフォントに変更した.


10月09日(Day 31 / 98)

今日で,渡英1ヶ月.早いものね.毎日こんなに長く日記を書くのは初めて.20歳になってから毎日(手帳に)日記書いているけど,写真は載せられないもんね.こういうところにブログの良さがあるのかもしれない.


今日の午前中は測度論の講義.今日は,単調収束定理とFatouの補題を扱った.前から思ったんだけどね,講義は「説明」って感じなんだよな.だから,板書は必要最小限のことしか書かないし,ノートとっていてもよくわからない気がする.まあ,私は学部生のとき勉強したから大丈夫だけど,ほかの人にとっては難しいんじゃないかなあ.進度も速いし.私が学部生の頃は,測度論の講義は出席してもほとんど寝ているかサボってばかりだった気がする.それくらい難しいはずなのに,食らいついていこうとするほかの学生たちすごいと思う.必ずしも数学専攻じゃないのに.


授業後は,ゲスト先生と会った.1時間くらいコーヒーを飲みながら会話した.言われて気づいたけどね,イギリスに銀行の口座作ってデビットカード発行してもらったほうが生活が便利になる気がする.明日は無理だけど明後日あたりに作りに行こうかな(ただし,きっとその頃には忘れている).


ゲスト先生も話していたけど,さまざま国・地域の人と交流できる,というか英会話できるというのは,日本人の私にとっては大変貴重な機会で,英語力を磨くいい機会だと思った.まあ,英語力を磨きに来たわけではないけど.英語力「も」磨けるというのは海外派遣の魅力なのかもしれない.日本の友人や食事はさびしくなるけど.


午後は図書館に行って本を借りようと思っていたら,現在改装中で,本を借りるにはオンライン上で請求する必要があるといわれた.来週の月曜から「立ち読み」できるらしいので,来週また来ることにしよう.


ということで,仕方ないので,昨日に引き続き資料を作成した.ゲスト先生も,(帰国後に)イギリスでどうやって生活していくかってノートを作成したほうがいいかもねって言ってたし.入国前の手続きとかの部分は完成した.


さあ帰ろうかなあってときに,テレンス・タオ先生がオイラー方程式の時間局所適切性のレクチャーノートを挙げたというRSS通知が来た.ちょろっと見た感じ,前回のレクチャーノートほど長くはないから週末に勉強しようかな.特に,Beale-Kato-Majda の理論は理解したい.オイラー方程式は私が興味のあるナビエ・ストークス方程式とは異なるけど,粘性を考慮しないことでどんなことが起こるか理解することは,粘性の(数学的な)効果を理解するうえで重要だと思う.あとは将来の研究分野を広げたいというのもある.


10月10日(Day 32 / 98)

水曜日というのはイギリス(というよりはヨーロッパ?)において特別な曜日みたい.大学(学部)の講義も水曜の午後はないみたいだし.こっちではサークルとは呼ばないけど,日本でいうサークル活動は毎週水曜の午後に行われているみたい.


私が参加しているプログラムも,水曜日は特別で,Imperial と Reading の学生が交流する「唯一」の曜日である.プログラムではこの水曜日を MPE Wednesday と呼んでいる.相変わらず名前付けるの好きね.MPE Wednesday では,基礎講義のほかに講演者を招待してその話を聞いたりする.まあ,先週の水曜と同様のことを行うわけだけれども,一応今週が「第1回目」ということらしい.


今週はレディングで行われるので,いつもよりも早く起床してパディントン駅へ.イタリアのイケメン,ニコロ君に「みんなで8:30発の電車乗る約束しているからよかったら一緒に行こう」と昨日言われたので,そのちょっと前の時間に構内をうろうろしていたらみんなに遭遇.やっぱりね,SNSアプリが使えないというのは不便だよなあ.SIMフリーにしなきゃだめね.みんなと合流できたし,めでたしめでたし思ったらニコロ君がいない.どうやら電車が遅延していて間に合わないらしい.笑っちゃいけないけど,ちょっと笑ってしまった.


ニコロ君は我々より10分遅い電車に乗るってことだったけど,到着する時間もぎりぎりってことでニコロ君を置いて大学へ向かった.結局,ニコロ君も時間には間に合った.


午前は数値解析の講義.のはずが,先生が「この時間は,みんなが課題に取り組む時間です.私が手助けしますから各自課題に取り組んでください」って言って,講義っぽいことをやらない宣言をした.ああ,これは数値解析をほとんど勉強したことない人(私)にとってはかなりつらいやつだなあと思った.念のため日本から数値解析のテキストを持ってきた甲斐があったかな(?).この講義(というよりは時間)は数値解析の「心・目的」,課題を理解するだけで終わった.お昼休みにみんなに聞いた限りだとみんなも同じような感じみたい.課題の提出締切が2週間後でよかった.


その後昼食をはさんで,PDEの「チュートリアル」があった.1時間.何をするんだろうとか思っていたけど,課題でわからなかったところのヒントを与えてくれるというものだった.まあ,1時間しか時間ないからそういうことになるのかな.


このとき,先週悩んでいたところで,(たぶん)間違っているであろうところを先生に指摘したら「そんなことはないよ」って言われてしまった.でも,みんなも同じようなことを言っていたので,「あとで確認してみるね」ってなった.正直,モデリングに関しては先生よりも私の方が詳しいと思うんだよな.


ちょっと休憩を挟んで,最後は Owen Jones 先生の講演.雨が山の斜面をどのように流れるかっていう話だった.確率論を使っていろいろ話していたけど,よくわからなかった.んー,確率論勉強しなきゃだなあ.内容は面白そうなだけに残念.


講演の後はコーヒータイム.ブラウニーとマカロン,フルーツとかが用意されていた.こういうところはヨーロッパらしいと思う.日本も是非見習ってほしい.おなかが空いていたので,ブラウニーとマカロンをめっちゃ食べた.これは確実に太りそう.週末運動しなきゃ.


10月11日(Day 33 / 98)

朝,洗濯してから大学行こうかなあと思っていたけど,ホストの人が洗濯干すやつ(名前わからない)を使用していたので断念.「それ,一昨日の夜から干しているよね?早く片付けてよ」と思ったけど,そう言う英語力(と勇気)はないので諦めた.うすうす思っていたけど,ホストの人何かとだらしない気がするんだよなあ.


今日は,PDEの課題を一生懸命進めた.来月の初旬までにやらなければいけない課題2部のうち1部が終わった.なかなかいいペース.来週末までにもう片方も片付けたい.エネルギー法を少し理解した気がする.


今日の講義はPDEについて.昨日質問した内容は,私が正しかったようだ.今日は,特性曲線法の続きと弱解を少し扱った.途中,熱方程式の場合どうなるかを説明してたけど,関数解析を勉強したことない人には理解できない内容(双対空間とか)が出てきて,何人かは理解するのを放棄している様子だった.なんかかわいそうだった.私が教えてもいいんだけどなあとは思ったけど,向こうのほうから質問してこないし,まあいっか.


帰宅後はだらだらしてた.そろそろ学振DCの発表かなあと思ってエゴサーチしてたりしてた.期待しても仕方ないのに,期待しちゃうのは何でだろうね.


10月12日(Day 34 / 98)

学振DCの結果出てたりするのかなあってログインしてたら結果が出ててびっくりした.そのときは,学振から結果を開示しましたってメールもらっていないし,ホームページの掲示板にも書いていなかったので,何かのバグかなって思っていた.でも,その後に通知が来て,ようやく事実であることを確認できた.


というわけで,おかげさまで学振特別研究員DC2に採用された.去年は面接候補まで残って不採用になったので,素直にうれしいという気持ちと,リベンジに成功したという興奮でいっぱい.去年,「君のモデルは物理的に正しくないと思う」と言ってきた面接官を見返したいという一心で研究と申請書作成を頑張った甲斐があったのかもしれない.今後も頑張ります.


知り合いの何人かから質問を受けたので,特別研究員が何かを説明すると,お小遣い(≠給料)と研究費あげるから研究頑張ってねっていうメンバーに選ばれたということ.詳しくは https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_sin.html などを見てください.ちなみに,学部1年生からの友人とサークルの後輩も学振DCに(面接なしで)採用されてた.S君,I君おめでとう as well.残念ながら不採用だった人も,不採用だったという経験が生きることがあるということを伝えたい.実際に,私は去年の反省点を踏まえて今回の申請書を書いたので.あと,O先生の「成功だけでなく,『転び方』も覚える必要がある」という言葉も不採用になった私にとって励みになる言葉でした.面接候補の人は,私みたいに面接で落ちないよう頑張ってください.


実は,このブログを始めたのは,この学振DCをはじめとする研究費申請の書類を作成する際に必要な文章力を養おうというのがきっかけ.当時は,高校生向けのウェブサイトの記事の執筆のアルバイトもやってました.忙しくなってやめたけど.あと,当時とは完全にブログの記事の趣向が異なるけどね.まあ,今となってはブログは趣味みたいな感じになっている.


さて,午前中は,申請書を読んでくれた人にお礼のメールを書いたり,ちょっと困ってしまった後輩にメールを書いたりした.M1 のときに一緒に数学Q&Aをやっていた先輩から「研究者の道の最初の関門をくぐり抜けたところですが,今後も引き続き,頑張ってください.より高い目標をもって特別研究員として沢山研究成果を残してください.応援しています.」と返信をいただいた.そうだよな,研究者としてのキャリアはまだ始まったばかりなんだなと思った.DC2に採用されたくらいで舞い上がっている場合じゃないんだよな.より高い目標......いまのところは「新しい解析手法の開発・確立」だけど,これができるようになるのはたぶん早くても10年後くらいだろうな.当分の目標は,わかりやすいものだと,学位取得と学振PDの採用かアカデミックポストへの就職だろうか.あとはオーストラリア数学会のジャーナルランキングでA*の雑誌のアクセプト.でもまあ,まずは,現在参加しているプログラム(というよりは講義)に一生懸命参加して,無事帰国することを頑張ろう.高望みしても仕方ないというのは過去の自分が物語っている.


その後は,だらだらツイッター見てたり,PDEの課題を少し考えたりした.いままで KdV 方程式をそんなに考えていなかったけど,もしかしたら面白いのかもしれない.でも,研究するとなると尻込みしちゃうかなあって感じ.完全可積分系ということもあって,いままで私が得てきた「常識」が通用しない気がする.でも,一度はちゃんと勉強して,Tao 先生らが開発した I-method を(ただ)理解したい気もするけど,「いま」ではないんだろうな.勉強じゃなくて研究しなきゃ.


午後は,力学系の講義があったけど,よくわからなかった.もちろん,先生の言っている意味はわかるんだけど,講義の目的や方向性がよくわからなかった.教科書に(たぶん)載っていないことを扱っているし,せめて参考書を教えてほしいなあって感じ.板書もメモみたいな感じだし,字は雑で読めないし,もっとちゃんと説明してほしいなあって感じ.明日メール書いてみようかな.いまさらだけど,黒板にちゃんと「文章」を書くというのは日本の文化かもしれない.ちなみに,ほかのメンバーも講義後文句言ってた.


今日の午前中に,プログラムのコーディネーターである Crisan 先生が「プログラムの感想書いてもらってもいい?この前一緒に撮った写真とともにホームページに載せたい」と言われたので,講義の後は,プログラムの感想を書いた.んー,なんかいろいろ注目を浴びそうでやだなあ.せめてもっときれいなシャツ着て写真写ればよかった.


さて,夜は,学振DC採用を個人的に祝おうと,どっかバーみたいなところにいって,ビール飲みつつハンバーガー食べようと思っていたんだけど,今日が金曜日であることをすっかり忘れていた.そりゃどこも混んでいるよね.仕方ないので,日本食風(?)のファーストフード店に行き,うどんっぽいものと餃子を食べた.


餃子に照り焼きソースをかけるのがブリティッシュスタイルらしいので真似てみたけど,正直微妙だった.テーブルの上に醤油とチリソースがあったけど,どうせだったらタバスコも置いておいてほしかった.実は餃子のたれとして醤油とタバスコは意外とイケるので,おすすめ.家族からは不評だけど.


10月13日(Day 35 / 98)

今日は朝だらだらして,昼くらいに大学に行った.PDEの課題を終わらせようと思ったけど,最後の問題はさすがに何か文献を参照しないとわからなさそうだったので断念.月曜日から図書館リニューアルするし,月曜日に片付けよう.また,課題でよくわかんないところを先生にメールで質問したらちょっと誤植があったみたい.なんかいちゃもんばかりつけている学生って感じでいやだなあ.


土日は何かリフレッシュしたいなと思って,大学のジムの会員登録をした.あと2ヶ月しか滞在しないけど年会費を払った.値段は弊大学のジムよりちょこちょこっと高い程度.せっかくだしジムに行った.


久しぶりに運動っぽいことをした気がする.具体的には,エアロバイク,ランニングマシン,レッグプレスをやった.本当は筋トレ的なことをしたかったけど,ガチムチなお兄ちゃんたちが真剣に取り組んでいたので,ジム初心者の私は遠慮せざるを得なかった.器具の使い方もよくわからなかったしね.次行くときはもう少し予習してからこよう.


そういえば,ジムに体重計があったから,約1ヶ月半?ぶりくらいに体重はかったら5キロくらい痩せてた.体重計が故障しているだけかもしれないけど,まあ何年かぶりに適正体重を下回ったので良しとしよう.これからも健康的な生活を心がけよう.


ただ,帰るとき若干めまいがしたんだよなあ.でも,今日に限らず今週はちょっと立ちくらみすることがあった気がする.スーパーにレバーもひじきも売っていないし,どうすればいいんだろう.


あと,ロンドンの地下鉄,急に行き先変更するのやめてほしいなあと思った(昨日に引き続き2度目).いや,副都心線で行き先が和光市から新宿三丁目に変更になるのはわかるんだけどさ,渋谷に行こうと思って東急東横線に乗っていたら多摩川東横線が急に目黒線に変更になるっておかしくない?っ感じ.私は多摩川から渋谷ではなく目黒のほうに行こうとしていたから困らなかったけど,混乱するからやめてほしい.ロンドンの地下鉄,バリアフリーじゃないし,行き先を勝手に変更したりするし,そのくせ電車賃は高いのはなんなんだ.


ところで,スーパーに売っていないものといえば,ピーマンも売っていないな.売っているのは緑色のパプリカだけ(肉厚).それでも,「今夜はスパゲッティーを食べたいなあ.でもボロネーゼも飽きてきたなあ」と思って,ナポリタンを作ってみた.


けど,やっぱりピーマンがほしいなあと思った.ナポリタン自体はおいしかったけどね.初めて作った割には上出来だと思う.今度はカルボナーラを作ろう.ベーコンとにんにくないけど.



いろんな人から「ブログ見ているよ」と言われるようになった気がします.ありがとうございます.もう少し内容のある記事が書けるよう頑張ります.とりあえず,来週はジムに2回行くことを目標にしたいと思います.次回の更新は10月21日を予定しております.では.